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(略)
菅さんは、小泉改革を「弱肉強食社会」と批判し、不幸になる人をできるだけ少なくするのが政治の責任といい、それを「最小不幸社会」といっている。
もう一つは、農業の捉え方の点。
「農山村の再生なくして日本の再生はない」
「農業は産業というだけでなく、国のあり方を原理づけるものだ」と。
これも他産業と同じように農業にも構造改革を迫る、あるいは「攻めの農政」とかで、農畜産物の海外輸出で活路を見出そうとする「小泉農政」とは大違い。
小泉政権のここ5年、今問題になっている「ライブドア事件」「耐震強度偽装事件」「米国産輸入牛肉の安全問題」「官製談合事件」は、小泉改革の規制緩和や、構造改革がもたらした結果。
また、「格差は生じていない」は、青テントや交通事故よりも多い自殺者数など、どこをみて言っているのやらと思いたくもなる。
菅さんのいう、「最小不幸社会」をつくらなければ、この国は昔、ある首相がいった「貧乏人は麦飯を食え」の社会になってしまいかねない。
そして何より、農業の捉え方、視線も菅さんが正解と思う。
何かの本で「アメリカには農民はいない、農業という産業はあるが」とあった。
米国産輸入牛肉の安全問題で、アメリカの高官が「自動車の欠陥車を1万台のうちから1台みつける確率」、と宣ったが、人間と車を同レベルで論じる国に追随する必要は微塵もない。
農業、ことに日本の農業は単なる産業ではなく、人の生命を育み、自然環境を守り、何より「美しい国」を維持する偉大な装置。
とりわけ、水田は、先人が営々と築いたかけがえのない日本人の公共的財産。
そんな中、小泉改革の総仕上げ(?)今国会で品目横断的経営安定対策(日本型直接支払い)の関連法案が審議に入った。
民主党も対案を出しているが、数の論理から言えばどうにもなるまい。
日本人の昔からお上に弱い体質は変わらないようだ。
これでは「最小不幸社会」どころか「最大不幸社会」を招きそう。フランスじゃないが、ここは一つデモでも…。
(だだっ児)
農業協同組合新聞
http://www.jacom.or.jp/column/ochi00/kora101s06042003.htm
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