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(回答先: 「共謀罪」の審議はこのように始まった!(4/21) 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 4 月 21 日 23:33:57)
ブログ<法と常識の狭間で考えよう>
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2006.04.21
共謀罪法案の審議が始まった
本日(4月21日)、衆議院法務委員会において、共謀罪法案を提出した政府案についての趣旨説明を杉浦法務大臣が行い、与党は修正案を提出してその趣旨説明を自民党の早川忠孝議員が行った。これによって、昨年秋の特別国会以来止まっていた審議が再開された(毎日新聞の記事)。
今日の審議の模様は、社民党の保坂議員のブログ(「保坂展人のどこどこ日記」の「共謀罪のスタートは強硬離陸」)で詳細に報告されている。
それによると、野党である民主党と社民党からは、今日の趣旨説明をやめるように申し入れたが、与党側は、先日の理事会で決めた今日の共謀罪法案の趣旨説明を一歩も譲らず、与野党の合意がないままに、趣旨説明が行われたという。野党委員は総立ちとなり、法務委員会の委員長席に向けて抗議を行う中での趣旨説明だった。
この点は、毎日新聞の記事でも、「政府案と与党修正案の提案理由説明はやじと怒号でほとんど聞き取れない事態になった。」とある。
その後に行われた理事会でも、今後の共謀罪法案の審議日程が話題となったことから、民主党議員と社民党議員が退席し、その後、与党だけで、4月25日(火)9時30分〜10時30分、15時30分〜14時30分の2時間の与党質疑を決めたという。
与党は今日の審議入りに大変にこだわったことがここから見てとれる。今週末には衆議院議員の千葉での補欠選挙があることを考えると、その選挙への悪影響を考えると、今日でなくても良かったはずである。
しかも、昨年の特別国会において、衆議院法務委員会の審議は参考人質疑も含めてほとんどの審議を終了していた。だから、与党修正案についても、与党としては、1,2回の審議で十分だったはずである。
ところが、今日の審議入りにこだわったのは、来週金曜日の4月28日の共謀罪法案の採決に向けて、「1週間も慎重に審議した」という「実績」を作りたかったからと考えられる。つまり、与党も慎重に審議しましたというアリバイ作りである。
その意味においては、与党側は、4月28日の共謀罪法案の採決を本気で考えているとも言える。
今日の衆議院法務委員会における審議の様子から見ても、共謀罪法案の審議の仕方が異様であることは伝わってくる。それは、この法案が治安立法であり、政府として、この時期に何としても成立させておかなければならない法案であることを示している。
社民党の保坂議員は、「共謀罪、誰がアクセルを踏んでいるか」で、
今日の共謀罪反対の共同記者会見と集会の席で私は、「ふだんにこやかにしている与野党の間の空気も、この『共謀罪』を語る時になんともいえない緊張感とひやりとした冷たさを感じさせる。重苦しさと威圧感漂うこの空気が、共謀罪の本質を語っているのではないか」と発言した。
と述べている。これは上記のことを暗に述べているのだと思う。
実は、少し前まで、衆議院法務委員会においては、与野党が大変に友好的なムードで審議が進められてきた。今国会でその様子が一変したのは、民主党の代表に小沢一郎氏が選出されてからである。
代用監獄の法制化や未決拘禁者の処遇等について定めるいわゆる未決法案(「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案」)について、野党が与党に対して修正協議を提案したが、与党側はこれを完全に拒否し、この法案の修正を全く受け入れなかった。昨年の受刑者処遇法の審議の際には、与野党の協議を経て、何点かの法案修正をしたことと対比しても、与党側は、明らかにこれまでとは異なる態度をとっている。
共謀罪法案についても、本年2月14日に、与党から民主党に対して与党修正案が示されて(その内容は、今日、与党から提出された与党修正案とほとんど同じである)、修正協議を申し入れていた。
しかし、今週、与党側は、民主党との修正協議をしないことにして、与党だけで与党修正案を提出し、4月28日の採決を急いでいるのである。
最近の報道では、野党による審議拒否の可能性にも触れられている。与党によるスケジュール闘争やアリバイ作りに利用されないために、野党は、この際、断固として審議拒否すべきではないか。そして、国会の外に出て、共謀罪法案がいかに危険なものかを多くの国民に語りかける必要がある。
弁護士会も、与党修正案を批判して、共謀罪法案を成立しないための戦いに立ち上がろうとしている。日弁連はさっそく会長声明(「共謀罪与党修正案についての会長声明」)を出している。
この修正案がいくつかの点で限定を加えた姿勢については一定の評価は しうるものの、この法案がもともと有している多くの問題点は是正されておらず、当連合会は、この法案には強く反対し、その抜本的見直しを求め、運動を継続・強化していくものである。
また、東京弁護士会も会長声明(「共謀罪に関する与党修正案に反対する会長声明」)を出している。
共謀罪が対象となる犯罪は、長期4年以上の懲役もしくは禁錮の刑が定められている罪は、現時点で619以上もの多数の犯罪に及ぶものであり、非常に広い範囲で、曖昧な要件のまま、捜査機関によって恣意的に運用されるおそれが強いものであり、与党修正案によって修正されたとしても、その本質的な危険性に何ら変わるところはない。(略)共謀罪の与党修正案に対して強く反対するものである。
これ以外に、今日の時点では兵庫県弁護士会も会長声明を出したと伝えられている。
さらに、日弁連では、来週、審議のまっただ中であるが、反対集会も企画している。是非、多くの市民に集まって欲しいと願っている(集会案内)。
共謀罪に反対する大集会 日時 2006年4月26日(水)18:00〜20:00 場所 弁護士会館2階 講堂クレオ
来週にはいよいよ共謀罪法案は実質的な審議に入る。与党による採決に向けた動きを止めるのは、野党の活躍と世論の盛り上がり以外にはない。
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