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世界一国家への序曲、「丸腰国家論」、[改訂版]
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/866.html
投稿者 良心党・愚考 日時 2006 年 4 月 04 日 16:04:26: pnxTR7QAblFLw
 

http://homepage1.nifty.com/kikugawa_koubo/tani10.htm#marugoshiron

世界一国家への序曲、「丸腰国家論」

国家が軍事力を備えれば平和が保てるとするなら、世界中の国家が軍事力の増強に力を注げば、世界の平和が保てる事になる。しかし、このような事を主張する人はいない。それは「国家が軍事力を備えれば平和が保てる」というのは、その国自身だけに通用する我利我利思想にすぎないからだ。

だから、軍事力という相対的なものに頼っても永久ループの浪費を招くだけである。安全を金で買えるとするなら、金が尽きれば安全も失う事になる。この愚かしい永久ループから抜け出す方法として「丸腰国家」を提唱する。その手順を次ぎに示す。

国際社会の中には軍隊を持っているとはいいながら、その軍隊を隣接国とのいざこざ(本格的戦争など出来ない軍事力であるから)や国内治安部隊として活用している程度の国が沢山ある。

そのような国々に軍隊を捨てて丸腰国家なって平和を保とうと呼び掛ける民間レベルの国際運動を起こす。勿論、軍隊を廃止することで、その費用を民生の安定に振り向けるのは、大きな実利となる事も有力説得材料である。この国際的な運動の呼びかけに応じて、呼び掛け先の国民がこの運動に参加し、丸腰国家への転換をその政府に働き掛ける。

こうして形成された世論によって、いくつかの国家政府が丸腰国家への道を選択したなら、国連で丸腰国家クラブを形成する。このクラブ加盟国がが40ヶ国ほどになったら、国連総会で「丸腰国家への武力行使禁止」決議を求める。(なぜ40ヶ国かというと、米国がイラク攻撃に参戦を求めて集めた国が、中米の小国を含めて40ヶ国に満たなかった。しかし、それだけの国が参加すれば米国の面子は保てると判断したようだ。それを考えれば、丸腰国家クラブ加盟国の40ヶ国も笑いものに出来ない数になるからだ)

この総会決議は「武力を持たない国への武力行使の禁止」であるから、正面から反対しにくいものだろう。しかし、武器輸出産業を抱える国々は反対出来ないが、賛成する気にもならないだろう。そのような国々は棄権へ廻るのではないだろうか。とすれば決議案賛成票が多数を占めるのは難しいことではなさそうだ。

こうして、「武力を持たない国へ武力行使の禁止」が国連総会で議決されたなら、それを実効あるものにする為、安保理に対して丸腰国家への武力行使国は、安保理の常任理事国が武力制裁を加えるという保障を求める。しかし、これは一度ですんなりいく問題ではない。何年も懸かるかもしれない。

だが、民間レベルで丸腰国家移行への国際世論を高めていけば、安保理も拒否を続けられないだう。それに時間は丸腰国家クラブ加盟に加勢するだろうから、国連内でこのクラブへの加盟国はドンドン増えていくものと想われる。又、このクラブへの加盟は軍隊の即時廃止を意味しない。軍隊を廃止するのは安保理から保障を勝ち取った後である。

ここまででお気づきかと想うが「日本」と言う言葉は出てこない。それは日本政府や日本国が表面に立たないからだ。時の日本政府が「丸腰国家論」に好意的であっても、政府は表面に立たずに、この運動への(秘密)資金援助に留まる(つまり、黒子である)。何故かといえば、日本政府が「丸腰国家」への賛意を示した途端、あらゆる手を用いて、この政府を打倒しようとする勢力がいるからである(これは過去の例を見れば、十分にあり得ることだろう)。もっとも「丸腰国家論」に関心を示さない、あるいは反発する政府なら、そのような日本政府とこの運動は係わりを持つ必要はない。

安保理が丸腰国家クラブに保障を与えたら、そこで日本政府はクラブへの加盟を表明する。ただ、時の日本政府が「丸腰国家」への移行に躊躇するものであったり、反対するものであったり時、当然の事ながら日本国内で丸腰国家移行への戦いが起きる。国際世論の加勢を受けた運動母体と日本政府との戦いである。だがこの段階になると、国際世論に後押しされたクラブ加盟論は国内世論を席捲し、政府の抵抗も空しいものとなるだろう。このことは、この段階に至らなければ、日本国内の政治情勢がいかなるものであっても、この運動が足踏みすることがないことを物語る(つまり、この段階までは、日本国内の政治地図がどのようなものであれ、それに係わりなく国際運動を繰り広げ、推進するのである)。

日本国の丸腰国家クラブへの加盟は自衛隊の廃止であり、安保条約の廃棄である。こうして、新生日本は晴れて丸腰国家となる。日本がこうなれば様子見に徹していた諸国が雪崩をうってクラブへ加盟することになるだろう、だが軍隊を捨てられない国々も国連加盟国中の三分の一くらいは残るのではないだろうか。

となれば、困ったのは軍隊を残した国々である。国際社会で軍隊を活用するチャンスも減ってしまう。なぜなら、大規模な戦争をすれば自分たちが疲弊するだけであり、小規模ないざこざは丸腰国家の増大と共に急激に減少するであろうから。となれば軍事力をどうしようかということに悩むことになる。結局、軍事力を残した国々は戦力の削減交渉に着地点を求める以外ないだろう。最終的には各国とも軍隊をなくして、国連のみが軍隊を持つ地球一国家が出来上がる。このように想うのだ。

もう一つだけ付け加えておく。丸腰国家となったら、国際的紛争地(たとえば北方四島など)が失われてしまうのではないかと、いうかもしれない。しかし、それは安保理がクラブ加盟の時点での、加盟国の権利の主張に損害を与えない(後退しない)という保障を与えることで、この点における国家的権益は護られる。

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