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(回答先: 新聞に限らず、再販制度はいらん。ほとんど廃止した良い。 投稿者 kaname 日時 2006 年 4 月 01 日 19:12:17)
http://www.jbpa.or.jp/bunkakon-apl.htmより一部抜粋。
著作物再販制度廃止の影響
仮に再販制度が廃止されれば、新聞については、同じ新聞を扱う販売店同士の同一紙の価格競争により、これまでの効率的で安定した販売・流通システムは危機に直面し、戸別配達の打ち切りや配達料の上乗せが行われることが懸念される。戸別配達の打ち切りは、新聞読者の減少を招くほか、在宅の主婦や高齢者に対して新聞へのアクセス機会が喪失することや、身近に新聞がない子供たちの活字ばなれが進むことも考えられ、ひいては、我が国全体の知的・文化的水準の低下につながる。また、発行部数の減少・不安定により、まず、戸別配達を支えている販売店の経営は困難に陥り、販売収入に依存する新聞社は経営難に陥り、経費を取材・報道体制の強化に充てることができず、紙面品質の低下をもたらす。さらには、廃刊に追い込まれる新聞社が現れ、新聞社の数が減少し、言論の多様性という民主主義の基礎的条件が失われることとなる。
書籍・雑誌については、書店間の価格競争により、品揃えが売れ筋のものに偏向し、需要が必ずしも多くない専門書、学術書、児童図書等の発行が困難となったり、高額化する。また、大規模店との競争に敗れ、最寄りの中小書店は減少し、地域住民が本を容易に入手することが困難となる.身近な場所に書店がないことは、児童生徒や高齢者などが、読書の機会を均等に得られないこととなる。このことは、書籍・雑誌の発行部数の減少を招き、出版社の経営圧迫となって、良質な図書の減少につながっていく。
また、地方においては、新聞における配達料の上乗せや、書籍・雑誌における流通コストの上乗せが行われ、価格差が生じることが懸念される。我が国全体の文化振興は、各地域における文化振興が基盤であり、各地域における文化振興が等しく図られることにより実現されるものである。一地域における文化的不平等は、我が国全体の文化振興に大きな損失となる。
このように、再販が廃止されると、著作物の多様性が喪失するとともに、文化の地域格差が拡大するなど、文化の発展に多大な悪影響を及ぼすことが懸念される。
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http://www.jbpa.or.jp/bunkakon-apl.htm(上記の文の出所)より全文抜粋。
新聞、書籍・雑誌における著作物再販制度の役割と意義
平成12年11月9日
活字文化懇談会
著作物再販制度について、公正取引委員会においては、その制度自体の存廃について、関係業界における流通・取引慣行改善等の取組みを踏まえ、関係各方面の意見を広く聞いた上で、平成13年春を目途に結論を得ることとしており、その時期が直前に追っている。
このため、新聞・出版界の代表者及び文部省・文化庁の関係者が集い、我が国の活字文化の在り万を広く意見交換する場である活字文化懇談会としては、ここに、著作物再販制度の役割と意義を述べ、教育・学術・文化の振興・普及の観点から、この制度を堅持すべき旨を改めて表明するものである。
1 「活字文化」振興の重要性
文化は、人として生きるためのあかし、生きがいであるとともに、創造性を育み、社会や経済に活力を生み出す源泉である。なかでも、新聞、書簿・雑誌の「活字文化」は、人類の知的共有財産として、国民生活や社会を支えるものであり、我が国国民全体の文化的水準の向上に果たしている役割は極めて大きい。
21世紀は、従来の延長線上の発想では対応が難しい、先行き不透明な時代と言われており、人類にとって真に豊かな未来の創造、科学と人類や社会さらにそれらを取り巻く自然との調和ある発展等を図るため、多様で新しい価値観や文明観の提示が強く求められるようになると考えられる。そのためには、あらゆる知的活動の基盤となる「活字文化」の一層の振興・普及が不可欠である。
また、新聞・出版物は、思想、信条等の伝達手段として、長い歴史を持ち、政治、経済、社会、教育、学術、芸術など、あらゆる分野における人類の知的創造活動の基盤となるものであり、憲法で保障された思想・信条の自由、国民の知る権利の最も中核をなすという高い公共性を有するものである。我が国の文化振興のためには、人々の思想・信条等を直接的に表現する新聞・出版物が多種多様に発行され、それを国民の誰もが容易に入手できる体制を維持することが必要である。
さらに、今日、地方の時代を迎えているが、我が国全体の文化振興は、それぞれの地域で、その地域に根ぎした個性ある多様な文化が花を開くことによって、初めて実現きれるものである。こうした地域文化振興の観点からも、全国どこでも同一の価格で確実に出版物を入手できるようにし、文化的機会の平等を確保することが重要である。
2 新聞、書籍・雑誌の特色
国民に広く情報を伝達する媒体としての活字メディアの特色は、読者が自らの興味・関心に応じて多種多様な情報や知識を安価で容易に入手できること、繰り返し読むことによってより深く内容を理解することができ知識が定着されること、保存が容易であり内容を将来に確実に伝達することができることなどである。
新聞については、いうまでもなく、国民一人ひとりに正確な情報を迅速かつ確実に提供することがその基本的役割である。我が国では、新聞の総発行部数 5,400万部の93%は戸別配達で、1世帯あたりの普及率は 1.15部と世界の最高水準に達している。この戸別配達は、安定した経営基盤を確保した販売店に対し、新聞社が責任配達区域を設定・指導することにより実現されている。このような世界に類を見ない戸別配達により、「毎日欠かさず」、「定時に」、「迅速に」、「正確に」、「全国どこでも同一紙は同一価格で」新聞が届けられているのである。
また、書籍・雑誌については、読者の多様な読書嗜好を十分に満足させることが何よりも重視され、我が国では、書籍約60万点、雑誌3,400種と極めて多くの種類が市場に流通している。A社の本が高いからといってB社の類似の本で我慢しようといった行動は通常見られず、必然的に書籍・雑誌という商品の代替性は極めて低いものとなっている。これは、食料品や衣料品などに対する消費者の態度とは根本的に異なる。さらに、本は、書店で現物を手に取り、内容を吟味した上で、数多くの中から自分の気に入った本を選択できることが重要であり、それは自分の住む地域の身近な書店で初めて可能となるものである。こうしたことから、読者と出版物との出会いの場が十分に確保され、一人ひとりの読者が真に求める本を円滑に入手することができるよう、全国に22,000ともいわれる小売書店等と出版社のネットワークが構築され、世界屈指の読書環境が実現している。
3 著作物再販制度の意義
我が国の優れた活字文化を支える仕組みとして、新聞については、日々確実な配達を約束する戸別配達制度の存続、書籍・雑誌については、全国的な書店網を通じての多種多様な本と読者との出会いの確保が重要である.これを根幹から支えているのが再販制度(再販売価格維持制度)にほかならない。
再販制度は、製造者による商品の小売価格の維持、すなわち定価販売を可能とする制度である。我が国における高度な新聞の戸別配達を実現するには、整備された効率の高い安定した販売・流通システムが必要であり、そのためには、販売店が過当な価格競争で消耗し、経済的合理性から非効率的な地域について戸別配達を切り捨てることがないよう、再販制度により、同じ新聞は同じ価格であることが不可欠である。また、書籍・雑誌についても、再販制度によって小売価格を固定することにより、品揃えが売れ筋の本に偏重することなく、また、多くの販売拠点を確保することが可能となっている。
このように、著作物の再販制度は、国民生活に不可欠な多種多様な著作物を、国民のだれもが、全国どこにいても同一の価格で、容易に確実に入手することを可能にしているものであり、我が国の文化政策上の意義は極めて大きく、その維持は不可欠である。著作物の再販制度は、表現の自由、国民の知る権利を保障する基盤そのものであり、我が国民主主義の維持・発展の根幹にかかわる高い公共性を有し、その社会的使命は極めて大きい。
4 著作物再販制度廃止の影響
仮に再販制度が廃止されれば、新聞については、同じ新聞を扱う販売店同士の同一紙の価格競争により、これまでの効率的で安定した販売・流通システムは危機に直面し、戸別配達の打ち切りや配達料の上乗せが行われることが懸念される。戸別配達の打ち切りは、新聞読者の減少を招くほか、在宅の主婦や高齢者に対して新聞へのアクセス機会が喪失することや、身近に新聞がない子供たちの活字ばなれが進むことも考えられ、ひいては、我が国全体の知的・文化的水準の低下につながる。また、発行部数の減少・不安定により、まず、戸別配達を支えている販売店の経営は困難に陥り、販売収入に依存する新聞社は経営難に陥り、経費を取材・報道体制の強化に充てることができず、紙面品質の低下をもたらす。さらには、廃刊に追い込まれる新聞社が現れ、新聞社の数が減少し、言論の多様性という民主主義の基礎的条件が失われることとなる。
書籍・雑誌については、書店間の価格競争により、品揃えが売れ筋のものに偏向し、需要が必ずしも多くない専門書、学術書、児童図書等の発行が困難となったり、高額化する。また、大規模店との競争に敗れ、最寄りの中小書店は減少し、地域住民が本を容易に入手することが困難となる.身近な場所に書店がないことは、児童生徒や高齢者などが、読書の機会を均等に得られないこととなる。このことは、書籍・雑誌の発行部数の減少を招き、出版社の経営圧迫となって、良質な図書の減少につながっていく。
また、地方においては、新聞における配達料の上乗せや、書籍・雑誌における流通コストの上乗せが行われ、価格差が生じることが懸念される。我が国全体の文化振興は、各地域における文化振興が基盤であり、各地域における文化振興が等しく図られることにより実現されるものである。一地域における文化的不平等は、我が国全体の文化振興に大きな損失となる。
このように、再販が廃止されると、著作物の多様性が喪失するとともに、文化の地域格差が拡大するなど、文化の発展に多大な悪影響を及ぼすことが懸念される。
公正取引委員会は、平成10年3月、著作物再販制度は「文化の振興・普及と関係する面もあるとの指摘もあり、これを廃止した場合の影響について配慮と検討を行う必要がある」との見解を示しているが、廃止された場合のこうした懸念は何ら解消されていない。
5 流通・取引慣行上の弊害是正について
新聞、書籍・雑誌に関して、流通・取引慣行上の弊害がいくつか指摘されているところであるが、現在、関係業界においては、その是正に向けて様々な取組みが行われているところである。
例えば、新聞については、学校教育教材用について通常より安い価格の設定、景品規制の緩和、長期購読者等に対する自社発行書籍の割引販売などが行われている。これ以外にも、読者のニーズやライフスタイルにきめ細かに対応し、各発行本社の経営的な判断に基づき、独自の定価を設定し、販売店に指示しているのが実態である。また、書籍・雑誌については、発行後一定期間が経過した書籍・雑誌の非再販化(時限再販)の拡大、非再販書籍の発行・販売の拡大、インターネットを利用した通信販売やオンデマンド出版の拡大などが行われている。
今後とも、流通・取引慣行上の弊害については、消費者利益確保の観点から、関係者の間で真剣に検討を行い、可能なものからできるだけ速やかに改善を図っていく必要がある。
6 諸外国における著作物再販制度の状況
著作物再販制度については、諸外国においても、文化政策等の観点からいくつかの国で認められているところであり、日本に特有の制度ではない。
例えば、ドイツにおいては、出版物(新聞、書籍・雑誌)については、文化的資産であり、通常の品物とは異なるとの観点から、「競争制限法」において再販が認められている。また、フランスにおいては、書籍に関し、1979年に再販が一度廃止されたが、その結果、新刊点数が大幅に減少し、また、地方の書店が多数倒産した。このため、1981年に国と消費者の文化的利益を守るために、「書籍定価法」が制定され、現在も再販が認められている。我が国においても、こうした諸外国の状況を十分踏まえる必要がある。
7 おわりに
以上述べたように、新聞、書籍・雑誌における著作物再販制度は、著作物の多様性の確保や文化の公平な享受を実現するなど、文化の振興・普及に極めて大きな役割を果たしている。これを廃止した場合に生じる影響の大きさ、その影響を解消できる代替的な方策確保の困難さなどに鑑みると、著作物再販制度は今後とも維持すべきである。このことについて、国民、関係者の皆様方のご理解を得ることができれば幸いである。
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