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□わが国サラ金金利にまで自由競争を求める米国 [ストレイ・ドッグ]
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2006/04/post_a47a_1.html
2006.04.01
わが国サラ金金利にまで自由競争を求める米国
●来年1月に、サラ金金利見直し時期迫る
サラ金(=消費者金融)や商工ローンの上限金利を定める出資法は、2007年1月に見直しされる。
そのため、現在、出資法改正論議は大詰めを迎えている。
周知のように、わが国のサラ金金利には“グレーゾーン”なるものが存在する。
出資法の上限金利は29・2%(年)。これに対し、利息制限法の上限金利は15〜20%(同)。
2つの法律が存在し、しかし、出資法の上限金利を超えない限り罰則がないため、利息制限法を超えた15〜29・2%のグレーゾーンの金利支払いは、実質、黙認されて来た。
だが、近年、このグレーゾーン分の金利支払いにつき、過払いだとして返金を命じる判決が相次ぎ、最高裁でも同様の判決が下っている。
したがって、仕方なく借りている約2000万人とも言われる顧客の立場からすれば、出資法の上限金利は利息制限法と同じ15〜20%に下げ、グレーゾーンを撤廃すべきということになる。
ところが、業界側は逆に出資法上限金利を改正前の40・002%にまで上げるように、政治家等に働きかけているというのだがら正気の沙汰とは思えない。
そして、この業界側の動きを利するのが米国側の「サラ金金利も自由競争が決める」という要求なのだ。
●いまやわが国サラ金業界も外資がウヨウヨ
93年の日米首脳(クリントン・宮澤)会談以降、米国は毎年「年次改革要望書」なるものをわが国政府に出し、わが国の産業分野別に規制緩和、構造改革を名目に要求を突きつけている。そして、わが国政府はその多くを受け入れている。わが国が“属国”といわれる所以だが、その昨年12月の要望書に、サラ金金利の自由化が謳われていたのだ。
わが国サラ金業界にもすでに多く外資が進出している。レイク(GE系)、ディック(シティバンク系。アイクを統合)、ユニマットレディス(同)、アエル(ローンスター系)といった具合。
韓国は97年、アジア通貨危機により経済が破綻し、IMF(国際通貨基金)の支援を仰いだのはご存じの通り。その結果、米国の要求を受け入れ、サラ金の金利制限が撤廃された。その結果、どうなったのか。
一般の消費財なら、高ければ購入を控えればいい。だが、多くの顧客は借金の支払いのために嫌々サラ金に手を出すのが実態なのだからこれを控えることは難しく、そこで自由競争が働いて適正な低い金利に落ち着くなどというのはまやかしだ。
実際、韓国では年利1000%、2000%といった悪徳業者が現れ、多重債務者が数年で実に10倍にも増えたという。
ところが、わが国政府は業界の意向にも実質、添うとして、米国の意向だからとこんなバカな要求を飲む動きがあるという。まさに最近流行り言葉のさらなる「格差社会」=小泉改革の総仕上げということか。
*参考文献「消費者金融の金利規制と米国の要求」(北健一『世界週報』06年4月4日号)
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