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データで見る小泉政治の5年
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060326/mng_____kakushin000.shtml
日本経済がデフレにあえいでいた時期に誕生した小泉政権は、景気が回復軌道に乗るまでさまざまな事態に直面した。不良債権処理はヤマを越え、企業業績はV字回復を遂げたが、各種データを分析すると、労働・生活面などで随所に「改革のひずみ」が生じている。 (経済部・東條仁史、村上豊)
■逆方向
二〇〇一年四月、情報技術(IT)バブルがはじけ、景気が腰折れした中で発足した小泉政権にとって「経済再生」こそが最大の課題だった。しかし「構造改革」を掲げる小泉政権の前に景気は逆の方向に動くばかりだった。
企業倒産件数は〇一年、〇二年とも一万九千件台と高水準で推移。消費者物価指数もマイナス基調を続け、デフレを脱する兆しはなく、完全失業率も〇一年夏場以降、5%超の水準で推移した。
景気刺激策として公共事業に頼った過去の政権に比べ、小泉政権は逆に抑制。〇五年度の公共投資関係費は八兆二千億円とピークだった一九九八年度に比べ半分の水準に落ち込んだ。
■回復基調
経済活性化のために小泉政権が打ちだしたのが〇二年秋の金融再生プログラムだった。大手銀行の不良債権比率を半減する目標を設定。〇二年三月末に8・4%あった比率は三年間で2・9%にまで低下。この間、業績不振企業の淘汰(とうた)が進み、旧UFJホールディングスも再編を余儀なくされた。
デフレが一段と進む中で企業の合理化努力が実を結び、懸念された倒産の激増、失業の連鎖を断ち切り、景気は回復軌道に乗った。
東京証券取引所に上場している企業は、〇二年三月期に最終赤字に転落したものの、翌期は黒字に転換。その後も増益基調が続く。国民生活金融公庫の調査では、中小企業の経常利益も〇三年三月期に黒字化。大企業と同じように業績が回復している。
■副作用
しかし、企業の雇用コスト負担を示す労働分配率は一貫して低下。リストラによる業績向上に比べ、家計部門が受ける恩恵が少ないことを意味し、景気回復の実感が得られにくい要因の一つになっている。
雇用形態も大きく変化。正規労働者が減る一方、パートなどの非正規労働者が増加。学業にも仕事にも就かないニートやフリーターがちまたにあふれ、若者の間での所得格差につながっている。
生活保護世帯数は増加の一途。それとともに公立小中学校で就学援助を受ける児童生徒数は、〇四年度が約百三十三万人と二〇〇〇年度と比べ四割近く増えた。自殺者数は三万人以上で推移し、中高年を中心に社会問題化している。
民間に自ら道を開くことを求めた小泉政権下で、優勝劣敗が加速。結果的に、かつての日本で感じることが少なかった「格差」が生じていることを数字は示している。
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