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米軍再編 今月末期限の最終合意断念
普天間…海側へ200−300メートル折衷案浮上
在日米軍再編をめぐる日米審議官級協議は二十四日、二日間の交渉を終え、沖縄海兵隊のグアム移転に伴う経費負担を中心に議論したが、溝は埋まらなかった。このため二十九日(日本時間)から三日間、ワシントンで協議を続行する方向で調整しているが、期限に設定していた三月末の最終合意は事実上断念した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設をめぐる防衛庁と沖縄県名護市の協議は二十五日再開され、修正の落とし所として代替施設を海側に二、三百メートル移動させる「折衷案」が浮上してきたものの、協議は難航必至だ。
≪日米協議≫
「“真水”となる直接負担は極力、切り詰めたいが、厳しい」
審議官級協議の日本側交渉筋は、最大八千人に上る海兵隊のグアム移転に伴う経費負担をめぐる日米の溝の深さをこう表現した。
米側は前回協議で、移転経費に関し、総額百億ドル(約一兆千七百五十億円)で日本に75%(約八千八百億円)の負担を求めた。これは来年度の日本の政府開発援助(ODA)予算である約七千六百億円をも上回る。このため、日本側は今回、総額の精査に加え、家族住宅と一部のインフラ整備については、直接負担ではなく、融資方式で二十五億ドル(約二千九百四十億円)以上の負担に応じることを正式提案した。
具体的には、住宅の建設と管理を民間に委託する「パブリック・プライベート・パートナーシップ」(PPP)制度を活用。国際協力銀行などの政府系金融機関が米企業に出資し、海兵隊員の家賃などを元に利子付きで返済してもらうことを想定している。
与党内でも、「米領土に日本の税金で米軍住宅を建設し、(米国の)国有財産にするのはおかしい」(自民党の久間章生総務会長)との批判が出ている。だが、米側はグアム移転は沖縄の負担軽減という日本政府の要請に応じたもので、「提示した百億ドル以外の経費支出も想定している」(米政府筋)と主張、折り合いはつかなかった。
審議官級協議では普天間飛行場のKC130空中給油機の移転も調整。日本側は大半の機能を海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県)に移転するよう求めたが、米側は岩国基地(山口県)への移転を要求、合意に至らなかった。
≪地元調整≫
今回の審議官級協議で米側は、普天間飛行場のキャンプ・シュワブ(名護市)沿岸部への移設案の修正論議など日本政府による地元調整を見守ろうというムードが強かった。政府筋も協議前、「今回は何も決まらない」と語っていた。
そうした中、二十五日に額賀福志郎防衛庁長官が名護市の島袋吉和市長と都内で会談する。
現行の沿岸案に固執する防衛庁内には、航空機などが名護市の住宅上空を飛行するのを避けるため、「滑走路の角度変更にとどめたい」(防衛庁幹部)という意向が強い。しかし、政府・与党内では、沿岸案を海側に移動させる修正案が具体化してきた。
名護市側は海側に四百メートル以上ずらす修正を求めているが、政府・与党側では二百メートルほど移動させる案が浮上。海上の建設部分が増えれば妨害活動を受けやすいとの懸念があるが、「陸続きであれば陸から埋め立てていくことができ、工事は可能だ」(自民党国防関係議員)との見方がある。
米側にとっても海側への移動は好ましい。沿岸案の陸上部分はシュワブの兵舎地区で、米側は兵舎移転に難色を示していたという。沿岸案で住宅地上空を飛行するよりも、海上に出れば事故の危険性も回避できる。
最大の難関は、四百メートル以上の移動を求める名護市との調整だ。政府・与党側の二百メートルとの間をとり、「三百メートルが妥協点になるのではないか」(政府筋)との指摘もある。ただ、島袋市長は地元から強い批判を受けているとの見方もあり、政府内には「市長は態度を硬化させかねない」(同)との懸念も出ている。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/25pol001.htm
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