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1票の格差解消「高得票落選者は訴訟を」 元判事が提言
2006年03月18日17時31分
国政選挙での「1票の格差」をめぐり、最高裁判事を昨年退官した福田博氏(70)が「不平等の是正のために新しい訴訟を」と提言している。全国の選挙区の中で最も少ない得票で当選した人よりも多くの票を獲得したのに、不平等な選挙区割りのために落選してしまった人に、「国会議員として扱うよう求める地位確認訴訟」を起こすよう勧める異例の内容だ。「中央公論」誌4月号で発表した。
福田氏は今の国会について「議員の選挙の仕組みが1人1票(投票権の平等の原則)から離れて維持される限り、国民を代表する機関ではない。定数の規定により、本来当選者として扱われるべき候補を議員として認めない組織になっているからだ」と指摘。従来の有権者が起こす選挙無効訴訟では「一定の格差までは国会の裁量の範囲内」という考えが定着してしまっているが、新たに「地位確認訴訟」が起きれば先例のない分野だけに、裁判官の独立した良心に基づく判断が期待できると述べた。
今月国会に提出された参院の「4増4減」案については「参議院を国民を正しく代表する立法機関とするという目標とはおよそ無縁のものだ」と厳しく批判している。
福田氏は外交官出身。約10年間の在任中、選挙訴訟では国会の自由な判断を重視する多数意見に対し、「我が国の国会と司法は、民主制統治の基本をゆがめてでも、現職議員の既得の地位の保全に資する選挙制度を維持し続けることに著しく寛容だ」(04年1月の大法廷判決)など強烈な反対意見を出し続けてきた。
http://www.asahi.com/national/update/0318/TKY200603180244.html
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