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2006.3.16(その2)
2006年森田実政治日誌[140]
日本の医療を破壊する小泉医療改悪を阻止するために起ち上がろう!
日本の医療は小泉政権の従米路線により破壊されるおそれが高まっている
全国民が鹿児島県保険医協会の訴えに耳を傾けよう
「医とならば、君子医となるべし。…君子医は、人のためにす。人を救ふに、志専一也」(貝原益軒『養生訓』)
3月5日、鹿児島県保険医協会から招待された。当日、同協会創立20周年記念(第21回定期)総会が、城山観光ホテルで開催された。このあとの「記念講演会」の講師として招かれたのである。
羽田空港でANA機に乗ったところで、1人の上品な紳士から声をかけられた。名刺を交換すると、鹿児島県保険医協会副会長の三浦清春先生(医師)だった。三浦先生は鹿児島市柴原にある「柴原クリニック」の院長先生であり、鹿児島医療生協理事長である。
実を言えば、三浦先生の名はすでに知っていた。三浦先生の『市場原理のアメリカ医療レポート・日本の「医療構造改革」を問う』(かもがわ出版〈京都市上京区〉、800円)を読んでいたからである。
なお、本書に推薦文を書いている全国保険医団体連合会政策部長の津田光夫氏は次のように述べている。 《政府や財界の中で旗を振る新自由主義者たちは、国民皆保険を空洞化させ、都道府県単位の地域保険に転換することで国の責任を放棄し、国のあり方そのものを、国民が政治や行政に頼らない「自助努力社会」に変えることに心血を注いでいる。その見本とするアメリカの、これが医療と国民生活の実態だとする本書…》 三浦先生はアメリカ医療の歪みを明らかにし、日本の前途に警告を発してきた憂国の医師である。
城山観光ホテルに到着したとき、私を迎えてくれたのは鹿児島県保険医協会会長の小田代憲一先生(医療法人恵供会・小田代病院理事長、小田代記念クリニック院長)だった。私と同じ昭和7年生まれの偉大な医師で、大人の風格ある紳士である。昼食をご馳走になったが、その間、有益な健康法を伝授された。小田代先生の教えは、その日から実践している。
鹿児島県保険医協会の第21回大会は、小泉医療改革に反対する行動に起ち上がる運動方針を決定した。
運動方針には次のように書かれている。少し長い引用になるがお許しいただきたい。
《(1) 小泉構造改革がもたらしたもの――小泉構造改革は、雇用や社会保障の改悪で国民生活を破壊しながら、さらに国民に「自立自助、自己責任」を強要する一方で、多国籍大企業は過去最高の収益をあげ、国内企業の余剰金(金融資産残高)は04年末で82兆円(第一生命経済研究所試算)にも達している。
(2) ほころび始める構造改革とアメリカの対日要求――アメリカの財界の要求を追い風に、国民生活よりアメリカや企業利益を優先する民営化や規制緩和が推し進められたことにより、国民生活の安心と安全は大きく脅かされるものとなったが、このような状況はまさに異常であり、いまの日本の政治の根本的な転換が必要とされており、国民からは小泉構造改革を疑問視する声が大きくなっている。
(3)財界が後押しする小泉首相の「小さな政府」論――小泉構造改革の徹底した民営化は小さな政府となる。しかし、民営化による「小さな政府」はニュージーランドやドイツをはじめとする各国で失敗し、見直しつつあるのが世界の流れである。
(4) 公的医療保険制度を縮小し、国民皆保険制度を根底から崩す政府の「医療制度改革大綱」――日本は、もともとGDP比の社会保障支出は先進諸国で低位にあり、OECD平均以下の水準となっている。医療費もOECDで17位と少ない中で、さらに抑制することは、深刻な医療の荒廃と国民の健康悪化を招き、経済や社会の発展をも阻害することにならざるを得ない。世界に誇れる日本の国民皆保険制度を守り、発展させることが、いままさに求められているといえ、今通常国会に提出される医療改革関連法案を注視しつつ、それに対応した運動が重要な年であるといえる。
(5)受診減を原因とする医療機関の倒産件数が過去最高に――医療機関の経営では、医療保険の患者負担増による受診減が続いている。受診減を原因とする医療機関の倒産件数が過去最高(統計上「販売不振」)となり、歯科の倒産件数が高い比率を占めている。
(6) 全国の保険医がいまこそ行動を起こすとき――公的保険による受診の機会を多くの国民から奪うことは、戦後築いてきた社会保障としての皆保険制度の実質的な解体となるものであり、「健康格差社会」(近藤日本福祉大学教授)を生み出し、日本の社会や経済の健全な発展にも障害となるものである。私たちは、国民の健康を守る専門家として、政府の誤った医療政策を批判し、WHOでも高く評価されている皆保険医療制度を守るため、全国の保険医がいまこそ社会的な発言と行動を起こすときである。
(7)政府・財界による医療の市場化・営利化を許さず、医師会・歯科医師会など他団体とも協力しながら、国民の立場に立って、社会保障としての「国民皆保険制度」の拡充に努める。
(8)開業医・勤務医が患者によりよい医療を提供できるように、診療報酬や審査・指導などの改善運動や講習会活動を積極的に行い、会員の経営と権利を守る活動を一層強める。
(9)「健康に暮らせる町づくり」の担い手として、地域住民に信頼される医師・歯科医師団体をめざします。また命と健康の土台をなす平和・環境問題などにも関心を示していく。
(10)患者負担増・診療報酬引き下げ・特定医療費(混合診療)拡大などの政府・与党の医療「改革」に反対し、他の医療団体とも協力しながら、国民の立場に立った社会保障としての「国民皆保険制度」を守り、発展させます。》
大会後、私は多くの大会参加者(医師)に会った。皆さん、立派な医師ばかりだった。本当に患者のことを心配し、日本の医療の将来を憂える良心的医師ばかりである。
「小泉内閣の医療改革は間違っている。日本の医療を破壊する小泉内閣の医療改革は阻止しなければならない」という鹿児島県保険医協会の主張は正しい。
全国で大きな運動を起こす必要のある重要な問題である。
なお、私の講演については南日本新聞(3月6日)が次のように伝えた。
《森田実氏講演に500人集まる 鹿児島市
鹿児島県保険医協会の創立二十周年記念講演会が五日、鹿児島市の城山観光ホテルであり、政治評論家の森田実氏が「日本の政治を斬る」と題して講演した。森田氏は五百人を超える聴衆を前に「小泉構造改革によって生まれた国内外のひずみを正すことが次の政権の課題だ」と指摘した。
森田氏は二〇〇一年にスタートした小泉改革について「アメリカの要求」通りの政策を続けた結果、この五年間で東京と地方の格差はどんどん広がっている」と厳しく批判。「早急に経済政策を転換し、日本を取り戻さないといけない。大マスコミはいまも親小泉の論調だが、国民は自らの生活実感に基づく価値観で政治に目を向けてほしい」と訴えた。》
コイズミ医療改革は、日本の医療を破壊するきわめて危険な政策である。阻止しなければならない。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02519.HTML
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