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□ゼロ金利解除が「小泉改革」のウミを噴出させる危険 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1781747/detail
ゼロ金利解除が「小泉改革」のウミを噴出させる危険
先週9日、日銀が「量的金融緩和」政策の解除を決定した。「量的金融緩和」と「ゼロ金利」政策は、日本経済にいかなる役割を果たしてきたのか。それは、不良債権処理の失敗を国民にツケ回しする政策であった。
実際、三菱総研の試算によると、国民が失った利子所得は、92年から05年までの累計で283兆円にのぼるという。対照的に、企業は累計で260兆円の利子負担を減らし、金融機関は利子所得を95兆円も増やしている。国民が得られるはずの預金金利を、銀行と企業に「所得移転」させることで、不良債権を処理してきたのだ。
その結果、たしかに金融システムの崩壊という事態は回避されたかもしれない。しかし、「量的金融緩和」政策の継続は、市場にジャブジャブのカネを流して、バブルを引き起こすことで成長率を高めようという、竹中平蔵大臣、中川秀直政調会長の“路線”そのものである。
その一方で、経済財政諮問会議は「増税なき財政再建」を達成するために、社会保障費、地方財政を中心に20兆円の歳出削減が必要だと言い出している。つまり「量的金融緩和」政策の継続は、バブルで格差を広げ、さらに格差拡大で落ちてきた人や地方を、歳出削減で切り捨てる路線を意味する。
今回の「量的緩和」の解除は、このバブル路線を否定する点で評価できる。しかし本番は、早ければ数カ月先に行われる「ゼロ金利」の解除である。ゼロ金利を解除すると、「小泉構造改革」と称したツケの先送りのウミが一気に出てくる恐れがあるからだ。多くの国民は気づいていないが、小泉首相はわずか4年間で250兆円も国の借金を膨らませた「世界一の借金王」である。これまでは異常な低金利によって国債費の膨張を防げた。だが、もし金利が上がれば、借金が借金を呼ぶ雪だるま状態になる危険がある。
相変わらず、世の中、目先の政策選択ばかりに目を奪われすぎている。「量的金融緩和解除が是か非か」とか「歳出をカットするか増税をするか」という短絡的な論点ばかり。このままでは、やがて年金や雇用の不安定、地域衰退など――「構造改革」なるものの本当のツケが一気に噴出してくる。いよいよ、格差の拡大は止まらないだろう。BSE、ホリエモン、耐震偽装などは、これから起こる大問題のシグナルにすぎないのだ。【金子勝・慶大教授】
【2006年3月14日掲載】
2006年03月17日10時00分
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