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【ロシア政治経済ジャーナル】NO373アメリカの挙動不審1(矛盾)
2006年2月8月号
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★アメリカの挙動不審1(矛盾)
「アメリカに攻撃される可能性が高いのは、まずイラク、そしてイランである。」
(ロシア政治経済ジャーナル105号=2002年2月1日号世界大戦前夜-2)
「皆さんの知らないところで、すでにだいぶ前から、戦争の準備が行われて
いることがご理解いただけたでしょうか?
アメリカは、テロ支援、核開発を理由にイランを攻める。」
(ボロボロになった覇権国家 http://tinyurl.com/dypky 236p)
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
再びマイナス30度の寒波に襲われているモスクワからです。
イラン問題についてサンザン書いてきて「もういいかな〜」と思ったのですが、
どんどん展開してきたので、また書くことにしました。
しかし、今度はアメリカの事情を中心に。
▼矛盾
1月30日号で予告したとおり、イラン問題が国連安保理に付託されることが決
まりました。(2月4日)
ブッシュさんは2月1日、「イスラエルは米国の揺るぎない同盟国であり、米国
は必要ならイスラエルの防衛にあたる」と語ります。
RPEが02年2月から一貫して書き続けてきたように、ボロボロになった覇権
国家でも予測したとおり、いよいよイラン攻撃が現実的になってきました。
どうしてアメリカは戦争したいんでしょうね。
「そりゃあイランが核開発をしているからでしょう?」
いわしてもらっていいですか?
イランに核兵器がないのは、世界の常識。
英国シンクタンク国際戦略研究所の05年9月6日の報告書「イランの戦略兵器
開発」には、「現時点ではイランは核兵器製造に利用できる原料を大量に蓄え
ているとは思えず、10年以上の時間をかけて開発能力を蓄積していく可能性
が高い」と書かれている。
10年ですよ!
しかもイランは今まで一度も「核兵器を開発する!」とは宣言していないのです。
一貫して「原子力発電などの平和利用のため」といっています。
もちろん、ウソかもしれません。
そして開発する意図があるかもしれません。
それにしても10年後に「ひょっとしたら脅威になるかもしれない」国を「国際社
会(アメリカは自国の意見を国際社会はという)の忍耐にも限度がある」と攻撃
をほのめかすのはいかがなものでしょうか。
もう二つダブルスタンダードについてかいておきましょう。
1、北朝鮮はどうなの?
核兵器は明らかになく、核兵器開発も宣言していないイランに比べ、北朝鮮は
自分で「核兵器を保有している」と宣言しています。
アメリカ民主党のリード上院院内総務ら有力上院議員4人は2月3日、北朝鮮が
「12個の核兵器を保有している可能性がある」として、ブッシュに北朝鮮の核能
力に関する情報を公開するよう求める書簡を送っています。
イランは0、北朝鮮は12個。
安保理はまずどっちの問題解決に取り組むべきなんでしょうね〜。
2、イスラエルはどうなの?
イランが核兵器を開発する理由があるとすれば、イスラエルが核兵器を保有し
ているからです。
これも国際社会の常識。
イスラエルは核拡散防止条約(NPT)の調印を拒否しています。
また、1999年に国際原子力機関(IAEA)の核査察は受け入れられないと発表
しています。
「イスラエルは核査察を拒否し核兵器を保有しても黙認だけど、イランは全然
ダメ!」といわれたら、そりゃあ怒りますよね。
このようにアメリカのイラン批判というのは、常識的に考えるととっても変なはな
しなのです。
皆さんも「イランってひどい国だな!」なんて憤っていませんか?
(まあ、新大統領のキャラにも問題ありだと思いますが。。。)
冷静になってもう一度考えてみましょう。
▼ボロボロになった覇権国家
もっと、おかしなことがあります。
アメリカってのは、ホントボロボロなんですよ。
私が本を出した05年1月と比べてもマスマスボロボロなのです。
例を挙げましょう。
アメリカの財政赤字は06年度、4230億ドル(約50兆2000億円!!!)で過去
最大。
債務残高は既に8兆ドル(約950兆円)。
そればかりじゃあありません。
経常赤字は05年、7900億ドル(93兆6940億円)。
アメリカは本当にボロボロです。
以前、NO350サバイバー7(日本かアメリカか?)(05年10月27日号)で、「日本
もアメリカも国家破産の可能性があるから、ユーロをもっておいた方がいい」と
書いたことを覚えておられる方もいるかと思います。
最近になってようやく気がつく人も出てきました。
例、格付け会社S&P。
1月30日付けの同社の予測によると、「ドルがリスク要因」なのだとか。
同社によると、ドルは今年後半、対ユーロで30〜45%下落する可能性がある。
理由はわかりますね?
上記の膨大な財政赤字と経常赤字。
アメリカというのは、企業であるか他の国であれば、とっくに破産しているのです。
しかし、公定歩合をたくみに調整したり、日本と中国からの金、そしてドルが基軸
通貨であることでなんとかかんとかやっている。
こういう状況を昔の人は、「うちの台所は火の車」といいました。
でね、アメリカは普通に考えたら、とても戦争なんかしている余裕はないのです。
「中東を民主化する!」とか「世界を民主化する!」とかそんな他人のことをかま
っている余裕なんてあるはずがありません。
みなさんも常識的に考えてみてください。
借金で首が回らないときに、遠くの国がどうのこうのなんていってられますか?
そりゃあ、自国の脅威だっていうのなら話は別。
しかし、遠いイランが、10年後に核兵器を持つかどうかで、本来なら一喜一憂す
る理由なんてないのです。
ということはね、アメリカがイランをいじめるのには別の動機があるってことでし
ょう?
世間の常識とは違うことをはなしていますから、時間があるときにじっくり考え
てみてください。
(イラクには大量破壊兵器もなく、アルカイダとのつながりもなかったこともふく
め。。。)
(つづく)
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