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□永田町、ブログに触手 人気作者取り込み情報発信 総裁選、活用も [産経新聞]
http://www.sankei.co.jp/news/morning/13iti001.htm
永田町、ブログに触手 人気作者取り込み情報発信 総裁選、活用も
永田町が「ブログ(日記風簡易ホームページ)」に急接近中だ。「双方向」が売りのブログは開設者も閲覧者も激増しているため、メッセージをうまくネットに乗せられれば目覚ましい政治活動を展開できる。半面、ニセ情報が独り歩きしたり、批判が殺到しブログ閉鎖に追い込まれたりする落とし穴も。政党による人気ブロガーの取り込みが活発になるなどブログの政治的影響力も拡大しそうだ。(加納宏幸)
≪懇談会≫
東京・永田町の自民党本部に今月七日夜、約三十人の人気ブロガー(ブログの作者)、メールマガジンの筆者が集まった。毎月の閲覧数が一万−三十万件で「偏った考え方のない」(同党)筆者たちだ。
若い人が目立ったが、元空将で安保問題を中心にブログで活躍する軍事評論家、佐藤守氏(66)の姿もあった。総選挙前の昨年八月に初めて開かれてから三回目となる懇談会の今回のテーマは自民党新憲法草案。
「今日は本音でお話しします。何がメーンターゲットかというと憲法九条を変えることですよ」
草案を取りまとめた舛添要一参院議員はこう切り出し、要点をテンポよく説明した。その後、ブログへの書き込みは好意的だった。舛添氏を「カッコイイ」と持ち上げるブロガーもいた。
懇談会は最初から順調だったわけではない。一、二回目は自由討論のため議論が拡散し、ブログでの評判は芳しくなかった。手探りで得た結論が、テーマ設定の重要性。懇談会を企画した世耕弘成参院議員は、民主党を念頭に「ブロガーとの付き合いでは自民党が主導権を握っている。誠実に継続してやっているからだ」と語る。
≪炎上≫
ブログを開設する国会議員も次第に増えているが、民主党の長島昭久衆院議員は閲覧者からの反応に慌てた。二月二十二日、「堀江メール」問題で「この勝負、絶対勝てる」とブログで前原誠司代表を応援したのがきっかけだった。同日、閲覧者から寄せられたコメントは前日の四十六件を大きく上回る七百七十三件。ほぼすべてが批判で、反省とおわびを書き込んで収拾を図った。
「ブログの双方向性に対し深い認識を持っていなかった」と長島氏。
閲覧者はブロガーの書き込みが気に入らないと、別のブログや掲示板で他のネット利用者に伝える。その結果、ブログのコメントが雪だるま式に増えるのが「炎上」「祭り」という現象だ。
炎上した場合、ブログ閉鎖に追い込まれることも少なくない。長島氏は手探りで切り抜けた。「現代社会で政治活動を行う以上、不特定多数に情報を発信し、生の世論と向き合わなければいけない」と考えたからだ。
≪集票力≫
世耕氏は七日の懇談会後、自身のブログに「次々回は総裁候補のそろい踏みだと面白いかも」と書き込んだ。総務省が昨年五月にまとめたブログに関する動向調査は「ブログへの書き込みは社会的イベントと連動する傾向」があると指摘しており、総裁選や選挙ではブログの波及効果をどう利用するかが候補者の集票力に直結する。
自民党は今国会にHPによる選挙運動を解禁する公職選挙法改正案を提出する方向で党内調整を進めており、政治活動でのブログの出番は急増しそうだ。
◇
【用語解説】ブログ
「ウェブログ」の略で、日記のように個人の意見や出来事を書き込んでいくウェブサイト。閲覧者が意見を書き込む「コメント」や、他のブログへのリンクを張る「トラックバック」機能が特徴。一方的に情報を発信するホームページと比べ、作者と閲覧者の双方向性が高い。総務省によると、わが国のブログ開設者数は473万人(昨年9月末現在)。同省は昨年3月末現在約1650万人だった閲覧者数が、来年3月末に約3500万人まで増え、2年間で倍以上になると予測する。
韓国では2000年の総選挙でネット上で候補者の疑惑を暴き立てる「落選運動」が盛り上がり、2002年大統領選でもニュースサイトや掲示板での好意的評価が盧武鉉大統領誕生につながった。
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