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日本の縮図示す基地岩国
岩国市民の声
独立課題争点の米軍再編 2006年3月7日付
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/nihonnnosyukuzusimesukitiiwakni.htm
岩国では厚木基地移転の賛否をめぐる住民投票が告示された。二井県政などは、政府が決めた国政問題であり、アメリカが撤回するわけがないので、交付金を取るなど条件に切り替えろという圧力をかけている。アメリカの戦争のために、岩国をはじめ全県、全国が戦場にされようかという問題で、住民の意志をあらわしてはならないというのである。地方自治体の長が、地方自治も主権在民も投げ捨てろというのである。本紙はこの間、記者および原爆展全国キャラバン隊を派遣し、岩国市民の世論調査をくり返してきた。そこで語られている内容を整理してみた。
住民の声圧殺に強い批判
住民投票について、「市民の大多数は投票をやろうとやるまいとみんな反対だ。しかし投票で反対が多かったら国が方針を変えるような簡単なことだとは思っていない」「だがやる以上は負けるわけにはいかない」などと語られる。
いまの動きのなかで、「国政だから市は権限がない」という市議などについて、「市民の代表でありながら政府の意向ばかり主張する」と批判する。「ある市議が説明会で総理候補の安倍代議士がアメリカの要求はひっくり返ることはないから、早くよい条件をもらった方が得だといっていた」と語っていた。「安倍代議士の顔を立てようとするからおかしなことになっている」という意見である。「方方で嫌がられている米軍を山口県で引き受けることで手柄にし、日本人から見こまれないかわりにアメリカから見こまれて総理候補にしてもらっているのではないか」「司令部移転の座間や原子力空母の横須賀は小泉の神奈川県でよくできた話だ」とも語られている。
「警察が住民投票に行くかどうか、基地再編をどう思っているか聞きに来た」「日本人の迷惑などはじめからないのに、苦情程度の運動をしてもしかたがない」という意見もあった。
基地の「沖合移設」計画について、「はじめから見るとおかしなことになった。米軍専用の橋がりっぱになり、空母が来れる港ができるというので、おかしいと思っていた。愛宕山の住宅建設なども、県や市は基地増強の前提で計画をすすめてきた」「米軍は20年、30年先を見とおして計画をすすめてきた。市庁舎建設も沖合拡張とセットの裏取引だ」などと語られていた。
テロ事件後に激変 威圧する軍用へり
2001年9月の、ニューヨークテロ事件のあとの急激な変化について共通して語られた。「軍用車両の上に機銃を構え、米兵が市民に銃口をむけて巡回していた」「基地の出入りの業者や基地従業員もみな検査された。弁当の中身まで調べられた。市街地の道路まで米兵が銃を構えて歩哨に立った。基地周辺で犬の散歩をしていてもカービン銃の米兵ににらまれた」「一輪車にクワやスコップを積んで畑に種まきに行っていたら、軍用ヘリが真上で止まってサーチライトで追ってきた。畑仕事の婆さんがそれほど恐ろしいかね。バカじゃないか」「米軍基地警備をする自衛隊員も身体検査までされた」。
「警察も急に駐車違反をきびしくした。日本人の車を撤去したが、米兵の車だけ残っていた。いまも基地周辺は警察がパトロールしている」「基地の沖に車を止めていたら警察が来てコンコンとドアをたたく。孫とボール遊びをして、基地のフェンスの方に落ちて拾いに降りただけでパトカーが飛んできた」。
「日本人がみなテロリストに見えるのだ。日本人に悪いことをしているからスパイに見えるし、日本人に銃口をむける」「米軍は日本を守っているのではなく、警察が米軍を守っている」「アメリカが戦争をやれば日本がやられるのはあたりまえだ」と語っていた。
超豪華な基地内の施設 日本の税金使い
そして語られるのが、基地のぜいたくさと増強ぶりであり、それが日本の税金でやられていることである。
「基地内は建物も土地の広さも大違いだ。保養施設から学校、保育園、大小のプール、スーパーからゴルフ場、ボーリング場からコンサート場まである。基地の中はアメリカ本国だ。とくにテロから2、3年で変わった」「基地の中は建てかえをどんどんやっている。基地内の木造建物はみな頑丈な鉄筋に変えて、施設もりっぱになった。小学校も市役所とくらべて基礎も柱の数もケタ違いに頑丈だ。岩国が攻撃されて、日本人が住む市街地はつぶれても、米兵がいる基地内の建物は大丈夫というつくりだ」。
そしてぜいたくな生活ぶりである。「学校で、教師が本国に帰った夏休みの2カ月中クーラーがつけっぱなしだったりする。服や靴、学用品や食料品など新品でもどんどん捨てている。家賃も電気も水道も日本政府が金を出してタダだから節約感覚がない。“それはわたしたちの税金だ”と叫びたくなった。狭い市民の住宅を見て腹が立った」。
「日本ではものを大事にしないといわれるが、基地はひどいむだ遣いだ」「グアムの移転費まで日本が負担する。若い者には職はない。市民は貧乏しているのに基地の中は天国だ。国民があって日本があるのに、日本人をしめ殺してまでアメリカに金を貢いでいる」
「基地が居座るのは、日本人の税金で基地の経費をみな出させて、日本人を戦争の手足に使うためだ」とも語られた。
占領意識は丸出し 米兵の事件が横行
そして米兵の占領者意識丸出しの横暴さである。基地に出入りする業者は「関係ない荷物運びまでアゴで使われ、頭にきている」「イエローモンキーといってバカにされながら政府は金を払っている」。基地周辺の住民のなかでは「店の提灯やのれんを持っていかれたとか、自動車を壊されたとか、みな経験している」。
「そういうとき警察は基地のことはいっさいとりあわないのはここの常識だ」「警察は米兵のとりしまりはしたことがない」「アメリカ人は日本人を根底からバカにしている。そんな米兵が二倍にも三倍にもふえたら、悪くはなってもよくなることはない。市民はコソコソ暮らすことになる」「米兵にはふざけたのが多いから、ここらでは夜は絶対に外には出ない」。
歴史的な経験としても、娼婦をしていた婦人が無惨に殺された「花子ちゃん事件」とか、老人を橋の上から投げこんだ事件とか、数かぎりない凶悪事件が起きてきた。「女性を電柱に縛りつけて暴行したりした。表ざたにならない事件はたくさんあった」と語られた。
「ベトナム戦争のころが一番ひどかった。家に上がりこんで悪さをしていた。読み書きも数の計算もできないような米兵が来て、好き勝手をしていた」「警察は米兵犯罪に手出しできない。自動車事故でも日本人は泣き寝入りばかり。警察も行政も米軍様様だからやりたい放題だ。治安も風紀も乱れるし、子どもに影響する」。
基地の外もアメリカ化 市民の中で強い危惧
「戦後岩国に集まっていたパンパン(娼婦)は、ふるさとには帰れず、働くに働けず、この地域で70、80になって生活保護で暮らしている。あの人たちは、戦争で親が死んだり、家族を養えない貧乏な家の娘たちだった。これも戦争犠牲者だ。そういう歴史を知っているから、いまごろ米兵相手にキャーキャー騒いでいる娘たちを見ると腹が立つ」「いま米兵は広島のディスコに遊びに行く。岩国のものは顔が知れるし、相手にしない。岩国には広島の女が来て米兵と騒いでいる。ハーフが川下中学にもふえた。基地内のアメリカンスクールに行かせるものもいる」。
そして教育がアメリカ式になってきたことへの危惧が語られた。「人間関係もおかしくなって、基地の中も外も変わらなくなった」「日本人の頭がおかしくなった。自分のことしか考えない。日本人の考えでなくなった」「散歩していたら子どもが帽子をひったくっていった。小さいころから英語教育をやるといっているが、日本の民族はなくなっていく気がして恐ろしい」とも語られた。
基地で寂れた川下の街 経済が衰退した現実
そして経済が衰退していく問題がどこでも語られた。「基地で繁盛していたのは1ドル360円の時代だけ。小売店はみなつぶれた」「いまは基地の中に無税のスーパーができて、買い物はみなそこでやる。遊びは広島へ行って地元は相手にしない」「自衛隊が出ていくことで不動産、散髪や、クリーニング屋など商店はさびれる。米兵は店に来ない」。
「交付金で栄えるというが、愛宕山でもゼネコンがもうけただけ、地元には残りかすだけで、中小業者で潤うものはいない」「基地内に入っている業者の車は、岩国ナンバーはすごく少なく、ほとんどが広島から入ってくる」
「道路は狭くて渋滞、高さ規制で発展の要素がつまれている」「岩国の基幹産業は、三井化学、日本製紙、帝人、東洋紡などだったが、取締役は2年の任期だから将来を考えないリストラをやって、若い者はどんどん岩国を出ていった。帝人は煙突が高くできずに、6000人いたのが1000人になった。下請の帝人精機は700人が100人になった。若い者が働くところがなくなり、出ていく」。
「川下はすごくさびれた。知らぬ間に空き地がふえていく。若者が出て、親が死に絶えて、空き地が広がった。基地が大きくなっても、交付金がきても市民には関係ない。厚木の米兵がきても商売人は一つももうからない」。
原爆や空襲に憤り 「日本盾にする気」
広島の原爆の体験、岩国空襲の体験が数かぎりなく語られている。岩国では、終戦前日の14日に、駅周辺や航空隊がやられ、たくさんの人たちが殺された。「岩国では人の骨がまだ埋まっている」「川下にあった航空隊格納庫で131人の兵隊が殺され、戦後碑を建てて供養していたがいつの間にコンクリごとはがされてなくなった」。
また広島の原爆を体験した人も多く、「アメリカは日本人の命などなんとも思っていない」「こんなひどいことをしたアメリカがどうして日本を守りますか」と激しく語られた。また「滑走路など自分たちが使うところは無傷だった」「戦争を終わらせるためなんかではなくて、基地を奪いとるために原爆を投下したり空襲攻撃をしたんだ」ということが強く語られている。
自衛隊関係者も「アメリカ軍が日本防衛をするわけがない。日本を簡単に捨てる。アメリカの目的は日本防衛じゃなく、太平洋側を守るために日本を防波堤にするだけのことだ。盾と同じ」と語っていた。
安保を問題にする市民 どこの国かわからぬ状態
そして「岩国ではアメリカ人やオーストラリア人、インド人やフィリピン人とか入り交じって合衆国だ。その親分はアメリカ人。日本人の方が肩身の狭い思いをしている。ここはどこの国かわからない」「中国では昔、犬と中国人は入るべからずという立て札があったというが、ここでも犬と日本人は立ち入るべからずだ」。
「日本が戦争で負け安保で縛られたのがいけない。いい加減に安保を見直すべきだ。なにからなにまでアメリカのいいなり。構造改革もアメリカのいいなり。金がないものは死ねという政治だ。日本はアメリカの一州になっている。奴隷にされて、そのうち原爆を使う戦争になる。日本は砂漠にされるのではないか」「戦後の国のあり方を考え直さないといけない」と、語る人が多い。
全国の問題と強調 腹すえた運動を切望
米軍基地が居座る岩国は、対米従属の日本の縮図をあらわしている。米軍は日本の法律も超越して、わがもの顔でふるまっており、行政も警察も米軍の手下になって、市民を困難にさせている。
米軍再編で岩国は大増強計画だが、いま小泉政府がすすめているのは、日本全土の米軍基地化である。下関でも「テロ対策」と称する訓練があいつぎ、港はフェンスを張って米軍艦が気兼ねなく使用するようにしている。小泉政府は、米軍が全国の自衛隊基地を自由に使い、港や空港、道路や鉄道、通信などを優先使用し、自治体や各種機関、企業を無条件で米軍の作戦に協力させる体制をつくろうとしている。問題は岩国だけのことではなくて、全土を米軍が基地にするということである。
そして、構造改革といって政治も経済も教育や文化、メディアなども、アメリカが日本を植民地的な支配におくものだが、そのいいなりになる根幹が軍事基地を中心とした武力占領状態である。外交では、靖国問題や領土問題で中国、朝鮮などと軋轢をくり返して日本の国益を損なっているが、それはアメリカの鉄砲弾になれという指示を実行する外交自主性の放棄である。
ある婦人は「基地をどうするかの問題は岩国だけの問題ではない。アメリカに日本が加担しているのがいけない。日本全国から基地をなくす運動にしないといけない」と語っていた。
ある老人は「自分は原爆で両親を殺された。アメリカに恨みを晴らそうと思って生きてきた。敗戦後は日本人に手を出した米兵を集団で半殺しになるほど殴っていた。母の恨み、兄の恨みと思ってやっていた。のびている米兵のところへMPがくると、とり巻いていただれかがあっちへ逃げたというと、警察もいっしょにそっちへいっていた。当時は警察ももみ消していた。いまでは逆になってしまった。市民が敵だ」「基地は音が静かならいいということではない。戦争でとられた基地であり、腹をすえて出て行かせる力をどうするか考えなければならない」と語っていた。
岩国基地への厚木基地の移転をはじめとする増強は、岩国だけの騒音や経済メリットなどの岩国市民だけの問題ではない。それはアメリカのための戦争にかり出されるかどうか、日本の民族的利益を投げ出してしまうかどうか、独立にかかわる全県的、全国的な重要問題として岩国市民のなかで語られている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/nihonnnosyukuzusimesukitiiwakni.htm
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