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(回答先: 密約なしの確認文書ない 沖縄返還協定で政府―Yahoo!共同通信 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 3 月 08 日 11:56:46)
◇西海評論:権力と新聞 /長崎
「佐藤栄作首相が退陣会見で、テレビだけおって新聞出ていけといったでしょう。あの張本人は私なんです」
今月1日に長崎新聞文化ホールであった長崎新聞労組の「3・1市民集会」。講師の元毎日新聞記者、西山太吉さん(74)が「情報操作とメディア−−軍事国家へと進む日本」の講演の中で語った。
西山さんは沖縄返還交渉の日米間の密約を示す文書を入手して報道、72年4月に国家公務員法違反容疑で警視庁に逮捕された。密約は「沖縄返還に伴う土地の復元補償費400万ドルを米国に代わって日本が肩代わりする」という内容。
国は密約の存在を否定。西山さんが当時の外務省女性職員から文書を入手したことが判明、同職員とともに逮捕・起訴された。西山さんは1審で無罪だったが最高裁で懲役4月、執行猶予1年の有罪判決が確定した。
毎日新聞は西山さんらの逮捕後「報道の自由、知る権利に対する権力の挑戦」と大展開の報道をした。だが、起訴状に「情を通じ」という2人の関係が示され、雰囲気は一変。他のマスコミや読者の反感を買うことになった。国家密約という本筋はうやむやに。
ところが、02年に毎日新聞が米国立公文書館で入手した文書には、密約が存在したことを示す記述があった。さらに今年2月、沖縄返還交渉の当事者だった吉野文六・元外務省アメリカ局局長(87)が密約の存在を認め、各新聞が報道した。それでも政府は密約を否定し続けている。
昨年4月、西山さんは「密約を否定した当時の判決は誤りで不当な起訴で名誉を棄損された」と国家賠償請求訴訟を起こした。「私の裁判が吉野発言をもたらした」と今回の講演で訴えた。
再び、72年6月の佐藤氏の首相退陣会見。「偏向した新聞は嫌いだ」と訴え、記者総退場の後、テレビカメラを相手に演説した。新聞の末期政権への厳しい論調はあっただろう。命運を懸けた沖縄返還交渉の機密を暴いた西山さんに怒ったことも十分考えられる。当時私は高校生で新聞、テレビで見守っていた。
「新聞と権力はけんかしなければならない。食いついていってちょうどいい」。市民集会後の居酒屋で西山さんは冷酒を傾けながら、長崎新聞労組のメンバーと私に語り掛けた。「これからも僕の闘いは続くよ」。そう身の大先輩の熱い怒りが伝わってきた。<長崎支局長・松田幸三>
毎日新聞 2006年3月6日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagasaki/archive/news/2006/03/06/20060306ddlk42070181000c.html
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