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(回答先: 普天間移設 沿岸案で地元説得【あくまで現行案のままで】―NHKニュース 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 3 月 07 日 11:37:48)
「基地もういらぬ」/沿岸案反対県民大会
「私たちは沿岸案に反対ではない。いかなる案でも新たな基地建設には反対です」。移設候補地に暮らす母親の叫びに会場は一瞬どよめき、そして沸き立った。五日に宜野湾市で開かれた「3・5県民総決起大会」。超党派開催はならず、知事不在の不安材料をよそに、県内外から世代を超えた人々が続々と詰め掛けた。舞台では過重負担、頭越し合意への批判、平和な島実現への願いが切々と続く。参加者らは弁士の一言一言に力強くうなずき、三万五千のこぶしを振り上げた。「移設反対」。日米政府に揺るぎないメッセージを突き付けた。
地元/名護の主婦 渡具知智佳子さん
普天間飛行場の移設先、名護市東海岸住民を代表した主婦の渡具知智佳子さん(44)=市瀬嵩=は、声を振り絞って訴えた。分断された地域、引き裂かれた人間関係…。涙ぐんだ渡具知さんが「基地は要りません。私たちの九年間の願いを、政府はきちんと受け止めてください」と語ると、ひときわ大きな拍手と共感の輪が会場を包んだ。
渡具知さんは「ヘリ基地いらない二見以北十区の会」の共同代表も務める。日米両政府が普天間飛行場の移設先を名護市東海岸に決めた一九九六年以降、助け合い暮らしてきた地域は政治的に分断されたままだ。
「久志地域はこの九年、ずっと基地問題に翻弄されてきた。基地問題は、地域と私たちの心をずたずたに切り裂いた」
九七年の名護市民投票。渡具知さんに抱きかかえられていた長男・武龍君は八歳のたくましい少年に。軍民共用空港案決定後に生まれた和紀ちゃんと和奏ちゃん=ともに(4)=も、すくすく育つ。「三人の子どもがいたから今まで頑張ることができた。私たちは、子どもに海と山で囲まれた自然を残したいだけ。過疎地に住む人間は、こんな当たり前の願いすら許されないのか」
会場に来る途中、沿岸案で埋め立て予定の大浦湾は太陽に照らされ、きらきら輝いていたという。渡具知さんは涙ぐみながら言葉を続けた。
「政府の皆さん、何が何でもキャンプ・シュワブ周辺にこだわるストーカー行為は、もうやめてください。きっぱりあきらめ、普天間基地のような粗大ごみは米国に持ち帰ってください」
女性/暴力と犠牲繰り返すな
三万五千人の参加者を前に、「艦砲の喰ぇー残さー」をアカペラで歌い上げた桑江テル子さん(67)=基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表。戦後六十年を経ても、米軍に蹂躙され続けている沖縄の現状を表現したかったという。
静まり返った会場で、桑江さんは「由美子ちゃん、国場君、宮森小のみんな…」と、米軍統治下で犠牲になった子どもや女性たちの名を次々と読み上げた。「あなたたちの尊い命と未来を奪った米軍は今も県民を不安に陥れ、アジアや世界各地では事件が起こり続けている」
「日本政府はブッシュさまのいいなりだねえ。国民には厳しく、アメリカには優しい思いやり」と痛烈に批判。「戦争も基地もいらない。二度と暴力を繰り返すな」と絶叫、大きな拍手を浴びた。
漁業者/命の海渡さぬ
「海を破壊すれば、どうなるかウミンチュが一番知っている。沿岸案は最悪だ」。名護市漁協汀間支部長の勢頭弘敏さん(56)は、大浦湾を漁場とする漁業者の気持ちを力強く代弁した。
同支部は、基地移設に具体的な意思表示をしてこなかったが「沿岸案」が示された昨年十月、移設案反対を決定。「大浦湾は藻場が発達し、あらゆる魚が生息する場で多くの仲間の生活の場」と語り、強行の姿勢を崩さない日米両政府に抗議した。
舞台に駆け寄り「大浦湾を守れ」と書いた横断幕を掲げ、先輩を応援した組合員の安里和男さん(49)。父、兄ともに親子三人が海で糧を得ている。「こういう場に出るのは初めてで緊張したが、多くの県民が支えてくれているのは心強い。最後まで反対を貫きたい」と力を込めた。
11年前より切迫/大田参院議員
「十一年前の県民大会より切羽詰まった印象がある」。米兵暴行事件をきっかけに一九九五年十月二十一日、米軍基地の整理・縮小を求めて超党派で開催された県民大会。当時、県知事だった大田昌秀参院議員は県民に蓄積された怒りが爆発する前兆とみる。
一方的に基地移設が進められた場合には「行政の制御が効かない状態にならないか、非常に心配している。政府は沖縄の声にしっかり耳を傾けるべきだ」と指摘した。
宜野座村民/移設阻止 地元一丸
「ニワトリはとても神経質。爆音におびえ、そのままぱったり産めなくなってしまうこともある」。宜野座村松田の山手で県内有数の大規模養鶏場を経営する安里昌秀さん(65)は、畜産業の将来を懸念する。
米軍ヘリの編隊が低空飛行で養鶏場の上を旋回した翌朝、まだ殻のできていない未熟卵が大量に回収されるという。「家畜は言葉を話さないが、騒音を嫌っているのは農家ならすぐ分かる。北部にこれ以上犠牲になれというのか」
同区は、名護市キャンプ・シュワブから約三キロ。最も影響を受ける集落の一つだ。五日の県民大会には、区民約七十人が参加。計画撤回をPRした。当真嗣信区長は「こんなに人が集まるとは予想以上。一丸となって移設を止めたい」と決意を固めた。
キャンプ・ハンセン演習場を抱える同区には、年間一億数千万円の補償金が入る。住民はさまざまな基地の“恩恵”を受ける。
「宜野座村は、ネズミやトービーラー(ゴキブリ)まで“保守”だといわれる地域。基地問題はずっとタブーだった」と男性区民(62)。「だが、ここに来て住民意識の変化を感じる。こんなに本気で住民が立ち上がるのは初めて」
基地従業員として三十七年間働き、四人の子どもを育てた知念幸正さん(65)は、「人も地域も基地のおかげで生活している部分はある。だが孫の時代になって、“じいちゃん、なぜ反対しなかったの”と言われないようにしないと」とつぶやいた。(鈴木実)
宜野湾市民/名護市の訴えに共感
米軍普天間飛行場を抱え、米軍ヘリの墜落の危険性や騒音に日々悩まされている宜野湾市民は、名護市民の壇上からの訴えにうなずき、共感の声を上げた。
市内で最も騒音の激しい市上大謝名区に住む下地宏さん(62)は「名護の人に迷惑を掛ける移設案は絶対反対」ときっぱり。政府は「新基地では、住宅地上空にヘリを飛ばさない」としているが、下地さんは「米軍が約束を守るとは到底思えない」と語った。
市愛知から参加した平良エミ子さん(58)は、渡具知千佳子さんのあいさつに「私たち宜野湾市民も同じ気持ち。日米は、沖縄に新基地を造ることをあきらめてほしい」と訴え。その上で「ど真ん中に基地があり、市民は身動きができない状態。跡地利用で、早く宜野湾市を発展させたい」と力を込めた。
親子/「次世代に基地残さぬ」幼児連れの父母決意
「私たちの世代で『基地沖縄』を終わらせたい」―。教員の長浜真勝さん(50)=西原町=は静かに語った。肩の上では長男の真玄ちゃん(1)がけなげに笑い、妻・杉子さん(41)のひざでは長女の桃香ちゃん(4)が無邪気に遊ぶ。沖縄戦で亡くなった兄二人をしのび、「この子たちを戦争に加担させたくない」と願いを込めた。
戦後生まれの長浜さんは小学校六年の時、二人の兄がいたことを母親から知らされた。「戦争で子どもを失った悲しさを抱えながら生き抜いた親を思うと、今でも涙が出てくる」と話す。
戦後、強制的に土地を奪われ、基地を造られた沖縄は「ずっと戦争に加担させられてきた」と考えている。「今回、新基地建設を認めてしまえば、その役割を積極的に容認することになる。これまでとは意味合いが違う」と危機感が募る。
子どもたちの未来が心配になり、家族で駆け付けた。海浜公園を埋めた三万五千人を目の当たりにしても「もっと県民が集まらないと日米に届かない。特に、これからの政治を変える若者にこの光景を見てほしい」と訴え、桃香ちゃんの小さな手を握った。(磯野直)
芸術家/音楽でもアピール
若い美術家や大学教授らで組織する「合意してないプロジェクト」は県民大会会場の一角に「解放区」をオープン。芸術やレゲエなど音楽を通して基地反対をアピールした。メンバーらがデザインしたピースTシャツも人気を集め、体中に花を咲かせた獅子舞のパフォーマンスもあり、会場を和ませた。
同プロジェクトの安部小涼さん、岡本由希子さんは「自由に自己表現を通して基地反対をアピールし続けることで、団体に所属していない人でも同様の大会に参加しやすくなる」と活動の意義を強調した。
大会に先立ち、平和や反基地の思いを歌に込めた「ピースステージ」が会場内で行われ、海勢頭豊さんや喜納昌吉さん、知念良吉さんら七組のミュージシャンが熱唱し、大会を盛り上げた。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200603061300_02.html
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