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卒業式司会「内心の自由が保障されていて何事も強制されないことを伝えてきましたが、今年は警告されているので、伝えられない」
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投稿者 霧島夏樹 日時 2006 年 3 月 07 日 02:30:29: Ei/G7MyD3TYwg
 

なかやま通信:反「君が代」卒業式について
"反「君が代」卒業式について
 先日(3月5日)、都立江北高校の定時制の卒業式にお招きを受け、列席させて頂きました。

 しゃれたスーツあり、学生服あり、茶髪あり、サングラスあり、さまざまな状況の中で4年間も通い続けた定時制らしい卒業式でした。ちょいワル風だなという印象の生徒でも、先生や来賓の前ではペコっとお辞儀をします。失礼ながら、やはり可愛らしい姿でした。ある程度年齢を重ねた卒業生もいらっしゃって、今は別の高校に赴任している恩師に満面の笑みで卒業の喜びを報告する姿は、まことに微笑ましいものでした。皆勤賞の受賞者がいたことには心底驚かされましたし、スポーツや学業、生徒会活動などで表彰された生徒もいて、その頑張りぶりは、今は世に知られていなくても、やがて後輩たちの目標となる立派な人生につながることを願わずにはおられませんでした。

 ただ、残念なことがひとつありました。司会を務めた教員が開会の前に、「毎年、憲法には内心の自由が保障されていて何事も強制されないことを伝えてきましたが、今年は都の教育委員会から厳しく処罰するぞと警告されているので、伝えられないことをお伝えします」(趣旨)という内容のアナウンスをしたのです。校長や副校長などの管理職は、そのコメントの最中、司会者のそばに赴き耳元で注意を加えていましたが、司会者は聞き入れませんでした。開会前、校門のそとでは、「君が代」の内容やその斉唱を批判するビラが配布されていました。その教員が何を言わんとしていたかは、状況に照らして明らかです。その後、開式の辞を経て国家斉唱に移りましたが、司会者は斉唱を告げず、開式の辞を担当した副校長が国歌斉唱を告げるという有様でした。案の定、会場の体育館に流れた君が代のテープの音量は異様なまでの小ささで、来賓席などからだけ聞こえて来る歌詞もバラバラになってしまいました。また、祝電を紹介する際にも、「おかしい事はおかしいと感じることを大切にしましょう」云々の文面の退職教員の祝電だけが紹介され、そのほかの祝電は氏名すらも紹介されません。さらに、来賓の一部として私のほか自民・民主の都議も参加していましたが、名前だけが紹介されました。PTAの役員や転任した教員の肩書は紹介されていました。普通、氏名だけを紹介してもその人が何で来賓として参加しているのか分からないと思います。それこそ「オカシナ」事態です。他の定時制や全日制の卒業式にもいくつか参加しましたが、国歌のこと、祝電のこと、都議の紹介のことすべて異例づくめです。

 閉式後、校長先生にお伺いしたところ、まったく予想もしない展開であったとのことでしたが、私には用意周到に仕組まれた出来事のように思われました。

 私は、かつてのイギリスの名宰相ではありませんが、「君の意見には反対だが、君が君の意見を言う権利は命がけで守る」という姿勢に賛同します。当然、然るべき機会に自分の信条を述べることは自由です。しかし、組織・団体として行う行事において、責任者に事前の相談も無く、この司会者のような言動を取ることは、思想・信条の自由や表現の自由といった範囲を超えています。組織人が公式にとるべき言動は、組織として是認された範囲でなければなりません。ましてや、公務員は全体の奉仕者ですから、国民の意思に従わなければなりません。国民の意思とは何か、それは究極的には選挙の結果です。また、法令に基づいて権限を持つ者が、然るべき手続きに従って定めた方針に基づくことです。司会を務めた教員の言動は、公務員としても、組織人としても到底許されるものではありません。「内心の自由」云々と司会の教員は言いましたが、内心の自由の尊重と団体行動の規律とは別問題です。内心で国家を軽蔑しながら国家を歌ったからといって罰するべきではありませんが、内心の自由があるからといって、朝礼の際に必ずしも整列する義務はないと説くのは「オカシナ」説です。

 司会の教員の行動は、生徒・父母に与えた影響の大きさ、校長をはじめ現場の監督責任を持つ者にかけた迷惑など、どの点をとっても、怒りを感じるほどの行為です。私の隣の元PTA会長さんも、憤慨して大きな声で「君が代」を熱唱していました。

 公立学校においては、その教育内容、生徒指導、行事運営の基本方針はすべて公式な機関が決定します。だからこそ、国民は安心して子供を公立学校に通わせることができます。仮にこれらを各校の自由、たとえば職員会議での多数決に委ねてしまうと大変な事態になってしまいます。公立学校においても、日教組等の影響が大きかった時代は、職員会議が法的な根拠も無く大きな権限を握り、校長といえどもままならない状況もありました。例えば授業をそっちのけにして組合の街頭活動を行うこともできました。教室内で北朝鮮をまさに地上の楽園のように喧伝する教員もいましたし、アメリカの核はいけないが、ソ連や中国の核は良いと説く教員もいました。しかし現在では、職員会議は校長が指示を徹底する場であり、その指示に基づく細部を検討する場であります。古くからの教員に中には不自由さを感じる方も多いでしょうが、私は今までがオカシカッタのだと思います。もちろん、校長が決定できることには限界がありますし、校長と教員の権限の差は職務上に限られており、けっして社会的な身分差などではありません。互いに尊重し合い、意見の交換もある程度は自由に行われるべきです。しかし、ひとたび校長が方針を決定した場合、教員は組織人としてその方針を遵守しなければなりません。また、校長は、法令に基づく上級官庁(文科省や教育庁)の指示には従わなければならず、現場の教員がそれに従わないからといって、その方針を変えたりしてはなりません。

 かつて軍国主義に反対し、侵略戦争に異議を唱え、宗教の自由を奪った国家神道主義に立ち向かい獄死した教員が日本にいました。その先人の行動と今回の出来事とはまったく異質のものであると私は考えます。確かに、最悪の事態に備え、取り返しのつかない事態になるまえに早めに手を打つことも大切ですが、私は、今の「君が代」の先に軍国主義の復興があるとは考えません。靖国神社の問題をはじめ軍国主義的な動きに目を光らせておく方法は、あくまでTPOを選ぶべきで、国家の斉唱云々の機会を捉えて論じる事柄ではありません。

 「君が代」に対してどのような感想を抱こうと、国歌についてどのような意見を持とうと自由です。しかし、現に法律(国旗及び国歌に関する法律。平成11年8月13日施行)によって「君が代」が国歌に定められている以上、オリンピックの表彰式などで日本が自国の国歌として演奏する曲目は「君が代」です。私個人は「君が代」に特別な愛着はありません。国民の中から別の国歌を定める機運が高まるとしたらそれに異論はありません。しかし今、「君が代」以外の国家を定める必要性を感じている国民が半数を超えているとは感じませんし、ましてや公立学校の卒業式は、そうした問題を論議する場でもありません。教員個人が「君が代」に生理的な嫌悪感を抱き、斉唱の際に口を閉じることがあってもあえてこれを声高に問題視するつもりはありませんが、内心の自由を口実に斉唱しないことを教員の立場を利用して生徒などに薦めることは、まったくの行き過ぎです。多くの日本人は天皇制の賛歌として「君が代」を歌っているわけではありませんし、かつての侵略戦争を正当化するために歌っているわけでもありません。

 私が一番怒りを覚えるのは、司会を務めた教員をしてそのような行動を取らせた背景にいる人たちです。司会を務めた教員本人は何らかの処分を受ける可能性があります。生徒指導に熱心な教員であったかも知れず、恩師が処分を受けることを悲しむ生徒もいることでしょう。しかし、どこかの政党のにせメール議員ではありませんが、自分のとった行動の責任は避けられません。けれども背景にいる人物たちは、直接、処分の対象にもならず(教員とは限らず、団体職員が関係している可能性もあります。)、司会の教員を操って、イデオロギー上の満足を得ているのです。仮に司会を努めた教員が自ら今回の言動を望み、こちらもその思想に共鳴できる立場にいるとしても、その教員の人生や周囲への迷惑も考慮し、自重を促すのが本当の友人ではないでしょうか。背景にいる人物たちは、司会を務めた教員の存在すらも道具の一つとしか見ていないような気がします。

 卒業式自体は、こうした出来事とは関係なく整然と行われました。卒業証書を受けた後、壇上で「フォー」と流行のポーズを取りはしゃぐ生徒もいましたが、これまでの頑張りとこれからの苦労を思えば、ご愛嬌のひとつのような気もします。しかし、その無邪気さが一種の無防備さの表れに思えて卒業後が心配になるほど、司会を努めた教員らの行動は身勝手に過ぎます。卒業式はあくまで、卒業生やそのご家族のためのものです。イデオロギーの宣伝の場所ではありません。
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http://blog.livedoor.jp/nakayamanobuyuki/archives/50438871.html

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