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□「終身雇用と年功序列」の時代には戻れない|ゲンダイ
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=25849
【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
2006年4月14日掲載
「終身雇用と年功序列」の時代には戻れない
新しいセーフティネットが必要
民主党の新代表に就任した小沢一郎氏が、メディアで積極的に発言している。中でも目を引くのが、格差社会の歯止めに日本型雇用の復活を唱えていることだ。
テレビや新聞のインタビューで、「終身雇用と年功序列が日本社会のセーフティーネットだった」と繰り返している。身分保障のない競争にさらされるのは“キャリア組”だけ。それ以外は終身雇用、年功序列にすることが必要で、社員の忠誠心が高まれば会社にもプラスと言っている。
終身雇用と年功序列がセーフティーネットだったことは論をまたない。それがバブル崩壊で、維持できないと思われる状況に追い込まれてしまった。
雇用は設備、負債とともに「3つの過剰」に数えられ、日本型経営の象徴とされる制度にもメスを入れるよう求める声が強まったのだ。
その結果、企業は正社員の採用を絞るようになり、フリーターやパートといった非正社員が急増した。雇用格差は所得格差に直結する。最近は、大学でも高校でも、学費の延納願を出す家庭が増えてきた。しかし、これはまだマシな方だ。親が学費を払えず退学せざるを得なくなった生徒も驚くほど多いからだ。
ただでさえ正社員になるのが難しい時代だ。学歴のなさは致命傷になりかねない。手をこまねいていると、格差は確実に再生産されていくことになる。
もっとも、それなら終身雇用と年功序列の復活が正しいかというと、そうも言えない。下り坂にさしかかったベテラン社員は、考えがガンコになりフットワークも重くなる。それでも若手社員は、彼らの2倍も3倍も働いても、年齢の問題で給料が抑えられるのはおかしい。小沢氏の発言は「昔は良かった」とセンチメントに訴える作戦のようにも映る。
今、政治がやらなければならないのは、終身雇用と年功序列に代わる新しいセーフティーネットの構築だ。小泉首相や竹中総務相は、構造改革で機会は平等になるといっているが、とんでもない。
先日テレビで、退職して米国留学したものの、帰国後の再就職先が見つからない元銀行員の嘆きを取り上げていた。格差は再生産され、チャンスは不平等。それが今の日本社会の現実だ。
小沢氏にはぜひ、新時代のセーフティーネットを打ち出してもらいたい。「格差は悪いことじゃない」と開き直る小泉首相には、何も期待できないのだから。【高橋乗宣】
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