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鹿屋で8200人が市民集会 米軍移転の撤回を要求 畜産農家、戦争体験者軸に 【長周新聞】
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/120.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 3 月 03 日 20:55:13: ogcGl0q1DMbpk
 

鹿屋で8200人が市民集会

米軍移転の撤回を要求
            畜産農家、戦争体験者軸に  2006年2月28日付

http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/kanoyade8200nigasiminsyukai.htm


 鹿児島県鹿屋市で、在日米軍空中給油機部隊移駐に反対する市民集会が26日午後1時から開かれ、畜産農家、戦争体験者などを先頭に8200人が結集した。主催は地元の農協や各町内会、青年会議所、町内会、PTA、公民館、女性団体連絡協議会、民生児童委員連絡協議会、自衛隊婦人後援会、連合鹿児島など主要13団体が結成した実行委員会。特攻攻撃で若い命が無惨に奪われていくのをまのあたりにした痛恨の経験、米軍による激しい空襲で焼き払われて以来の対米従属政治への憤りを噴出させ、「空中給油機移駐に反対する市民の意思を内外へ大きく強く示し、日米合意案を撤回させる」と明記した集会決議を採択した。会場では2種類の長周新聞号外(「沖縄戦は戦争終結に必要なかった」「米軍再編の要をなす岩国増強」)が2400セット配布され共感を呼んだ。原爆展全国キャラバン隊が展示した「沖縄戦の真実」と「原爆と峠三吉の詩」パネルも参加者の注目を集めた。
  
  真剣な母親の姿も

 市民集会は鹿屋中央高校吹奏楽部による雄壮な演奏のあと小原美加子氏(鹿屋自衛隊婦人後援会会長)が開会宣言。

 冒頭、下小野田寛実行委員長(鹿児島きもつき農協組合長)が主催者あいさつ。「市民1人1人の力は小さくても、みずからのこととして主体的に行動する市民が集まれば大きな力を発揮できる」と話し、「21世紀は市民の時代。本市民集会を市民の声として正正堂堂と日米政府に届けよう」とのべた。

 鹿屋市の山下栄市長は「市民生活を守る立場にあるものとして計画の撤回を要求してきた」と語り、「基地の周辺に学校、病院、保育園などがあり、その背後地が和牛、養豚、酪農、養鶏など日本の南の食料基地であり、影響が大きい」と指摘。「鹿屋基地の飛行回数は普天間基地と変わらない4万7000回。市民は騒音でも限界。そこに空中給油機がきたらどうなるのか。騒音、安全、治安の問題がある」とのべた。そして「米軍の空中給油機が移転すれば米軍の輸送機、P3Cも活用する。隣の新田原、福岡の築城も米軍機の訓練基地になる。将来どうなるかを危惧する」「米軍が事件を起こすと日本の警察が逮捕できるか、ひじょうにむずかしい。米軍が移駐すれば違法状態になる」と強調。「この問題は30年、50年先を見て対応しなければいけない。鹿屋市の町づくりに米軍はいらない。鹿児島県内全域の問題であり、運動を大きなうねりとし日米政府に訴えていきたい」とのべた。

 つぎに鹿児島県の伊藤祐一郎知事のメッセージを代読。「鹿屋基地の地元で空中給油機部隊移転反対の市民集会が開催されることは地元の明確な意志を示す大きな意義がある。わたしも今回の米軍再編成については地元合意は得られておらず賛成できない。今後とも国の動きを注視していく」と紹介した。

 周辺自治体として、錦江町の野元良一町長が発言。「住民生活や畜産業に与える騒音、事故、日本にとって不平等な日米地位協定による住民生活に与える影響が懸念されるとともに、地元に説明もせず、一方的に合意発表した国のすすめ方などは地域としてとうてい容認できない。周辺1市4町で構成する鹿屋市地域米軍再編問題対策協議会を立ち上げ、国へ反対要望をおこなったが、国は鹿屋基地への移転を盛りこむ方向で協議をすすめている」と憤りを表明。「この集会を機に、移駐案撤回を国に訴えよう。子や孫たちの世代が安心して暮らせる地域をつくっていこう」と呼びかけた。

  つづいて沖縄現地の状況を黒島善市氏(元NTT職員)が報告。大型ヘリが沖縄国際大学に墜落したさい、米軍が「パイロットが優秀だったから死者が出なかった」と発言したこと、漁場に戦斗機が墜落したときも「危ないのは漁民でなくパイロットだ」といったことなどにふれ、「これが米軍の本心」と指摘した。

 陸海空が米軍に支配され、民間旅客機は那覇空港を中心に半径600bしか通常飛行ができないこと、事件を起こすと米軍は地位協定をタテにとって基地に逃げこむこと、などの実情にふれつつ、「米軍は税金も市民に比べて3分の1から、5分の1。高速も無料。黙っていてはなにも変わらない」と強調。「沖縄県民は50年まえから銃剣とブルドーザーで土地を強奪され今日にいたった。このようなことを他府県にひき受けさせることはできない。米軍基地は自国へもって帰ってほしい」と訴えた。
 
  市民が熱こめ発言 畜産の誇り胸に

 その後、鹿屋市民が意見表明した。
 畜産団体代表の上窪直己氏(JAきもつき養豚一貫経営部会長)は「わが鹿児島県は日本一の畜産県だ。和牛、養豚、養鶏は日本一の生産量だ」と切り出し「日本一の農地である大隈半島のこの地域に米軍が爆音をもって飛来することは、畜産農家の経営基盤である家畜と家禽などに多大な影響とストレスを与える。肉質の低下、発育の低下、産卵率の低下、乳牛において出乳量の低下という農業生産性を阻害するもの」と指摘。「アメリカの基地が日本の基地を乗っとる心配もある。われわれ農家はこれをどうしても許すことはできない。地域のみなさんとともにアメリカ軍空中給油機が移駐することに強く反対したい」とのべた。

 町内会を代表し竹川鉄舟氏(鹿屋市町内会連絡協議会会長)が発言。「町内会連絡協議会としては、各町内会の自治組織としての確立と繁栄をめざすことが第一。そのためにまず安全、安心が確保されるべきだ。しかし米軍の移転は、わたしたちの生活の安全・安心を保障しない」とのべ、「幼い子どもから、高齢者まで守るため断固として反対する。地元と協議しながら米軍再編をするといって、強引に押しつける日本政府に抗議する」とのべた。

 意見発表の最後に鹿屋市の女子高生・土橋愛さんが発表。昨年6月に沖縄を訪問したことにふれ、「普天間基地を見たあと普天間高校の生徒と交流し、高校生たちが騒音被害や米兵の犯罪被害、米軍車両の交通事故の不安にさらされていることを知った。広大な鉄条網というバリアで囲まれた米軍基地、そこだけは日本でありながらまるで外国のようだった」とのべた。「この西原地区は鹿屋女子高、一中や西原台小、保育園や幼稚園が多数ある。わたしたち生徒や子どもたちの安全を守ってほしい」とのべた。

 つぎに「空中給油機移転撤回を求める」署名をとりくんだ母親や自治会関係者が登壇し署名簿を下小野田市民集会実行委員長に手渡した。

  鹿屋市の若者代表として平原正昭氏が登壇し集会決議を提案。「米軍が鹿屋市に来ると米軍および、米兵による事件・事故等、市民生活の安全が脅かされ、騒音の増大による畜産業などへの悪影響がさけられない。米軍機の事故や自衛隊との基地の共同使用による危険性も増加する。集会は、空中給油機移駐に反対する意思を内外へ大きく強く示し、日米合意案を撤回させることが目的である」「日本政府は在日米軍再編合意を見直し、基地周辺自治体や住民の立場に立ち、基地の真の整理縮小のため、改めて米国政府と交渉すること、とりわけ空中給油機部隊の海上自衛隊鹿屋航空基地への移駐はおこなわないこと」と読みあげ、会場の大きな拍手で採択された。

 最後に吉留久子氏(鹿屋市中央生活学校運営委員長)が閉会あいさつ。「この集まりは鹿屋市の平和運動の歴史の1ページ。米軍移転の計画が撤回されるまでがんばろう」と訴えた。鶴丸秀治氏(鹿屋市PTA連絡協議会会長)の音頭で参加者全員が「団結がんばろう」とこぶしを突き上げ集会を終えた。
 
  語られる空襲体験 米軍に強い怒り

 集会に参加した畜産農家の婦人は「この地域は米軍の爆撃で部落中全滅させられたところもある。防空壕に逃げるのをおもしろがって撃つ米兵の姿が見えた。防空壕がつぶされてなくなった人もいる。戦前は馬、乳牛、和牛、鶏、養豚、養蚕、さつまいもなど農家が盛んだったのに敗戦後は畑が穴だらけ。復興はすごくたいへんだったのにまた米軍が来るなど許せない」と話す。別の畜産業の男性も「自分の先輩が“明日で行きます”とあいさつし鹿屋上空を旋回して出て行くのを見た。最後の杯をあげ、道中に食べるサツマイモをのせ、片道燃料で出たきり帰ってこなかった。たくさん日本人を殺した米軍が来るなどとんでもない。輸入自由化のときも狂牛病のときもろくなことがなかった」と語った。

 実家が農家の役場職員は「小泉さんがノーといえないのが一番問題。狂牛病もなぜ国民のことを考えてノーといえないのか。米軍が来たときの経済効果をいうまえに、地域の基礎である農業を破壊するのが問題だ」と強調した。

 地域で参加した自治会関係者は「いまでもすごい騒音で畜産への影響が大きい。騒音にびっくりして死ぬ牛もいる。三歳のとき海岸で貝掘りをしていると米軍機から狙われて、よその人に防空壕に連れて行ってもらった。米軍がどんなものかみんなよく知っている」と話した。

 幼子を連れた母親(30代)は「経済効果があるという意見があるけど、それが目的なら商業でも、農業でもやればいい。鹿屋の産業は畜産や農業だし、自衛隊や米軍が鹿屋の産業ではない」と強調した。

 自衛隊関係者の1人は「空中給油機の話は政府間だけの頭ごしできて自衛隊にも知らされていない。米軍は自衛隊をバカにしきっている。自衛隊内でもそうとう反発がある」と語った。

 「岩国も同じ」と語る林業関係の公務員は「このあたりは林業が盛んだが、材木も八割が輸入になった。そして農水省の職員は数年まえは1万5000人から半分になり今度は5%純減。いつも産業をつぶし、官公庁をつぶす。空中給油機の問題も“沖縄の負担軽減”というが、いつも本質がそらされる。これは岩国に行くか鹿屋に行くかという問題ではない。根本は日米安保の問題。かりに自分の代だけで目標を成しとげることができなくても本質を見ずに目先に追われると解決にならない」と語った。
 
  原爆展に深い共感 全国の連帯求める

 原爆展全国キャラバン隊による原爆展は、全県各地から訪れた県民や地元鹿屋市民が足を止めた。山口県からの参加と知って「岩国はどうなっているのか。がんばってほしい」と訪ねる参加者もいた。

 鹿屋在住の年配男性は、原爆展の看板を指差して「いまこれがたいせつだ。広島、長崎に原爆まで落とされて日本はアメリカの植民地になっている。これだけのことをした米軍の基地をどうして日本が受け入れることがあるか!」と怒りをあらわした。

 航空廠で学徒動員に出ていた70代の男性は、「この基地一帯も米軍の空襲にあった。昭和20年3月18日から空襲がはじまり、はじめは友軍機も飛び空中戦をしていたが、4月に入ると友軍機は移動し無抵抗になり、米軍のやりたい放題。沖縄戦に飛んでいく特攻隊を見送ったこともある。どうしてここまで敗戦をひきのばしたのかという疑問もあるが、戦争を終わらせるためというアメリカの理屈はとおらない。勝敗はわかりきっていて、無抵抗の市民を殺した」と強調した。

 鹿屋市内で商業を営む70代の男性は「アメリカは自分だけ核兵器を持って、イランや北朝鮮などには持つなというのはあまりにも横暴すぎる。日本は戦後アメリカに文化まで押しつけられてきたが、戦後60年たって考えなおす時期に来ている。日本はアメリカから離れて独自性を持たないといけない。戦争体験者がもっと体験を若い世代に伝えないといけない。それはわたしたちの責任だ。あの大東亜戦争はなんだったのか考えなおさないといけない」と語った。

 18歳で朝鮮半島へ出征した経験を持つ男性は「小泉がアメリカにべったりだから米軍の問題が解決しない。日本の国の問題として論議しないといけない。目先の反対ではなく、そこに目をむけるべきだと思う」と語った。

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