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【前スレ】
怪メール事件(一)と(ニ)【西尾幹二のインターネット日録】
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/1031.html
投稿者 木田貴常 日時 2006 年 4 月 09 日 20:46:34
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西尾幹二のインターネット日録
http://nishiokanji.com/blog/
4月13日
怪メール事件(三)
http://nishiokanji.com/blog/2006/04/post_313.html
ここで遡って私の日録の「産経新聞への対応」(一)3月29日13時50分付及び(二)4月2日16時36分付を思い出していただきたい。3月28日に理事会があり、29日の朝刊の渡辺記者報道が「つくる会」本部の「FAX通信」で訂正された、あのときのことである。
「『西尾元会長の影響力排除を確認』『宮崎正治前事務局長の事務局復帰も検討』は明らかに理事会の協議・決定内容ではありません」という記事の訂正内容であった。ここで私の名前が出たので、初めて私の抗議行動が始まった。始めてみると次々とおかしなことが判明した。
渡辺記者に28日夜に事実と異なる情報を流した理事会参加者がいるということは明らかとなり、天麩羅屋の一時間半の八木・新田両氏その他の会談が怪しい、なにか臭うぞ、という話になったのは周知の通りである。そしてだんだん臭うどころか、くさいものの蓋が取れて中味が次第にあからさまになってきている。
以上の日付を再確認した後で次の展開を読んでいただきたい。3月30日に、平成5年7月3日付『赤旗』の総選挙応援の「各界各層の人びと」一覧が私に差出人不明で送られてきた。そこに、枠をつくって、舩山謙次(元北海道教育大学学長、元日本学術会議会員)の名が大きく刷られ、「藤岡先生の岳父、舩山謙次先生の活動のごく一部です」と大書されている。
藤岡氏の岳父が共産党の有力な支持者であることがこの際何の関係があるというのだろう。西尾は共産党アレルギーだろうと思って、こんなものを送ってきて西尾と藤岡を分断させようとする人の気が知れない。こんなことをするのを「右翼」という。親族に誰がいようが、個人の思想信条に関係はない。私の叔父は野呂栄太郎の片腕、共産党草創期の党幹部で、昭和9年に治安維持法にひっかかって逮捕されている。知識人の家庭なら身内にそんな人の一人や二人は必ずいる。
このバカバカしい一枚が八木=宮崎=新田一味ないしそれと密接に関わる方面から送られてきたことは次の「怪文書2」で十分に推定できるのである。
4月1日、私が丁度、天麩羅屋の密談の可能性に疑問を抱きだしたか、あるいはまだその動きをキャッチしていたかいない頃のことだが、夜2時頃、ファクスの前の紙の山を整理していたら、その中に記号をすべて消した白紙に次の文字の並んだ一枚がふと目に入った。
深夜だったせいもあるが、私は異様に不気味なイメージを受けた。
福地はあなたにニセ情報を流しています。伊藤隆に言い含められて八木支持に回りました。理事会で「これからは西尾が何を言っても相手にしないようにしよう」と言い出したのは福地です。西尾先生の葬式に出るかどうかの話も出ました。「フジ産経代表の日枝さんが私に支持を表明した」と八木が明かすと会場は静まり返りました。
宮崎は明日付で事務局に復帰します。
藤岡は「私は西尾から煽動メールを受け取ったが反論した」と証拠資料を配りました。代々木党員問題はうまく逃げましたが、妻は党員でしょう。
高池はやや藤岡派、あとは今や全員八木派にならざるを得なくなりました。八木はやはり安倍晋三からお墨付きをもらっています。小泉も承知です。岡崎久彦も噛んでいます。CIAも動いています。
私はからかわれているのであるが、理事会に出席していない私に詳しい情報はなく、不安を抱かせるに十分に巧妙に仕組まれた文章である。狡智をもってうまい所を突いていて、よく出来ている。
「FAX通信」で産経の記事の誤報を知った私が29日13時50分付で、当日録で、「理事会に出席していたある人に電話で聞いた処によると、新聞は他にも事実に反することを書いている。八木氏が先に解任された主な理由が会長としての職務放棄、指導力不足にあったことが昨夜の理事会で確認されているのにそれは述べられていない、など。」と書いた内容に即座に反応している文面なのだ。
私が理事会の様子を教えてもらった「ある人」は福地淳氏である。後からさらに二人の協力も得たが、しかし最初の日は福地氏であった。敵はそのことを調べあげたのである。
30日藤岡氏の岳父の情報を流した理由もここに出ている。そして1日にこれを送ってきた。「産経への対応」(一)29日13時50分付の段階で、早くもあの手この手で私を黙らせようとする。まだほんの一寸しか疑問を述べていないあの早い段階で、私の臭覚を恐れ、拡大を防ごうとする人々が知力をしぼっている。
私は初め誰か親切な人が私に理事会での確かな事実をそっと教えてくれようとしているのかと思った。情報をもたないということは恐ろしい。もし私があのあと独房に入れられたら、内容をそのまゝ信じてしまったかもしれない。
私は福地氏とのお付き合いはまだ浅い。氏が伊藤隆氏の弟子筋であることは知られている。福地氏が師匠に振り回されるような玉でないことは最近はっきり知ったが、そのときはまだ氏をそこまで理解していない。私の人間信頼をぐらぐら揺るがす内容だった。
国家の情報部員でもないのに友人にこういう謀略を仕掛けるのはじつに悪魔の所業なのである。
葬式云々はわざとらしいいやがらせであろう。不吉なイメージのことばを唐突に出す出し方はうまい。最後の「安倍、小泉、岡崎、CIA」も私を社会的に孤立させる負のイメージで、しかもCIA以外はそれぞれ理由らしきものがあるのはご承知の通りである。いかにも自民党主流派とフジサンケイグループが八木秀次氏を担いでいて、もう西尾には用はないと言っている、と言いたげな内容である。
自民党にも、岡崎にも、CIAにも私は用はないから、どうぞご勝手にと言うだけだが、八木氏をこういう全体的イメージで自らがあるいは周囲が持ち上げようとし、種子島会長が彼のその戦略にまんまと嵌まってしまったことが今の問題でもあるのだ。
理事会のメンバーが「今や全員八木派にならざるを得なくなった」はマッカな嘘であることは翌日にもすぐばれた。ここに述べられたことで真実は、八木氏が日枝氏の名前を自分から言い出したただその一行だけである、と複数の出席者から証言を得た。それは次のような情景だったらしい(会話は推定)。
種子島 八木氏をフジサンケイグループが支持している。
勝岡 そこにフジTVが入っているのですか。
田久保 誰が支持した、と確認しているのですか。
つねづね産経は第一に「つくる会」の人事に無関心であり、
第二に教科書という大目標だけを支持持する。
特定の人を支持するというはずがない。おかしいのでは?
種子島 産経はたしかに人事介入はしないと言った。
八木 (色をなして)フジの日枝さんが「あなたを支持する」と私に言った。
このとき会場は静まり返ったのではなく、みんな鼻白んで呆れて言葉が出なかったというのが正しいらしい。
私はよほど日枝氏に「八木さんからこんなことを言われていますよ、大丈夫ですか」と電話で聴いてみようかと思ったが、「そんなこと私は言うはずないよ。人事の件で言ったんじゃないよ」とすぐにたしなめられてしまいそうで、迷惑もかかり、失礼なので止めた。
いったい何ということであろう。八木という人物は何を考えて生きているのであろう。
田久保氏はいつも正々堂々としていて立派である。「怪文書2」の件で電話で全文根拠なきことの説明を受け、私は心から安心した。いったん電話を切ってから田久保氏はさっき言い忘れたともう一回掛けて来られた。大切な一語なので書き記すことを両氏にお許しいたゞく。
「福地さんの名誉のために言っておくけど、何ヶ月か前電車で一緒に帰るとき、『自分は恩師の伊藤先生よりも今は西尾先生の方を信じます』と言っていましたよ。」
怪文書の分断工作の直後だっただけに、田久保氏のこの内輪の話は私に深い安堵を与えた。私はずっと前から福地氏を信頼し、何かと話し合う機会が多かったが、心ない怪文書で不必要に苦しまなければならない処だった。私は人を信じるということがいかに大切か、そして今でもそれが可能であることをあらためて知ってうれしかった。
田久保氏の誠実さ、福地氏の剛毅さ、高池氏の智謀――この三つはいまだ「つくる会」に望みを託せる人間の存在を告げ知らせてくれる。何らかのことで三氏が会を去れば、この会は本当に終焉を迎える。
それにしても、つくる会の会長のポストは人生に損害を与えることの多い危険な仕事なのに、いつそんなにおいしいポストになったのであろうか。これは不思議でならない。
藤岡氏と八木氏以外に有力な名前が理事に並んでいるのに会長になろうとする人がいない。藤岡氏も自ら会長に向いていないことをむしろよく知っている。それで他にいないので今の事態を迎えている。なりたいというその人の動機が「稚気」でなければよいがというのが本当に私だけでなく、多くの関係者の抱いている心からの憂慮であり、警戒なのである。
なにしろこの「怪文書2」もまた紛れもなく、「つくる会」内部の人間関係の微妙さを良く知った人の、奸智に長けた文書であって、こんなものまで「八木サイド」から投げこまれたことはまことに人間不信の底をつく、教育者の団体ではあってはならない呆れ返った事実なのである。
Posted by Nishio at 2006年04月13日 18:06 | コメント (6) | トラックバック (0) | Clip!!
この記事に対するコメント
しかし面白すぎますねぇ。先生に推理小説が書けるとは思いませんでした。
当初「怪メール事件」をはじめたときは、西尾先生らしくないとか、著書に集中せよとか、匿名諸氏のありがたい忠告がありましたが、みなさんこの一件にかたずを飲んで見守っているにちがいない。アクセスが相当増えていることは確実ですね。私も日に2度、3度RSSで更新をチェックしている始末ですから。西尾ブログ始まって以来、あるいは総選挙のときに続いて、うけたネタであることは間違いないですね。
Posted by: 松田 at 2006年04月13日 20:29
(以下 略)
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