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フランス革命の国の民と伊丹万作の予言
2006-04-13
「長年のゼロ金利政策によって国民のなけなしの財産を奪い続け、それも飽き足らずに日本政府は米軍基地費用に莫大な税金を差し出す。小泉政権がアメリカの言いなりのデタラメ政治を続けていても、トリノ五輪だのWBCだのとスポーツや享楽に浮かれているこの国と国民…フランスでのゼネスト突入でも見ての通り、欧米では悪法や悪政に対して国民が敢然と立ち上がり、抗議デモを繰り広げる。しかし、この国ではこれだけの暴政悪政が10年も続いているというのに、国民はおとなしい羊の群れのように国に従順に従っているだけだ」(Today's Gendai メール2006年3月28日)。
伊丹万作は、すでに敗戦直後の1946年、死の数ヶ月前に現在の私たちを予言していました。
仏シラク大統領とドビルパン首相のCPE(「初期雇用契約」)撤回声明を受けて、反対行動を続けてきた労組、学生・高校生らの組織十二団体は、10日「本当の勝利だ」として三カ月近くにわたる運動への確信を表明しました。当初七割以上がCPEに賛成していたといわれる世論を三カ月の反対運動で大きく動かし、ついに一度成立した法案を撤回させたのです。さすがフランス大革命を経験した国の民だと思わざるを得ません。
伊丹万作(愛媛県松山市出身の映画監督・シナリオライター/映画監督伊丹十三の父)は、昭和(裕仁)天皇がいわゆる「人間宣言」をしたあと、全国各地を巡幸したことを受けて次のような文章を発表しました(「静臥饒舌録」=『伊丹万作全集1』筑摩書房―以下、板垣恭介『明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか』大月書店からの孫引き)。
「この行幸が、もし外国のできごとだったら、恐らく『夫を返せ!』『せがれを返せ!』の悲痛な叫びが陛下の行く先々で待ち受けていて、行幸は万歳声裡に和気あいあいとは終了しなかったことと思われる」。
伊丹の冷徹なまなざしは、天皇制を支えている日本人そのものにも向けられています。
「多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。おれがだましたのだといった人間はまだ一人もいない。民間のものは軍や官にだまされたと思っているが、軍や官の中へはいれば、みな上の方をさして、上からだまされたというだろう。上のほうへ行けば、さらにもっと上のほうからだまされたというにきまっている。・・・
だまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも雑作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己のいっさいをゆだねるようになってしまった国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。
『だまされていた』という一語の持つ便利な効果におぼれて、いっさいの責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度をみるとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。
『だまされていた』といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである」(『映画春秋』1946年8月号)。
小泉「劇場型粉飾政治」にいとも簡単にだまされる60年後の日本国民を予言しているかのようです。
2005年9月19日、憲法改定や自衛隊の海外派兵に慎重だった自民党の有力政治家後藤田正晴氏が亡くなった。
軍事同盟の安保条約を友好条約に切り替えるべきだと主張していた後藤田氏は、亡くなるちょっと前に「このままじゃ日本は地獄に落ちるよ。落ちたところで目を覚ますのかもしれないが、それではあまりに寂しい」と語っていたという(板垣恭介『前掲書』)。
自民党政治には世界の他の資本主義国にも類例のない三つの異常な特質があります。
――過去の侵略戦争を正当化する異常。
――アメリカいいなり政治の異常。
――極端な大企業中心主義の異常。
これらの異常な特質は、うそとごまかしで延命できたとしても国民との矛盾、世界の流れとの矛盾を深くするばかりです。
日本国民がうそとごまかしに、いつ気づくことができるか。――三つの異常なゆがみそのものに根本からメスをいれ、それをただす改革をすすめる以外に日本国民が陥っているゆきづまりを打開する道がないことだけは客観的真実です。
http://blog.goo.ne.jp/e-hori/e/5a60e351cc5f7f3eccf9409b07d78571
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