★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK20 > 110.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□民主党 元凶は小泉首相との改革競争にあり/金子勝 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1749189/detail
民主党 元凶は小泉首相との改革競争にあり
民主党は「堀江メール」問題で混迷を極めている。マスコミも含めて、メールの真偽が最大の焦点になっている。
しかし、それがコトの本質なのだろうか。最大の問題は、なぜ民主党がこういう事態にはまり込んでしまったのかにある。問題の根源は、前原民主党が小泉政権と「路線的」な違いを示せないことにある。そのために、安易にスキャンダル暴露に流れてしまったのだ。
思い起こせば、前原代表は昨年秋、小泉首相との「改革競争」を掲げて代表に就任した。要するに、小泉改革を小泉首相以上に進めようというスローガンだった。しかし、これでは国会で多数を占め、権力を握っている自民党に勝てるはずがない。
そこで突然、前原民主党執行部は、小泉改革の陰に焦点を当てようと「格差拡大」を問題視するようになった。しかし、それも民主党は本気ではなかった。
小泉政権は格差拡大を助長する法案をいくつも出したのに、民主党はアピールできる対案を出せなかった。例えば、介護保険法の改正、障害者自立支援法、生活保護費の補助金削減……。年金改革もほったらかしだ。本気で格差是正を政策理念に掲げて小泉政権と戦うなら、ここでこそ「改革競争」をするべきだった。
だが、前原代表は小泉首相以上に小泉首相的なので、結局、格差を是正する政策ビジョンを出せないままだ。それで、スキャンダル暴露に走らざるを得なかったのだろう。もし、政治理念、政策、路線で小泉政治を押し返していれば、真偽が曖昧な「堀江メール」に飛びつく必要もなかったからである。おかげで、耐震偽装やBSEなど、本質的に議論すべき問題もほとんどすっ飛んでしまった。前原民主党執行部の罪は重い。
さらに深刻な問題がある。多少の歴史の知識のある読者なら、戦前の2大政党の運命を思い起こすに違いない。社会が閉塞するなかで、「政友会」と「民政党」の政策的な違いがなくなり、スキャンダル暴露合戦に終始した。その結果、国民の政党不信が強まり、政党の存立根拠そのものが消失して、大政翼賛会を生んでしまった。憲法「改正」問題も控えている。今の日本が軍部独裁になるというわけではないが、政党政治が実質的に死んでしまう危険性は十分にある。
民主党は憲政の常道に帰って、全力を挙げて政策理念を根本から見直すことだ。さもないと、歴史に汚名を残すことになるだろう。果たして、前原代表にそれができるだろうか。【金子勝】
【2006年2月28日掲載】
2006年03月03日10時00分
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK20掲示板