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筆洗 (2006/4/8)
六十三歳の小沢一郎民主党新代表を、“老武者”呼ばわりするのは、高齢化時代に気が引けるが、偽メール事件で引責辞任した前原誠司前代表より二十歳も年上で、かつて自民党幹事長時代、総裁候補に目された“若武者”ぶりを知る身には、テレビに映る生え際の薄さは隔世の感だ▼今回、偽メール事件で質問に立った前原前代表以下の若手議員の経験不足が結党以来の危機を招いた。そこへ国対委員長の後任に担ぎ出された渡部恒三前衆院副議長(73)の老練さが見直され、小沢氏と、菅直人元代表(59)との一騎打ちとなったわけだ。これが九月の自民後継総裁選びに波及して、福田康夫元官房長官(69)の支持率まで急伸させるのだから面白い▼自社二大政党時代には、自民党が勝ちすぎた選挙の次に、社会党が票を伸ばすと「左バネが働いた」と言った。今回の「老人力」再評価は、さしずめ「老いバネが働いた」というべきか。なんだか、羽根つきのようだが▼源平の合戦で、木曽義仲軍は、北陸の倶利伽羅峠(くりからとうげ)に夜営する平維盛(これもり)軍を、牛の角に松明(たいまつ)をつける奇襲で破るが、敗走する平家軍の中でただ一騎踏みとどまって、壮烈な討ち死にを遂げた大将がいた▼首実検で、この武者が斎藤別当実盛(さいとうべっとうさねもり)であることがわかる。実盛は昔、幼い義仲が殺されるところを木曽へ逃がしてくれた恩人。侮られまいと白髪を黒く染めての出陣だった▼芭蕉は『奥の細道』で<むざんやな甲(かぶと)の下のきりぎりす>と実盛を詠んだ。民主党は小沢新代表の出陣を、撤退戦にはせぬ挙党一致の覚悟が必要だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/hissen/index.shtml
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