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横田基地「軍軍共用化」容認の瑞穂町長=木村健二(社会部) (毎日新聞)
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投稿者 彗星 日時 2006 年 2 月 24 日 16:24:53: HZN1pv7x5vK0M
 

横田基地「軍軍共用化」容認の瑞穂町長=木村健二(社会部)

◇情報不足の中、決断は拙速−−負担軽減、好機なのに

 在日米軍再編問題で、東京都瑞穂町の石塚幸右衛門町長が、昨年10月の中間報告に盛り込まれた米軍横田基地(同町など5市1町)の自衛隊の共同使用を受け入れる決断を下した。同町は飛行ルート北側直下に位置するが、自衛隊が移駐しても「大幅な変化はない」との判断からだ。だが、政府からの情報提供が十分とは言い難い段階での容認は拙速ではないか。日米両政府が最終報告の取りまとめを目指す3月にこだわらず、議論を尽くすべきだ。

 中間報告のうち横田基地をめぐるポイントは、(1)航空自衛隊航空総隊司令部(東京都府中市)を移し、在日米軍司令部は共同統合運用調整所を設置(2)軍民共同使用は飛行場の運用上の能力を損なわないことに留意しつつ検討(3)米軍が管制を行っている空域の削減を検討−−の3点だ。石原慎太郎都知事が旗を振る(2)の「軍民共用化」について、瑞穂町は「生活環境の悪化と飛行場の永久化につながる」と強く反対してきた。

 石塚町長が(1)の「軍軍共用化」の容認を表明したのは、今月11日の町議会全員協議会。自衛隊の共同使用に限って認めたのは、これまで反対してきた軍民共用化の動きを封じる一方で、先駆けて中間報告の受け入れを表明することで「優等生ぶり」をアピールし、国からの手厚い地域振興策を期待する思惑がある。

 人口3万3976人(今年1月1日現在)という瑞穂町。町の面積(16・83平方キロ)の約13%に当たる2・1平方キロを横田基地に提供し、04年度は1日平均34・2回の航空機騒音が測定された。基地の存在は街づくりの巨大な阻害要因で、その分を国の財政支援が補ってきた。04年度決算では、基地対策が絡んだ国からの補助金や交付金は計11億1407万円に上り、一般会計全体の歳入額の8・5%を占めていた。

 石塚町長は「基地など防衛施設が所在する自治体が手厚い振興策を要求するのは当然だ」と訴える。自衛隊の共用だけは認める代わりに軍民共用化で譲らず、最大限の振興策を得る現実的な決断だという見方もできなくはない。しかし、判断材料になるべき国からの情報は乏しい。

 防衛施設庁東京防衛施設局(さいたま市)は1月30日、ようやく横田基地周辺の自治体へ不明点の照会に対する回答文書を届けた。それによると、移転する空自司令部などについては「参考」の規模として、現態勢の人員約600人を挙げた。航空機部隊の常駐は想定されていないが、隊員が昨年1年間に各地の基地で航空機を利用した移動回数約400回を例示。また負担軽減策は「今後検討していく」、軍民共用化は「日米間でさらに具体的な検討を進めていく」と答えるにとどまった。

 注意を要するのは共同統合運用調整所の設置で、06年度から日米の共同開発に移るミサイル防衛(MD)システムでの連携が主な目的とされている。キャンプ座間(神奈川県)への米陸軍第1軍団司令部(ワシントン州)の移転、陸上自衛隊の中央即応集団司令部の設置と並び、今回の再編案のなかで日米一体化路線を象徴する構想の一つだ。

 横田基地の共同統合運用調整所について前田哲男・東京国際大教授(軍縮安全保障論)は「日米の『共同司令部』『連合司令部』と言えるが、憲法9条が禁じる集団的自衛権の行使につながりかねないため、ややこしい名称を付けざるを得ない」と指摘。それだけ重大な問題をはらむにもかかわらず、同施設局の回答文書は「具体的な組織、人員などについては、今後日米間の調整を加速化していく考え」と記すのみだ。

 中間報告から3カ月余を経ても内容的な上積みはほとんどなく、瑞穂町以外の5市は慎重な姿勢を崩していない。飛行ルート南側直下にある昭島市の北川穣一市長は「さらに国へ情報提供を求めながら、最終報告を待って判断すべきだ」と話す。福生市では東京防衛施設局の回答などを広報に載せて市民から意見を募っている。

 今回の米軍再編協議に当たって、日本政府は「抑止力の維持」と「基地負担の軽減」という二つの方針を掲げてきた。沖縄県はもちろん、その他の基地周辺の自治体でも可能な限り負担軽減を優先して軍縮の道を探るべきではないか。

 横田基地の場合、70年代に関東平野にある米軍施設を同基地に整理統合した「関東計画」以来の大掛かりな再編になる。米側に負担軽減を迫る数十年に一度の好機ととらえ、その先にある基地の全面返還という理想の追求もあきらめてはならない。

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 ご意見、ご感想は〒100−8051 毎日新聞「記者の目」係へ。メールアドレスkishanome@mbx.mainichi.co.jp

毎日新聞 2006年2月24日 東京朝刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/kishanome/news/20060224ddm004070032000c.html

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