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今朝(14日)のラジオ第一のビジネス展望で、経済評論家の内橋克人さんが、「ライブドア事件は何を問うているか」と題して話されていた。
テープ起こしして、文語調(一部箇条書き風)に直したものを下に紹介する。
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「ライブドア事件は何を問うているか」(内橋克人氏)
●ケタ外れのマネー獲得を目の当たりにして改めて格差論争に火がついた。
●事件の背景にあるのは、
@ 世界を駆け巡る、ITと結合した壮大なマネーの存在。
今や地球上を駆け巡るマネーは300兆ドルを超えると言われる。
これは一般のお金とは異なる。
地球上に存在するすべての国のGDP合計の10倍に達する、という壮大なマネーが、自らを増殖させるために国境を越えて動き回っている。
A そのマネーの自己増殖の運動を自由にしようとするグローバル化(世界市場化)(今これが正義の如く言われているが)という動き。
B こうしたマネーを自由に運動させることが一番よいのだと考える新自由主義の流れ。
したがって、単に堀江容疑者らを拝金主義(金銭を尊ぶ主義、最高のものだとする主義)として糾弾するだけでは、第二、第三のライブドアが生まれるのは避けられない。
また、堀江被告らを旧体制への挑戦者、破壊者、そしてヒーローと見る風潮もあるが、それは事実と異なる。
現実には、旧体制と手を組もうとした、あるいはまた権力のお墨付きを得ようとしたわけである。
彼らが破壊の対象としたのは、むしろ市場の節度だ。
もう一つ、社会に生きる人々と価値を共有しようとしたことがあるか、こういう点を今こそ冷静に見極める必要がある。
その後の推移を見ていて、いっそう、世界的なマネーの奔流の凄まじさ、その流れの中でライブドア事件を考える必要があるということを痛感している。
●(アナウンサー:この間、いろんな捉え方がメディアの中で語られた。
法制度から倫理、あるいは社会のシステム、と様々。)
ライブドアショックの受け止め方には大きく分けて三つの流れがあると思うが、その受け止め方によってそれぞれの人々の日頃の考え方が浮き彫りになるのではないかと思う。
流れ@:
今回の事件は、構造改革、規制緩和とは関係ない。
改革をさらに進める中で改善していくべきだと強調する意見。
経済界、投資顧問をしている人、アメリカの大学で学位を取得した人に大変多いのが特徴。
流れA:
これから健全な資本主義市場経済・・・
略(ローカルな臨時ニュースが入ったため、聞くことができなかった。よりによってこんな重要な時に・・・。もし聞いていた人があればここの内容を是非教えていただきたい)
・・・が多い。
中には、民主主義とはこういうものだ、という見当違いの意見まで書いた人がいる。
流れB:
しかしながら、こうした意見に対して、企業法制、商法、証券取引法などの専門家・研究者、例えば大野正道筑波大学教授、あるいは上村達男早稲田大学あるいは大学院教授が、具体的に規制緩和との関連を指摘している。
とりわけ大野教授は、明快に、会社法の規制緩和が誘因となって、株式市場を通したマネーゲームを煽る結果になった、と指摘。
私も、規制と規制緩和、この組み換え、時代に合わなくなった規制は撤廃する、しかし規制をすべて廃止してしまう、排除してしまうという考えではこうした現象は起こる、ということを考える。
が同時に、アメリカでは何でも自由だという思い込みがあると思う。
これに対して上村教授は、アメリカの各州で、反テイクオーバー(反TOB)、つまりTOBを規制する立法が実はきちんと採用されている、そういう厳しい規制が存在している、ということを指摘している。
以上三つの意見がなされたと思う。
●(アナウンサー:・・・投資事業組合の存在は随分大きな問題であるような感じも受けるのだが?)
おっしゃるとおり。
投資事業組合を仲介としたところに問題の核心があると思う。
そもそも投資事業組合は三種類あるが、
ライブドアが頻繁に駆使したのは、民法上の任意組合。
これは
@ 誰でも自由に作れる。
A 所在地を定める必要がない。
B 登記、届け出の義務がない。
C 財務内容、あるいは誰が出資しているのか、出資者の名前を公表する必要がない。
というもので、言ってみればペーパーカンパニーと同じ。
匿名での投資を望む富裕層から資金を集めやすいという理由で認められている。
ライブドアは、一つの企業を買収するのに、時には三つ以上の投資事業組合を使ったりしている。
出版社のマネーライフの買収の時がそう。
出資金のほとんどを特定のグループが出す。
まさに意のままに投資事業組合を利用している。
間に投資事業組合を入れて、さらに自らが新株を発行して、相手企業の株式と交換して、お金に換えていくと、こういうやり方である。
こうしたあり方に対して疑問を呈すると、景気に水をさす、あるいはこういうあり方はベンチャー企業の育成に欠かせない、と反論してくる論者が未だに多く存在する。
情報開示を嫌う投資家から資金が集まらなくなる、という意見である。
逆にこうした意見こそ、健全な市場の発展に対して水をさす言説と言わざるを得ない。
これまでも投資事業組合が脱法行為あるいは脱税行為の温床になっているという指摘がかなりたくさんあった。
ライブドア事件では、これからこうした点が究明の対象になっていくのではないだろうか。
●(アナウンサー:改めて今問われていることは何か?)
構造改革ということがさかんに言われるが、根源的な構造問題を解決しなければならないと思う。
実は構造改革そのものが新たな構造問題を生んでいる。
今や、働いても働いても所得が生活保護を受けている世帯の給付水準に及ばないという、新たな「働く貧困層」が大量に排出されている。
そういう中で、格差ある社会は活力ある社会だ、そういうふうに一国の政府が唱導していいものかどうか、そういうことが問われているのではないか。
格差の現実をきちんと見極める、そういう必要があるのではないか。
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ビジネス展望は、月〜金毎朝6:43〜6:55に、NHKのラジオ第一で放送されています。
内橋克人さんは、毎週火曜日に出演されています。
この番組では、金子勝さんも時々出演されています。よろしければ是非皆さんも聞いてみてください。
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http://ameblo.jp/warm-heart/theme-10001667970.html
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