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2月10日(金)
紀子さんの妊娠と女性・女系天皇の問題をめぐって
またまた、更新の間隔があいてしまいました。サボったというわけではありません。
この一週間が忙しかったからです。HPを書いている時間がなく、無理して書く気にもなれませんでした。
楽しみにしていた皆さんには「空振り」させることになり、申し訳ありません。ただ、『日本労働年鑑』の原稿集めと編集作業に追われる私にとって、これから一年で一番忙しい「繁忙期」に入ります。これからも、予告なしに更新が滞ることがあるということをお断りしておきます。
この間に生じた大きな事件としては、紀子さんの妊娠がありました。子どもができるということは、誰にとっても喜ばしくめでたいことです。
しかし、このような「私事」が、公的制度のあり方や政治の動きに影響するという点が問題でしょう。「雅子さんの立場が悪くなったり、よけいなプレッシャーがかかったりしてストレスを感じなければよいが」とも思いました。
これで皇室典範の改正問題が先送りされることになりました。対応に苦慮していた小泉首相にとっては、「これ幸い」というところでしょう。
それにしても、皇室は何と不自由なところなのでしょうか。子供を作らない自由はありません。紀子さんにしても、「女の子がいい」などと口が裂けても言えないでしょう。
「男子を産む」ことが義務づけられているような妊娠や出産が、本人にとって本当に喜ばしいものなのでしょうか。このようなプレッシャーの中で、もしまた女子が産まれたら、紀子さんは心から喜べるのでしょうか。生まれてきた子どもは、何のわだかまりもなく祝福されるのでしょうか。
公的制度の維持が生身の人間に依存しているという点に、君主制の根本的な問題があります。このような非人間的な制度は、早くなくすべきでしょう。
女性・女系天皇の是非をめぐる議論は先送りされましたが、もし、女子誕生となれば、また同様の議論が繰り返されるにちがいありません。「どう考えたらよいのか」という問いは、依然として残ります。
「天皇制は早くなくなったほうがよい」と考えている私としては、一般の発想とは逆に、「制度として安定的に維持できない」方を支持します。つまり、現状維持ということになりましょうか。
「女性・女系天皇を認めることは、ジェンダーの観点から望ましい」という意見がありますが、“天皇制を維持するために女性を利用する”ということであって、性の平等やジェンダー的観点とは無関係です。それに、これまで比較的自由だった女性皇族を、不自由な境遇に仲間入りさせるということにもなりますし……。
皇室典範改正問題の主眼は、あくまでも「天皇制を安定的に維持するためにどちらが好都合か」ということです。「形だけでも維持されればよい」と考える人は女性・女系天皇を支持し、「それでは実質が失われてしまう」と考える人が、それに反対しています。
「制度そのものに賛成ではない」私としては判断に迷うところですが、先述のように、さし当たり制度の維持が難しい方を支持します。どちらにしても、このような制度の下に置かれ、それを担うことを運命づけられている人々はお気の毒だと言わざるを得ません。
女性・女系天皇が良しとされる場合、その当事者として想定されているのはまだ幼い愛子さんです。彼女の意向も確かめずに、勝手にその人生を決めてしまっても良いのでしょうか。
同じようなことは、これから生まれてくる紀子さんのお子さんについても言えるでしょう。「男子が産まれれば皇位継承順位第3位」なのだそうですが、当人の意向とは無関係に「皇位継承」などと言って良いのでしょうか。
産まれてくる子供が男子であれば、その人の人生は自動的に決まってしまうということになります。全ての個人が人間として尊重されるべき21世紀の世において、このような制度の存在は許されるものなのでしょうか。
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