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沖縄返還密約:当時の外務省幹部が認める
「沖縄返還密約あった」
400万ドル肩代わり 外務省元局長証言
1971年に調印された沖縄返還協定をめぐり、本来米国が払うべき土地の原状回復補償費を日本側が極秘に肩代わりしたと指摘されていた問題で、吉野文六・元外務省アメリカ局(現北米局)局長(87)が9日、毎日新聞の取材に「返還時に米国に払った総額3億2000万ドルの中に含まれていた」と日本側の肩代わりを認めた。沖縄返還の密約については、その存在を明記した米公文書が発見されているが、日本政府は一貫して否定しており、政府関係者が存在を認めたのは初めて。
吉野氏は現在横浜市在住で、本来米国が支払うべき土地の原状回復補償費400万ドル(当時のレートで約12億円)を日本が肩代わりすることになった理由について「当時、ベトナム戦争の影響で、米経済が悪化する一方、日本は戦争特需だった。日本から金を出さないと米議会が納得しない状況だった」などと説明。また密約に関して「米国がもう発表したから、日本政府は隠す理由がない」と語った。
原状回復補償費は、米軍が接収していた沖縄県民の土地を元の田畑などに戻すための費用で、沖縄返還協定は第4条で米国が自発的に払うと規定。第7条で、沖縄にあるとされた核兵器の撤去や、米国資産の買い取りのため日本が米国に支払う3億2000万ドルには含まないことになっていた。
しかし71年5、6月に当時毎日新聞政治部の西山太吉記者(74)が密約の存在を前提としたやりとりを含む外務省の極秘電文3通を入手。電文などをもとに「3億2000万ドルの中に400万ドルが含まれている」とし、一部を報道した。しかし、政府は密約の存在を否定。西山記者と、電文を渡した同省女性事務官が国家公務員法違反容疑で逮捕、起訴され、いずれも有罪が確定した。その後も政府は「外務省密約事件」と呼ばれる同問題で密約の存在を一貫して否定していた。
02年6月には、日本側の肩代わりを「日米間の密約」と明記した米政府の文書が米国立公文書館で見つかった。密約の存在が改めて裏付けられたが、当時の福田康夫官房長官は「原状回復の費用を日本側が負担するという密約は一切ない」と述べた。西山氏は昨年4月、「密約を否定した当時の判決は誤りで不当な起訴で名誉を棄損された」として約3400万円の国家賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
▽ことば(外務省密約事件) 沖縄返還交渉で日米間に米側が負担すべき400万ドルを日本側が肩代わりする密約があり、毎日新聞政治部の西山太吉記者が71年5、6月、これを前提としたやり取りを含む極秘電信文3通を入手、一部を報道した。電信文コピーを受け取った社会党(当時)の横路孝弘議員が72年3月の衆院予算委員会で政府を追及した。
外務省がコピーの流出ルートを調査し、同省女性事務官が親しい関係にあった西山記者に渡していたことが分かった。警視庁は同年4月、西山記者と事務官を国家公務員法違反容疑で逮捕し、東京地検が起訴した。
東京地裁は74年1月、元事務官を有罪(控訴せず確定)とし、西山被告は「取材行為は正当」と無罪を言い渡した。西山被告について東京高裁は76年7月、1審判決を破棄し、「被告の行為はそそのかしにあたる」と懲役4月、執行猶予1年の有罪判決。最高裁は78年6月、「正当な取材活動の範囲を逸脱している」と上告を棄却し、西山元記者の有罪が確定した。
▽元毎日新聞政治部記者の西山太吉さんの話 沖縄返還問題は、思いやり予算など日米安保の変質の原点として位置づけられる今日的な問題だ。吉野文六氏は沖縄返還交渉の実務に携わった最終責任者。沖縄返還から30年以上が経った今、これ以上の権威あるコメントを残せる人はいない。当時の米側の圧力が強かったことも裏付けられた。政府は、密約の存在で沖縄返還協定が虚偽表示になるので、これまで否定してきた。吉野氏の証言を受けて100%認定された事実を否定するのであれば、具体的な説明をする責任がある。
◇改めて密約否定 安倍官房長官
沖縄返還交渉で、本来米国側が支払うことになっていた返還される土地の原状回復補償費400万ドルを日本側が肩代わりした問題で、当時の外務省局長が密約の存在を認めたことについて、安倍晋三官房長官は9日の記者会見で「全くそうした密約はなかったと報告を受けている」と述べ、政府として改めて密約を否定した。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060210k0000m010101000c.html
(一部紙面より引用あり)
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