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◇米軍再編、混迷深まる・日米協議、移転費調整に遅れ
在日米軍再編を巡る地元との調整や日米協議が3月の最終報告を前に混迷を深めてきた。額賀福志郎防衛庁長官は9日に政府と地元首長が入る協議会を設置する意向を表明したが、防衛庁内には「見切り発車」もやむなしとの強硬論がのぞく。日米協議は焦点の海兵隊のグアム移転費を巡る調整が遅れており、沖縄の負担軽減策の具体化が進まなければ地元調整の難航に拍車をかけることになりかねない。
地元協議会設置を提案 対話の機運 醸成
普天間基地の移転先である沖縄県名護市の新市長に就任したばかりの島袋吉和氏が9日、首相官邸や自民党本部を訪ねた。島袋氏は移設問題を巡る協議に前向きとあって、安倍晋三官房長官や自民党首脳が相次いで面会に応じる歓待ぶりだった。
同じころ衆院予算委員会では、額賀防衛庁長官が沖縄県選出の西銘恒三郎氏の質問に「一定の方向付けがなされた時点で知事や市町村長が入った協議会をつくりたい」と表明した。島袋氏就任の機をとらえ、話し合いの機運を醸成する狙いを込めた。
ただ移設の早期実現が至上命題の防衛庁にとって「協議会」はもろ刃の剣でもある。1996年の日米特別行動委員会(SACO)の際は、工法に関する代替施設協議会や振興策をまとめた北部振興協議会など地元協議会を相次いで設置して地元の理解を取り付けた。
しかし結果は10年後の現在も着工できないまま。防衛庁首脳は「代替施設協議会は基本計画決定の4年8カ月を費やした。振興策は10年間で約2000億円を投じたにもかかわらず、現在に至った経緯がある」と不満を漏らし、今回は政府の責任で進める構えを隠さない。
一方、日米協議も3月の最終報告に向けて時間との戦いの様相だ。特に今後、議題の中心となる海兵隊のグアム移転費用の取り扱いは「日米協議の一丁目一番地。このメドが立たないければ米側は嘉手納以南の基地返還を具体化しようとしない」(防衛庁幹部)との見方が多い。
米側は移転経費を約80億ドル(約9500億円)とする見積額を提示しているが、防衛庁首脳は「積算根拠がなければ財政当局と話ができない」と指摘。日本国外の米軍施設に資金供与する枠組みなどの議論も深まっていない。
沖縄の負担軽減策の柱である海兵隊削減と嘉手納以南の基地返還は、普天間基地のシュワブ移設問題でこじれた政府と沖縄の関係を修復するカギを握る。その具体化の遅れは沖縄の地元調整の遅れに跳ね返り、防衛庁は強硬策に走らざるを得ない環境に自らを追い込むことになる。
「日本経済新聞」2/10 朝刊
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