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【世に倦む日日】 http://critic2.exblog.jp/
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昨日(2/8)、民主党議員の細川律夫が衆院予算委で事件について質問したが、われわれが望む真相の究明には繋がらず、結果的に警察による捜査の幕引きをオーソライズするセレモニーに終わってしまった。細川律夫は個人的に応援している議員であり、悪口は言いたくないのだけれど、昨日の質問は最悪で、表面的には警察に再捜査と情報公開を促す趣旨の質問だったが、内容的には逆に警察の幕引きを公認するための誘導演出の質問協力的な印象が強かった。赤坂の料亭での国対協議で、政権側からこのシナリオでの「質問」を依頼されたのではないかと疑ってしまう。こういう質問をする場合は、野党の質問者は必ず隠し玉(爆弾情報)を持っていなくてはいけない。世間一般に出回っている情報だけで、官僚を相手に有効に論戦を戦うことは絶対に不可能だ。秘密兵器で一撃して、官僚を狼狽させなくては、狙った獲物は得られない。今回、細川律夫が特に詳しい事前調査をしていた様子はなく、中継で国民を驚かせる新事実の暴露もなく、中途半端な一般論で終始していた。
質問は、行政解剖した監察医の死体検案書の死因記載と沖縄県警の自殺判断の矛盾を衝き、警察の再捜査の言質を引き出そうとするものだったが、追及の弁舌に鋭さがなく、刑事局長の「捜査の判断」で押し切られて、論戦の見せ場を作ることなく質問者が引き下がって終わった。私が質問者なら、予め沖縄県警の捜査担当者と監察医に連絡を入れて、最低限の情報武装はしておく。そして情報を出さないのなら国会で名前を出すぞと言う。昨日の質問では、細川律夫は捜査官と監察医の名前さえ訊こうとしなかった。質疑というのは具体的じゃなきゃいけない。名前・時間・場所の情報を特定した(特定させる)やり取りで攻めなきゃいけない。現場を検証した沖縄県警の捜査官は公務員であり、公務たる捜査は(税金の対価としての)警察行政の一部であり、議員は国民代表の立場で国民の公僕の誰がいつ何をしたかを聞いているのだ。行政は答える義務がある。担当医はボランティアで検死や解剖をしているのではない。法律で定められた警察行政の任務であり、報告義務がある。
捜査の判断で犯罪死と認定しなかったと突っ張るのだから、質問者はまずその判断の中身と正否を具体的に糾す必要がある。左手首を幅5センチ深さ2センチ、頸部左右を幅5センチ深さ2センチ、腹部を幅7センチ深さ11センチの傷がある死体を、犯罪死ではなく自殺だと判断した根拠について問い糾さなければいけない。われわれは何より死体の外傷から見て、それを自殺だとは信じられないのである。監察医も同じだっただろう。質問者が特別な隠し玉(秘密兵器)を持っていないときは、最後は常識と法律が官僚を攻め上げる質問者の武器なのだ。どの傷も「パックリと魚をさばいたような」本格的なものであり、四か所の傷のうちの一か所でも致命傷になる。それは常識でも判断できる。特に腹部の傷は背骨に達して大動脈を切断しており、それを切断すれば一瞬で意識を喪失して絶命するものである。昔の武士の切腹でもそこまでは深く切らない。細川律夫は質問でそう言えばよかった。問答を外傷と死因に集中させ、常識で強く論戦すれば、十分に縄田修を立ち往生させることができた。
縄田修の答弁によれば、沖縄県警の司法警察員と検視調査官が野口英昭の死を犯罪死ではないと判断したのは、死体の状況と現場の状況の二つの「検視」による。だが、死体の状況はわれわれの常識では犯罪死を疑うべき十分すぎる根拠があり、この死体を検視して自殺死体と判断した調査官の判断の方が異常で非常識だ。刑事法務官としての縄田修自身はどう判断するか聞き質すべきだっただろう。私が質問者なら予め法医学の専門家の所見を添えて質問に立つ。次に現場の状況だが、これが警察側の自殺判断の有力な正当化根拠で、繰り返して言われ続けているが、@密室、A内鍵、B争った形跡がない、の三点である。だが、Aの内鍵については重大な疑義がすでに提出されていて、すなわち、これは第一発見者であるカプセルホテル従業員の証言なのだが、マスターキーで開錠して部屋に入った従業員が、果たして内鍵がかかっていたか否かを判断できるのかという疑問がある。マスターキー開錠であれば、内鍵も同時に回しているはずだ。細かい点だが質問すればよかった。
だが、この死体を簡単に自殺と判断してはいけない理由は、この男の身元情報と背景状況による。自殺か否かを捜査官が判断するとき、そこには三つの要件があるはずだ。すなわち、(1)死体の状況、(2)現場の状況、(3)背景の状況の三つの状況である。(2)の現場の状況については、ひとまず自殺でもよかろう。(1)は、自殺と判定するのは常識で考えても無理がある。が、それより何より、(3)の背景の状況こそ、この死体を自殺ではなく他殺ではないかと疑うべき最大の理由であり、事件として判断して捜査すべき重大な要件である。身元が確認されて、この男がライブドア事件の鍵を握る野口英昭だと判明したとき、そのときこそ捜査官は死体を自殺とは判断してはならず、不審死として捜査の着手を手続きしなければならなかったはずだ。背景の状況について(その情報を得たとき)沖縄県警の捜査官はどう判断したのか。それをこそ質問で具体的に聴き質すべきだった。投資事業組合の中枢で闇世界の黒い資金を扱っていた野口英昭は、捜査を妨害する目的で口封じのために殺害された可能性が十分にある。
そう判断するのが妥当で常識的な捜査判断である。(3)の背景状況に(1)の死体状況を加味すれば、総合的に勘案して、「自殺」の判断が導き出されるはずがない。現場の捜査官の判断は間違っている。立ち会った司法警察員と検視調査官の氏名、当日の那覇署の検視報告書を提出させるべきだった。この請求には道理がある。国家公安委員会と警察庁は拒否できない。ついでに、縄田修は昨日の答弁で、現場を検視した状況では司法解剖の令状請求をしても裁判所は許可しなかっただろうと言っていたが、これは全く逆ではないか。当人が二日前に始まったライブドア事件の捜査において決定的に重要な役割を持っていた事情聴取予定者であったと判明した以上、事件に巻き込まれた可能性が大いにあり、警察がその死体を司法解剖するのは当然で、裁判所がその請求を却下する理由がない。死体状況もきわめて不自然で、この死体を司法解剖せずに、一体どの死体を司法解剖するのか。司法解剖を定めた刑事訴訟法の128条と168条は、まさにこのような状況に対処するための規定であろう。
細川律夫は弁護士で刑事訴訟法と司法解剖問題のプロである。検索をかけるとそれが分かる。縄田修も内心ヒヤヒヤだっただろう。なぜもっと法律を駆使した鋭敏な質問をしなかったのか。県警の判断も不思議だが、昨日の細川律夫の質問にも疑問が残る。最後に司法解剖に関連してだが、どうしても言っておきたいことがある。担当医による那覇での行政解剖がどの程度のものだったかはよく分からない。胃の内容物はそこで検査されている。遺体はそこから航空機に乗って1/20に東京に着き、目黒の自宅か芝の増上寺に入っているはずだ。火葬したのは1/22のはずである。なぜかと言うと、1/22の日曜日に高級霊柩車が増上寺から出る映像を報道番組で何度も目撃したからだ。あの中には木棺があり、遺体が収められていたのだろう。まだ骨壷には収まっていない。つまり、本当に司法解剖しようとすれば、1/20か1/21に東京で、司法解剖の専門家が多くいる東京で、それを執行することができたのだ。1/20には遺体はまだ焼かれずに東京に存在したのである。マスコミが騒げば、手は打てた可能性はあった。
ところが、その大事な時期の1/19に、テレビ朝日の「Jチャンネル」に出演した大谷昭宏は、焦燥して事件を見守っていたわれわれの前で、あろうことか「警察が自殺と言ってるんだから、これは自殺なんでしょう」と視聴者を説き伏せるような調子で言ってのけたのだ。過失責任は沖縄県警だけでなく大谷昭宏にもある。
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