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2006年02月06日 、正直正太夫の時評
http://blog.goo.ne.jp/nls55h
皇室典範改正について
皇室典範改正でまたしてもコイズミは、改革派対旧守派の図式を作りたいらしい。これもこれまでのコイズミ改革と同じく、看板だけを付け変えて内容を変えないもので、天皇制そのものを見直すことにはならない。それなのに頭のぼけた左翼は、女系天皇は男女平等だとか天皇制廃止の一歩だとか言っている。これは斎藤美奈子が「婦人公論」に書いていたことだが、皇室典範を改正しなければ、天皇は今の皇太子で終わって自動的に天皇制は終わるはずだ。
今の天皇制は日本国内だけで完結しているものではなく、アメリカとの談合によって規定されているものだ。これはべつに皇室がアメリカの支配下にあるというわけではなく、戦後の象徴天皇制で天皇が国民の象徴である役割を演ずることによって、日本国民に自己愛的な自己同一性を持たせることができ、それが日本とアメリカの同盟関係に役立つということである。日本国民は天皇制を持つユニークな国民だと、アメリカが認めてくれれば、日本国民は自己満足してアメリカに従属するようになる。日本国民に自己満足を起こさせる天皇制をアメリカと日本は利用しているのである。この天皇制を含む日本文化ーたとえばオタク文化、自動車、自衛隊などーをアメリカが評価してやるという戦略は、日米同盟の深化により最近とみに行われるようになった。
こんどの皇室典範改正は、日本文化だけ評価してもらえれば日本国民を自己満足させられるので、皇室について重視しなくなったことのせいかもしれない。そしてアメリカ又は日本の急進的な支配層は、天皇の存在感を減少させ日本国民の天皇崇拝をアメリカ崇拝へと変えようとしてるのかもしれない。天皇崇拝もアメリカ崇拝も天皇制的心情ではないか。形容矛盾だがいわば天皇抜きの天皇制を奴らは考えているのだ。天皇などいなくてもアメリカは日本の文化や工業製品や軍隊をこんなにも受け入れていますよ、と喧伝すれば自尊心をくすぐられた日本国民はアメリカに従ってゆく。したがって宮台真司や島田雅彦のように天皇崇拝を復活させればアメリカやネオリベに対抗できる、という戦略は間違っている。
王室を残して間接統治するというのは、かって植民地で行われたやり方だ。日本がアメリカの属国から脱するには、天皇制を廃止して日本は天皇制によってもう動かされないことを示し、共和国になるのがその一歩ではないか。政治体制としての天皇制が消えれば、自己満足を起こさせる天皇制も消滅する。天皇崇拝はべつに根深いものではない。東アジアで共和制でない国は日本だけである。
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