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施設庁の官製談合事件
防衛庁 他人のフリ?
「身内」の不祥事 省昇格の材料に
防衛施設庁幹部による官製談合事件で、額賀福志郎防衛庁長官が打ち出した防衛施設庁解体論。建設部による不祥事を理由に施設庁そのものをつぶし、防衛庁に吸収して「省昇格」につなげる思惑がみえる。格下とされる施設庁採用の職員らは「防衛庁に問題はないのか」と防衛庁の“焼け太り”に反発する。防衛庁は施設庁の組織を左右する権限を有しながら、なぜ談合の根を断てなかったのか。 (社会部・半田滋)
▼「治外法権だ」
防衛施設庁は占領軍に基地や物資を供給していた調達庁が前身。一九六二年に防衛庁の外局となり、自衛隊や米軍施設の建設・管理、「思いやり予算」の実施などを担当している。
逮捕された技術審議官の河野孝義容疑者(57)ら三人はいずれも建設部に所属した技官。採用も防衛庁とは異なることから、額賀長官は「人事交流がなく、治外法権だった」と説明する。
だが、防衛施設庁の幹部人事は防衛庁が握っている。長官はもちろん、ナンバー2の次長、建設部長を除く三部長、それに各部の筆頭課長はいずれも防衛庁キャリアが独占。建設部だけ手をつけなかったにすぎない。
例外は昨年八月の人事で起きた。建設部の筆頭課長である建設企画課長に、守屋武昌事務次官の判断で防衛庁キャリアが送り込まれたからだ。
前任の課長だった松田隆繁容疑者(52)は沖縄基地問題担当の施設調査官に就任したが、その際、新たに建設工事担当を受け持ち、建設企画課長を抜きにした官製談合の枠組みが維持された。
▼汚れ役の仕事
見方を変えれば、防衛庁は積極的に人事交流することで談合の温床を根絶やしにできたのに、その機会を逃し続けたことになる。建設部にあえて触れてこなかった理由について防衛庁幹部は「設計図も読めない防衛庁キャリアでは仕事にならないし、技官は事務職には使えない」と、建設部の専門性を挙げる。
だが、建設部の関係者は「汚れ役を押しつける狙いがあったのではないか」と別の見方を示す。「防衛庁にかかわりのある政治家の秘書などから『地元の業者があいさつに行くからよろしく』という話はひんぱんにある」と明かす。一度指名競争入札に参加できる指名業者になってしまえば、「施設庁発注の工事はすべて談合」(建設部関係者)だから、必ず受注の順番が回ってくる仕組みだという。
建設企画課長に防衛庁キャリアが初めて就任したことも、このポストが再就職のあっせん窓口を兼ねていることから、「天下りの主導権を奪うのが狙いではないか」と好意的にはみていない。
▼昨年から準備
防衛庁は官製談合を知らなかったのだろうか。施設庁長官を経験したキャリア幹部は「まったく知らなかった。驚いている」と否定するが、別の元施設庁幹部は実例を挙げながら「知らなかったはずがない」と言う。
奇妙なのは、東京地検特捜部の家宅捜索を受けた鹿島、大成建設などのスーパーゼネコン各社に再就職した施設庁OBはほとんどおらず、「OBのいる企業に工事を発注する」という方程式に当てはまらないことだ。
施設庁発足当時、建設省(現・国土交通省)との間で、スーパーゼネコンは建設省、中堅以下のゼネコンは施設庁と、天下り先をすみ分けたとされる。施設庁側の天下り先は格下でも、その数は圧倒的に多い。
前出の元施設庁幹部は「OBがいる中堅ゼネコンと組んだ共同企業体に仕事が回るように、スーパーゼネコンも官製談合に巻き込んだ」と解説する。そして、その背景には天下りだけではなく「別の『力学』も働いていた」と問題の根深さをほのめかした。
額賀長官が主張する施設庁解体論は、実は防衛庁が「省昇格」の目玉にしようと昨年から準備を進めていたことを、浮上させたにすぎない。官製談合の再発防止策と言うが狙いはあくまで「防衛省」とすることにある。
だが事件の影響で、すぐに実現するのは困難。そこで、来年の通常国会で施設庁解体と省昇格を同時に目指す−。防衛庁中枢でひそかに流れている“焼け太り”のシナリオだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060205/mng_____kakushin000.shtml
(一部紙面より引用)
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