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2月4日―メディアを創る
墓場まで持っていく秘密などあるものか
私が大嫌いな言葉に、「墓場まで持っていく秘密」という言葉がある。最後まで真実を明らかにしないという決意を示す言葉だ。それが私的な秘密であれば勝手である。しかし政治家の嘘や公共の利益に反するメディアの自制であれば許されない。秘密を隠し続けて偉そうにするな。
2月3日の毎日新聞「記者の目」で岸井成格という政治記者がロッキード事件の思い出を書いていた。当時の取材活動を懐かしく振り返りながら、その後の政治記者としての醍醐味を自慢げに語っている。
彼は書いている、「・・・『権力とは何か』を問い続ける立場では、権力闘争、国会対策、派閥、族議員、『黒幕』と『政商』、捜査と政局、内閣総辞職と解散・総選挙、国会の証人喚問と参考人招致、メディアの立場―最近起きている多くの事例を解くカギがロッキード事件にすべてそろっている・・・」
私がここで言いたいのはそんな政治記者の自己満足、自画自賛ではない。次のようなオフレコ話を書いた部分である。
「三木おろし」の中で解散権を封じられたまま、任期満了選挙の敗北で退陣した三木首相に岸井は退陣直後に呼ばれたという。その時の会話を書いている。ロッキード事件の取材で最も心残りは何かと三木首相に聞かれた岸井は「児玉ルートと次期対潜哨戒機導入問題が、手つかずのまま疑惑が残った事です」と答えた(註;ロッキード事件ではロ社―丸紅―全日空「トライスタ」売り込みルートは解明されたが、疑惑の核心である児玉ルートの21億円と軍用機である次期対潜哨戒機導入問題は解明されないまま終わった)。
これに対し三木首相は「そこです。これは大変なことです。国の安全保障の根幹を揺るがしかねない問題です」と答える。
「今頃言われても困ります。なぜ首相として解明するよう指示されなかったのですか」とたずねる岸井に、三木首相は答える。
「結論から言えば、行政や捜査には限界があったということです。ここから先は国会とマスコミの仕事ではないですか」
長々と書いてきたが、私が注目するのは次のくだりである。岸井は当時を振り返ってこう書いている。
「・・・しかし、その壁はとてつもなく厚く、高かった。法務・検察首脳の一人は『(日米の)首脳会談の中身まで捜査せよ、ということですか』と苦笑まじりに答えるのみだった。ニクソン米大統領(当時)は、経営難のロッキード社テコ入れの為、米中央情報局(CIA)まで動員して、世界規模のわいろ商法を展開させた疑いが強い。毎日取材班は、こうした壮大な構図を描いていた。そこへたどり着けなかった悔しさが残る」
私はこの岸井の言葉を額面どおりに受け取らない。苦笑まじりに答えた検察首脳も、それを追及しなかった岸井も、知っていながら喋らなかった、書かなかったのではないのか。権力者と対決する覚悟がなかったのではないのか。残る悔しさは、真実を突き止める事が出来なかったのではなく、真実に迫ろうとする度胸がなかっただけなのではないのか。国家権力の悪に完全と立ち向かうジャーナリストとしての自己犠牲の心がなかったことへの反省ではないのか。
私が何故こんな事を書くかというと、岸井を初めとした今日の政治記者が、あまりにも小泉政権の不正義を知っていながら許しているからである。政治記者の立場を悪用しているからである。「墓場まで持っていく秘密」などあろうはずがない。権力者の不正を国民に知らせる努力をするからこそ政治記者である。だから我々は彼らの傲慢を許しているのだ。彼らに権力を与えているのである。国がひっくり返ること真実などありはしない。よしんば国がひっくり返っても国民は何の痛痒も感じない。政治記者は格好をつけることなく粛々と真実を発掘して報道する事だ。それが出来ないのなら自らの取材能力のなさを認めるべきだ。権力と対峙できない勇気のなさを恥じるべきだ。
米国産ジャガイモの輸入解禁に見る政治的配慮
殆ど注目されていないが私は見逃さなかった。2日の毎日新聞は農林水産省が米国産ポテトチップス用ジャガイモの輸入を解禁した事を報じていた。その記事によると米国ではジャガイモシストセンチュウという害虫が発生し、だからこそ農水省は米国産ジャガイモの輸入をこれまで禁止してきたのだ。それにもかかわらずその害虫の駆除についてのなんらの説明もないままに@病害虫の発生のない州からの輸入に限定A輸入者は港に隣接した工場に直接搬入して加工するB輸入期間国産ジャガイモの端境期である2−6月に限るという条件で輸入を認めるという。
こんないい加減な行政裁量が許されていいのだろうか。何がその背景にあったのか。
私は豪州の日本大使館とレバノンの日本大使館でりんごとオレンジの輸入を農水省から取り付けようと苦労した事がある。いずれも害虫の駆除について気の遠くなるほどの検査を義務づけている。豪州の場合は外交問題になるほど馬鹿げた交渉の末やっと輸入が認められた。レバノンの場合は初めから相手にされなかった。
米国の場合、政治的配慮に終始していることBSE問題を見るまでもなく明らかだ。表向けには国内果実や野菜に害虫がつかない為だと言っているが本音は国内産業の保護さえ確保されれば消費者の保護は二の次だ。
こんどのジャガイモ輸入再開の条件を見ると一目瞭然である。輸入用のポテトチップスは加工用に限りしかも国産ジャガイモの端境期だけ輸入を認めるので国産ジャガイモに影響はないとわざわざ石原農水次官が2日の定例記者会見で強調している。その一方で病害虫の危険防止については、発生していない州からの輸入だから大丈夫であるとか、港から工場まで直接搬入するから大丈夫だとか、およそ考えられないようないい加減な条件でこれを許可している。
こんな行政裁量があるだろうか。BSEの輸入禁止に対する政治的配慮であるとしたら語るに落ちる話である。
皇室典範改正と郵政改革
私は皇室が女系になってもいいと思っている。というよりも皇室典範の改正などどうでもいいのだ。我々の生活に影響はない。もっと重要な事は今の日本には山ほどある。暮らしの安全と豊かさへの回復がどれほど必要であるか。嘘と不正に満ち溢れた今の日本を正す事にこの国の指導者は全力を傾けるべきだと思うからだ。
小泉首相は皇室典範の今国会提出にこだわっているようだ。女系天皇制の持つ複雑な意味はまったく理解せず、圧倒的多数の国民世論が男女平等を支持しているからというただそれだけで皇室典範の改正を強行しようとしているに過ぎない。郵政改革を叫び、「ぶれない」ことで人気を稼いだ小泉首相が、味をしめて、ここでぶれては人気が落ちるとばかり、皇室典範の改正を強引に急いでいるだけの話だ。
しかし今回はどうなるのか。小泉陣営からも反対の意見が出ている。国民の間でも意見が分かれている。ここで強行に改正を急げば、日本が分断されることになろう。何があっても小泉首相を支持するという小泉ファンは、皇室典範の意味もわからずに小泉支持を続けるであろう。そういう国民と、皇室典範を変えてはならないと確信する国民との間に、日本が分裂する。小泉首相は自民党ではなくこの国を壊すことになる。まったく馬鹿げた話だ。急ぐ必要はないのに小泉首相は任期のある間にぶれてはいけないと、それだけで皇室典範の改正案の今国会提出を急ぐ。それだけの話だ。
憲法改正で国が分断されるまえに、皇室典範で国が分断される。これほど皮肉な事は無い。このような愚かな首相をやりたい放題にさせてしまった国民の自業自得である。
既存の政党の離合集散ではこの国の政治は絶望的である
私はもはやこの国の政治に愛想を尽かしているので何でも言える立場にある。だから言うが最近の報道を見てこの国の野党はどれもこれも絶望的だ。
2月4日の日経によれば民主党が4点セットを「対案」を出して攻めるという。ピンとはずれも甚だしい。こんな態度であるから自民党に負かされるのだ。今は自民党の悪を攻めまくる時である。対案などで国民の怒りを吸い上げる事などで気はしない。民主党がいつまでたっても政権に近づけないのは「反対の党ではなく政策の党」であると格好をつけて対案、対案と叫んでいるからだ。小泉ワンフレーズポリテックスを見てみろ。国民はそんな小難しい事を望んでいるわけではない。ストレートに本質をつく事だ。一気に攻められないから、次々と自民党から身内のスキャンダルを出されて腰砕けになるのだ。自民党は笑っていることだろう。
社民党も絶望的だ。社民党は2日の常任幹事会で自衛隊を違憲だと再び言い出した。今頃になって旧社会党に戻ってしまったかのようだ。これでは国民の支持を広げる事はできない。自衛隊については、戦後60年の歴史的議論を経て国民的合意はつくられたと見るべきだ。つまり自衛隊は自衛隊であって軍隊ではない。同時に国民は災害救助などで活躍する自衛隊を憲法の枠内で認め評価している。そんな自衛隊を違憲といったところで国民の支持を得られるはずはない。自衛隊は専守防衛の存在として、日本固有の自衛隊として現実的に現憲法の制約の中で認められている。それが大方の国民の意識である。それを味方にしようとしない発想が信じられない。むしろ国民的合意を急ぐのは日米安保体制がもはや有益ではなく実害のあるものになりつつあるということだ。このことを国民に知らせ、日米軍事同盟を破棄する事に全力を傾けることだ。村山内閣の時に日米安保体制を認めた時点で社民党は政党の存在性を失ってしまった。
共産党にはぜひとも頑張ってもらいたい。しかし共産党は変わらない。変われない。国民の支持が広がらない。それを見越して小泉首相は平気で共産党を排除し続けている。そこがわからない共産党を残念に思う。
拉致問題と国民世論
4日から始まると言う日朝包括並行協議ほど欺瞞的な交渉はない。日本政府が本気になって拉致不明者の救済を求めているのであれば、拉致問題は解決済みとする北朝鮮との交渉はとっくに打ち切られているはずだ。この問題についての北朝鮮側の誠意ある対応がない限り、国交正常化の話など始められるはずはない。普通の国民であれば誰でもそう思うはずだ。
しかしこのまま北朝鮮との交渉を打ち切ると、自分の手で国交正常化を成し遂げられなくなる、点を稼いだ北朝鮮外交が無残な失敗に終わる、この事に耐えられない小泉首相と、一兆円とも言われる経済援助が喉から手が出るほど欲しい金正日総書記の奇妙な談合があるのだ。だから同時並行交渉といいながら、ウラでどうやって拉致の幕引きをして国交正常化を進めるかを日朝の担当者が必死に話し合おうとしているのだ。小泉首相の任期が切れる9月までに。
そのためには国民の反北朝鮮世論をこれ以上高めるわけにはいかない。こういう思惑が政府にはある。私はそのような日本政府の正体を見極める一つの試金石として、米国人がつくった横田めぐみさん失踪の映画が、果たして日本で上映されることになるかに注目している。
報道によれば、横田めぐみさん救出活動を題材にしたドキュメンタリー映画「アブダクション(誘拐)」が、米ユタ州の「スラムダンス映画祭」で観客賞をとったという。本来ならば日本人がつくってもよさそうな映画であるが、日本人は小泉首相に気兼ねしてこんな映画は作らない。
我々は一刻も早くこの映画を日本で見なくてはならない。ところがおそらくそうならないであろう。なぜならばこの映画で日本国民が感動して横田めぐみさん救出の国民的運動が高まると小泉首相は窮地に追い込まれるからだ。政府は圧力をかけて上映できないようにするだろう。すでにその動きは明らかである。日本のアニメや娯楽映画が外国で賞をとれば大騒ぎをするメディアも、この「誘惑」という映画については、まったく報道しない。
報道が小泉政権に加担しているのは、細木かず子の実弟の逮捕ニュースがまったく報道されず、何もなかったかのように細木かず子のテレビ出演が今でも放置されていることからも明らかだ。普通であれば身内が犯罪を犯せば即座にメディアから叩かれる。締め出される。しかし細木の場合はそうならない。これは単に細木がテレビにとって視聴率が取れる、稼げるというだけではない。細木はかつて自民党に投票しないと「罰が当たるわよ」と選挙違反まがいの発言をメディアに流すほど小泉援護をしてきた。裏でどういうつながりがあるかわからないが明らかに政権側に組して世論を誘導する役割を果たしている。守られて当然なのである。
懲りもせずまだやっている安保理常任理事国入り
もうずいぶん昔のような気がするが、町村前外務大臣が世界中の日本大使を東京に呼び寄せて檄を飛ばしたのはつい数ヶ月まえだ。日本の安保理常任理事国入りが世界から見放されたにもかかわらず、責任も取らずに同じ顔ぶれの外務官僚がまた動き回っている。よほど他にすることがないのか。
毎日新聞が、日本がかつての共同提案国である独,、ブラジル、印を裏切って、米国に受け入れやすいよう常任理事国増の数を抑えた新しい日本案を持って世界中を説得に回り始めたとスクープをしたのは1月22日だった。その後1月29日になって日経や東京も同じ記事を流し始めた。
こんなことで上手く行くはずがない、そう思っていたら、案の定2月2日の朝日新聞がボルトン米国連大使のインタビュー記事で、米国の反対の意見を報じた。
「・・・日本を常任理事国にしようという過去16年間の動きは、すべて失敗であった。そろそろ、簡単な方法はないということを自覚すべきだ・・・今のところ日本の望みを叶え、かつ我々が満足するような案はない・・・」
これを知った日本政府に戸惑いが広がったという。「(我々の案に)難色を示したものかよくわからない・・・米国が積極的に賛成する案が最初から出来るとは思っていない」。こんなとぼけた発言が外務省報道官や幹部の発言である。もう無能外務官僚の出る幕ではない。
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