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□小泉政権 末期症状をどうする [朝日新聞・社説]
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
小泉政権 末期症状をどうする
9月の自民党総裁選まであと半年以上もあるというのに、小泉政権は末期症状を呈し始めた。そう感じるほど、さまざまな失点が重なっている。
輸入が再開されたばかりの米国産牛肉から、除去されているべき危険部位が見つかった。「米国が約束を守らなかった」と不手際の責任をかわそうとしたが、野党への答弁書で説明した手順を省いて輸入再開を決めていたことが発覚し、国会が止まる騒ぎになった。
女性・女系天皇をめぐる皇室典範の改正では、今国会で成立させるという小泉首相の方針に党内から反対論や慎重論が渦巻き、総選挙の圧勝で首相が手にしたはずの絶大な指導力が揺らいでいる。
より深刻なのは、ライブドアの堀江貴文前社長の逮捕だろう。総選挙で支援したことに対し、首相や武部幹事長、竹中総務相への批判がわき上がった。首相は当初、「事件と支援は別問題」と責任を認めずに押し切ろうとしたが、結局、「批判は甘んじて受ける」としぶしぶ発言を修正せざるを得なかった。
官から民へ、市場重視、自由競争といった、小泉改革路線を体現する広告塔として利用してきた人物である。
不良債権処理や経済財政改革を率いてきた「ミスター改革」の竹中氏を選挙応援に担ぎ出したのも、その効果を狙ったものだろう。結果的にライブドアの商法を政権が裏書きしたのではないか。そんな野党の攻撃には説得力がある。
総選挙で記録的な勝利をもたらし、郵政民営化を成し遂げる原動力になってきた改革エンジンに、冷や水が浴びせられているのは間違いない。マンションなどの耐震強度を偽装した事件も、政権の看板を揺さぶっている。
その一方で、相変わらずの古い政治の腐敗体質も表面化した。防衛施設庁の官製談合事件だ。
逮捕容疑となった新庁舎などの空調設備にとどまらず、米軍再編とも絡む巨大プロジェクトである岩国基地の滑走路移設工事など、疑惑は広がる一方だ。
防衛庁では98年にも旧調達実施本部の背任事件が摘発された。天下りを狙った腐敗の構図は、今回とそっくり同じだ。
昨年来、旧道路公団と旧「新東京国際空港公団」でも官製談合が摘発されている。この国がいかに根深く、広く官と業の癒着に毒されていることか、暗澹(あんたん)とした気持ちにさせられる。
耐震強度の偽装問題で発覚した伊藤公介・元国土庁長官による国交省への働きかけは、口利き政治がいまもはびこるさまを見せつけた。
こうした腐敗体質は、小泉政治になってから突然生じたわけではないだろう。だが、すでに5年近くも政権の座にあって、「改革」を旗印にしてきた首相にとって責任は免れないし、痛手は大きい。
政権のたがをどう締め直すのか。週明けから始まる新年度予算案の国会審議で、首相は謙虚に責任を認め、失地回復に取り組むべきだ。
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