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□民主党 これではケジメにならない [毎日新聞・社説]
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060301k0000m070133000c.html
社説:民主党 これではケジメにならない
「送金メール」問題で、民主党の永田寿康衆院議員は「信ぴょう性を立証できず、混乱を招いた」と国民や関係者におわび会見した。これを受け、党は永田氏を半年間の党員資格停止処分にしたほか監督する立場にあった野田佳彦国対委員長の辞任を決めた。前原誠司代表は続投し、鳩山由紀夫幹事長も当面とどまる。
永田氏は会見で反省の弁を繰り返しながらも、いまだに「内容が事実無根かどうか、まださまざまな調べが残っている」と真偽にこだわる姿勢をみせた。しかし、その後、党は「本物ではない」との見解を出すちぐはぐさだ。これでは何を謝罪したのか分からない。フリー記者のいうことを何の根拠もなしに信用した永田氏の勝手な思い込みを再確認しただけの会見内容だった。
これまでも指摘してきたように永田氏がフリー記者のもたらした情報を、裏づけ作業もしないで国会で取り上げたことは軽率極まりない。にもかかわらず党員資格停止という党の処分は中途半端で、その意図がよく分からない。自民党などが懲罰を求めていることに、永田氏は「国会の結論に任せる」というが、事態の深刻さを考えるといさぎよく自ら議員辞職する選択もあったのではないか。
情報を永田氏と共有し、国会戦略を立てた野田国対委員長が辞任するのは仕方ない。ただ、鳩山幹事長も辞任の意向を示したのに対し、前原代表は「辞任ドミノ」が自分に及ぶことを恐れているのか慰留したという。鳩山幹事長は、なお事態収拾後の辞任を示唆している。ここでも目につくのはちぐはぐさだ。これで本当の出直しとなるのだろうか。
民主党はメール騒動で失態の上塗りを続けた。第一に、発信・受信名が黒塗りされているいかがわしいメールに基づいて、自民党の武部勤幹事長の二男の名前をあげて一方的に名誉を傷つけたこと。第二に、永田氏は小泉純一郎首相から「ガセネタ」と反論されたのに、再検証もせずに再質問した戦術の誤り。第三に、信頼ばん回のチャンスでもあった党首討論で、前原代表は「お楽しみに」と予告しながら、新しい追及材料を提示できなかったことだ。
国民の多くはこの時点でメールはうそくさいと感じた。党には「これでは民主党こそ、出す出す詐欺だ」などという抗議の電話やメールが殺到した。党の対応は後手後手に回り、ますます傷口を広げていった。
この結果、国会の風向きまで様変わりした。耐震データ偽造問題、ライブドア事件、米国産牛肉輸入問題、官製談合事件の「4点セット」で追い風だった民主党は一転、逆風の暴風雨にさらされている。自民党執行部からは「弱体化した前原民主党の方がくみしやすい。責任を深追いするな」と言われるありさまだ。
前原代表は記者会見で、代表にとどまり反転攻勢するのが責任の取り方だと述べた。到底ケジメがついたとは言えない中で最後の機会だ。
毎日新聞 2006年3月1日 0時41分
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