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□民主党 この執行部でもつのか [朝日新聞・社説]
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu1
民主党 この執行部でもつのか
政治家にとって、言葉は命だ。ひと言で国民の心をつかむこともあれば、一気に信頼を失うこともある。メール疑惑でつまずいた民主党は、そのことが骨身にしみたに違いない。
メールを質問で取り上げた永田寿康議員は謝罪し、処分については衆院の懲罰を受け入れる。混迷の責任をとって野田佳彦国会対策委員長が職を退く。
これで、ひとまずけじめはつけたつもりなのだろう。鳩山由紀夫幹事長が辞意をもらすなど迷走した党執行部の責任問題は、結局、前原代表の体制を継続することになった。だが、党内では前原代表らの責任を問う声がくすぶり、とても一件落着とはなりそうにない。
それにしても、何という言葉の軽さだろう。
永田氏は謝罪の記者会見でもなお、メールの内容が事実である可能性はあると譲らなかった。ならばなぜ、何をわびているのかと疑問に思えてくる。一度も情報源と接触せず、メールの信憑性(しんぴょうせい)を確認しないまま「お金で魂を売った」などと自民党の武部勤幹事長を非難した無謀さには、改めて驚かされる。
永田氏ばかりではない。メールがあやしくなりだしてからも、前原代表は「ライブドアの成長には闇の部分がある。その中核が武部氏との関係だ」「資金提供が武部氏の次男を通じてなされたのではないかという確証を得ている」と断定口調で発言してきた。
「投資事業組合への自民党議員の関与が濃厚だ」。そう繰り返し述べてきた鳩山幹事長も、またしかりだ。
民主党を代表する立場の人たちである。その重みがあるからこそ国民は発言に耳を傾け、政府に対する追及を期待する。その信頼を裏切ったことの罪深さをどこまで自覚しているのか。
今回の騒ぎは、さらに奥深いところで有権者の信頼を損なっている。
ライブドア事件や耐震偽装など、いまの国会は政府批判のテーマに事欠かない。攻撃材料を探し、論理を組み立て、追い詰めていく。党としての戦略と力量を示す絶好の機会だったのに、そのどちらも極めて頼りないことをさらけ出してしまった。
民主党が決着をずるずると引き延ばしているうちに、政府予算案はあすにも衆院を通過する見通しだ。一方、山積する課題の追及はどれも中途半端だ。
いまの民主党に国民が抱いている感情は、不手際や責任回避への怒りはもちろんだが、何よりもふがいなさだろう。総選挙の惨敗は小泉旋風があってのことだったが、今度はまったくの自滅である。
政権を担う能力、責任感はあるのか。そんな疑問符がついてしまえば、二大政党制のもとでは致命的ですらある。
立て直しは容易ではない。信頼回復にはまず国会論戦に真剣勝負で臨むことだ。そのうえで代表選挙の9月を待つことなく、路線問題も含めて体制刷新の議論を始めるべきではないか。
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