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恐怖の館 耐震強度偽装建造物問題の深奥はどこにあるのか? 【行政調査新聞】
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 1 月 23 日 23:40:16: ogcGl0q1DMbpk
 

【国内展望】恐怖の館 耐震強度偽装建造物問題の深奥はどこにあるのか?


http://www.gyouseinews.com/domestic/nov2005/001.html

 耐震偽装が日本中を騒然とさせている。

 とにかく震度5強の地震で倒壊する恐れがあるマンション、ホテル等の建物が日本中に建っているというのだ。問題のマンションに住んでいる住人、その近隣に住んでいる人々にとっては大問題である。しかも民間検査会社イーホームズが10月末に国土交通省に強度偽装を報告してから、同省がこれを公表するまでの3週間に、売主や建設業者、設計会社の間でさまざまな話し合いや秘匿が行われていた。元国土庁長官・伊藤公介が売主ヒューザーの社長を国交省幹部に紹介していたといった事実までも暴露されている。

 設計にあたった姉歯秀次(一級建築士)だけが問題なのではない。元請け設計会社(スペースワン、エスエスエ等)、建設業者(木村建設、サン中央ホーム等)、売主(ヒューザー、シノケン等)さらには検査機関(イーホームズ、東日本住宅評価センター等)まで全部ひっくるめて問題があるということになる。全部が全部、多かれ少なかれ責任を背負う立場にあるのに、全員が逃げ腰、及び腰なのだ。

 巨大地震が来れば倒壊する――財産どころか生命まで危険に晒すマンション、ホテルが全国に建てられている! この衝撃的な事実の奥底に、日本全体を揺るがすさらなる恐怖が押し寄せていることを見逃してはならない。


“能面”姉歯は新型悪魔だ!!

 11月17日。国土交通省・佐藤信秋次官が異例の緊急会見で、耐震性に関する構造計算書が偽造されていたことを明らかにした。その後の調査で新築、建設中を含め日本中に約 200件もの“恐怖の館”が存在することがわかった。

 「あまりに問題が大きすぎて、どう責任を取ったらいいか自分でもわからない。」

 翌18日、TVカメラの前で無表情な能面のような表情で事実を認め、また評論家のように経過を語った無責任建築士・姉歯秀次の顔は、読者諸氏もあちこちでご覧になっただろう。彼は、取引先から「鉄筋量を少なくしてほしい」と具体的な削減量まで指示されたうえで、強度を保てないと言うと「他の設計事務所に変更する」とほのめかされた等と主張している。

 姉歯建築士の言い分がどれほど正確なものかは今後の調査で明らかになるだろうが、この男が本質的な部分で“新型の悪魔”であることは間違いない。今回の騒動の過程で「性善説」などという単語まで飛び出したが、じっさい通常の社会では、「いくら何でも、そこまではやらない筈だ」という最低認識が存在していた。その最低認識が根底から壊れているのが姉歯秀次建築士なのだ。

 自分の利益だけしか考えず、他人に迷惑をかけることなど顧みることは一切ない。そんな感情は持ち合わせないという超自己中心人物。こんな最低野郎に生命財産を預けるなど、普通では考えられない。

 だが――当たり前のことだが、マンションを購入した人々は、そのマンションの設計を行った建築士の顔など知りえる筈がない。その建築士の日常の生活ぶりなど理解しようとも思わない。


責任逃れ大集団

 国交省が公表する直前に、伊藤元国土庁長官の力を借りて国交省幹部と相談をした事実が明らかになったヒューザーの小嶋進社長も大問題の人物だ。とにかく2枚舌、3枚舌どころか4枚も5枚も舌を使うらしい。

 真実か否か、当事者たちの言い分が異なっているので明確ではないが、国交省公表直前の関係者会議の席上で、小嶋進が「天災が起きて倒壊した時点で、初めて耐震強度偽造がバレた形にもっていけないものだろうか」などと発言したという情報がある。

 さらに、当該物件の所在地自治体が、施工に関わった熊本県の木村建設に調査報告書の提出を求めたところ、回答が一切なかった。これについて最終的に木村建設は、「ヒューザー・小嶋進社長から『勝手に動くな』と指示され、回答することを拒否するよう指令が出ていた」と述べている。また、横浜市がヒューザーに施工時の写真を提出するように求めたところ、「写真は盗難にあった」という理由で提出をしていない。

 さらに11月27日にヒューザーは、東京都江東区のマンション「グランドステージ住吉」(全67世帯)に対し買い戻し案を提示。その内容は、(1)購入額に慰謝料など6%分を上乗せし、計 106%を支払う(2)ローン分は重畳的にヒューザー側が引き受ける(3)来年2月15日までに買い戻し契約をすれば、契約時の自己資金分は来年3月15日に返還する――とのことだった。

 いかにも良心的に思える提案だが、とんでもない話なのだ。ローンは「重畳的」に、ということは、住民のローンが消えてなくなるというのではない。住民の連帯保証人となるだけの話であり、もしヒューザーが倒産したら、住民は住処を失うばかりか借金だけが残るという話なのだ。

 事実、この日、川崎市川崎区の「グランドステージ川崎大師」の説明会ではヒューザーの幹部社員が、「財務状況は日々悪化している。このままでは12月末にも倒産の恐れがある」と述べている。

 ヒューザー社長・小嶋進。自分の利益だけを求め、他人が死のうが財産を失おうが、まったく気にも止めない。この男もまた、新型悪魔の一人だったようだ。


根源はどこにあるのか?

 バブル崩壊で最も厳しい状況に陥った不動産、建築・建設、設計事務所。長かった平成不況からどうやら脱出かと思われている昨今、すべての業種・業界は「ニューエコノミー」という乱暴な経済理論に圧倒されている。

 ニューエコノミー理論とは何か。――IT産業やハイテク技術が発展し、地球規模のメディアが登場したことを契機に、国家、地域といった枠組みやさまざまな障壁を乗り越えて動くカネ、モノ、ヒトを、一気に捌く必要性から生まれた経済理論だと説明される。これにより世界は、インフレのない経済成長を迎えるといった理論だ。米国のクリントン前大統領もこの理論に嵌まり、これをFRBF(米連邦準備理事会)のグリーンスパン、財務長官のローレンス・サマー、マイクロソフト社のCEOビル・ゲイツなどが支持した。ケインズ経済学、ニュー・ケインズ学派等を「古典的(オールド)経済学」と決めつけたこの理論は、しかし、短期に利益を生むことだけを目指した禿鷹ファンドそのものと言っても良いだろう。当然ながら長期的視野にたった設備投資、インフラは後回しにされ、とにかく目先の利益だけを追求する企業姿勢を育む。

 ニューエコノミー論の蔓延は、ユダヤ型金融資本主義を利し、米国社会の富が極端に偏在することを推し進めた。米国の富すべての8割を、米国のわずか5%の富裕層が掌中に収める。さらにその富の6割強を、富裕層の1%が所有するという歪んだ社会構造を生み出してしまった。米国の中枢、アメリカン・ドリームを支えてきた中産階級は完全に没落し、ごくごくわずかの富裕層だけが生の喜びをを満喫する……。わが国の小泉・竹中ラインが目指す改革解放経済の行方は、まさにクリントン時代の米国なのだ。

 建設業界では今、「コンストラクト・マネージメント」といった言葉が流行っている。本質的な意味は「原価管理」といったところだが、じっさいには「コストダウンのための管理」という意味に使われる。

 売主が建設会社に仕事を依頼する。すると建設会社は、予算のなかでできるだけ安く建てようと考える。そこで値切って下請けに仕事を回す。下請けが、自分のところの労働力を使うより安くできる孫請けに回す場合もある。

 かつて威勢を誇ったゼネコンは、今や巨体をもてあます状態になっており、設計事務所に回ってくる売主(デベロッパー=ヒューザー等)の情報を得て、こうした売主に接触。仕事をもらうために売主、建築業者、設計事務所を接待する側にいる。じっさいは、中小の売主(デベロッパー)が中心になったマンション業界では、売主・建設業者・元請け設計業者・構造設計業者等々が絡み合い、それぞれが僅かでも利益を生もうと頑張る。そうしたなかに、情報収拾のための接待費というものも重要な意味をもってくる。その接待費ももちろんコストに含まれるのだから、直接原価はますます細くなる。

 誰もが何とかコストを抑え利益を大きくしようとするのだから、細分化された現状ではどこかに無理がかかる。

 こうした状況がある以上、設計段階で、あるいは施工段階で厳しい検査が行われるべきなのだが、それが行われていない。かつて行政が行ってきた検査は、現在は民間が行っているが、ここにも問題があるのだ。

 本来、マンション、ホテル等の建築物に関しては、設計段階で「建築確認」がなされ、その後の施工段階で「中間検査」、さらに完成後に「完了検査」が行われることになっている。

 市町村発注の公共施設であれば、検査はまさに発注者である行政が行う。行政による検査は大別して3つある。「日常の検査」、「中間検査」そして「完成検査」だ。

建設業者が公共施設工事を落札すると、発注者側はその工事を監督するための「監督員」を業者に派遣する。同時に施工業者は「現場代理人」を立てる。現場代理人は工事の進行状況や問題点等を監督員に報告する。監督員はそれらをチェックし、重要な問題が見いだされれば、すべて行政側(工事主管課長)に報告しなければならない。工事をめぐるありとあらゆる日常的検査が、行政から送られてきた監督員にかかっているというわけだ。

中間検査とは工事段階での検査であり、最低でも一回は実行される。また工事の金額や規模によっては複数回の検査が行われる。行政によって行われるこの中間検査、書類の検査だけでも数日かかる。さらに工事の規模によっては現場の検査だけでも二週間近くを要するのだ。工事主管課が要所要所の検査を行い、建設材料が搬入されるその都度、強度や耐性をチェックする。場合によっては工場まで出向いて建材の検査を行うこともある。完成検査とは、文字通り完成時に行われる検査だ。

 イーホームズら民間検査機関が、はたしてここまでやるだろうか。責任逃れ大集団たちはやらないし、やらせない。バレなければ構わない……。

 仮に売主A社が某建築会社を使ってマンションを建てようとしたとする。民間の検査会社を3社、4社使ってみる。と、ある検査会社は20カ所の不備指摘箇所を見つける。別な検査会社は15カ所の指摘をする。もう1社は3カ所しか指摘しなかったとする。どうなるか? 利益を優先するならば3カ所の補修で終わらせてしまう。これは当然のことだ。

 利益を優先するのではなく、住民の財産・生命の保全を優先したら――20カ所の不備指摘箇所をすべて補修する必要が出てくる。費用は嵩み、工期も必要となる。

 民ができることは民へ! 官から民へ!構造改革!! だが民がやれば、利益優先になるのは当然の話なのだ。

 姉歯設計事務所が規定の強度の半分どころか4分の1、5分の1の強度しか持たせなかったことはさらに疑念を抱かせる。――4分の1、5分の1だから問題になった。だが、規定に僅かに足りていない 0.8、 0.9程度の強度しか持たない建物は、日本中に星の数もあるに違いないのだ。


問題の深奥を暴く!

 なぜ今ここに来て、建設、建築業界を揺るがすこんな大事件が明るみに出たのか?そして恐らく今後は、あらゆる建造物に対する疑惑が浮上してくるだろう。

 なぜ、今になってこんな疑惑が浮上するのか? そこに気がついてほしい。

 ――数年前に明らかになっていれば、ここまで被害は拡大されなかったはずだ。不況から抜け出したように感じられる今になって、なぜまた建設業が叩かれるこんな事態に発展したのか?

 姉歯秀次建築士は最悪の人間だった。そしてヒューザー小嶋進社長以下、関連各社もまた最悪だった。建設、設計、検査に関わる構造そのものに、悪を育む土壌が存在しているといえる。その土壌を放っておいた行政こそが責めを負うべきだと言ってもよいだろう。

 そしてこうした土壌で育成された日本の建築、設計の分野に外国資本が流入してくることは、もはや疑いの余地はない。

 いま日本という国がどこに向かっているのか。そこから考える必要がある。

 ちょっと前に日本中を騒がせたのがホリエモンこと堀江貴文によるニッポン放送株公開買い付け(TOB)=フジテレビ経営統合問題だった。それから秋には村上世彰率いる村上ファンドの阪神電鉄株大量取得問題と阪神タイガース球団株式市場上場問題が起きた。いまは楽天がTBS株の大量取得で世間を賑わしている。

 ホリエモンも村上世彰も三木谷浩史も個人的には好きではない。いや正直に言えばかなり嫌いな人種である。だが個人的な好き嫌いが問題なのではない。

 企業のM&A(合併・買収)という問題は、米国の要望(対日要望項目書)に従って正当な形態と認められる状態になって久しい。今年になって、テレビといったメディアがM&Aの対象になったから、注目を集めただけなのだ。何も今さら目鯨立てて騒ぐことではない。そしてもう少し明確に言うなら、開放市場原理が世界中に蔓延し、世界統一基準(ワールド・スタンダード)が確立した今となっては、ホリエモンや村上ファンドや三木谷浩史が勝利者なのだ。

 これは非常に重大な認識である。

 個人的には極めて残念至極なのだが、堀江貴文・村上世彰・三木谷浩史が正義かどうかは別として、最終的には彼らが向かう方向に世界が落ちつくのは間違いない。

 彼らが勝利するというのではない。彼らは、早すぎた結果として敗北するかもしれないし、運良く勝利を掴むかもしれない。どちらかは不明だが、彼らが目指している方向が勝利への道だということなのだ。

 問題は、その後である。

 歴史の浅い西欧+米国文化が世界を蹂躪する。そのとき日本はいったいどうなるのか?それを真剣に考えるべきときに来ている。

 たとえば鳥インフルエンザと、不足が伝えられる特効薬タミフルの関係。あの副作用問題はどうなのか? 民族系の製薬会社が全滅してしまった日本にとって、薬の問題は非常に重大なのだ。

 唯一の生き残り民族派製薬会社だったミドリ十字が、薬害エイズ事件で崩壊し、武田製薬系の製薬会社に吸収合併させられたのは5年以上も前のことだった。この事件にしても、安部英という悪魔の所業が日本民族系製薬会社の最後の砦を破壊したものだった。姉歯秀次も小嶋進も安部英と同罪と考えて良い。

 そして建設、設計だけでことは終わらないという観測も当然成り立つ。

 建設、設計等々に対する外国資本進出の延長上に、サプリメント、健康補助食品に対する米欧の進出も考えられる。さらに穀類を中心とする食糧問題が控える。

 すべての問題は連関している。ひたすら技術を研鑽し、物作りに励む――日本が誇るべき「ものつくりの精神」は、まさに危機に瀕しているのだ。建設から健康食品にいたるまで、日本人が手がけるあらゆる生産物に息づいていたはずの「匠の精神」は、いままさに西欧+米国文化の影響の前に、風前の灯火となっているのだ。

 だが落ちついて考えてほしい。かつてわが日本民族は外国文化の嵐に揉まれ、すべてを失うほどの危機を体験している。飛鳥、奈良、平安の時代に――。

 日本を襲った中国大陸の文明は、生活様式、都市作り、家作り、宗教哲学……あらゆる分野に及んだ。日本は中国文化に呑み込まれてもおかしくなかった。それでもやがて日本は中国から離れるために遣唐使を廃止し、鎌倉に幕府が出来て以降、日本独自の文化を栄えさせるようになっていった。

 あれほど大陸の文化が流入している最中ですら、宦官・纏足・食人という大陸の文化習慣は絶対に容認しなかった。

 米欧の文化習慣がどれほど流入しようが、日本には数千年の歴史がある。そのことを胆に命じ、日本人として生きていけば未来は必ず開ける。

 耐震強度偽装問題は今後もさまざまな展開を迎え、やがてそれは日本の建設業界を破壊して外国勢力の侵出するところに向かうだろう。建設だけではない。恐らくはサプリメントどころか全食糧すら奪われるかもしれない。それでも焦る必要は、ない。

 日本人が日本の文化を失ったときこそ、危険な刻なのだ。その兆候は、たしかに存在する。だが同時に、日本独自の文化を主張している分野も広がっている。

 耐震強度偽装問題を機に、再度日本の在り方について考えを深めていただきたい。■


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