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1月16日―メディアを創る
今年の政局はこれで決まりだ
ポスト小泉をめぐる自民党内の権力闘争が面白くなってきた。少し前のこのコラムで、私はポスト小泉の争いに勝つためには、争点を靖国参拝一本に単純化して、小泉首相の靖国参拝反対を鮮明にして争うのが得策であると書いた。そのメッセージが伝わったのかどうか、俄かに靖国参拝がポスト小泉の争点になってきた。
私はこれから9月までの日本の政局は、小泉対非小泉の自民党内の権力争いの動きに尽きると思う。しかしそれは郵政法案の是非に見られた改革と抵抗勢力という作られた図式の再現にしては決してしてはならない。あくまでも「小泉の負の部分」を清算する意味での「良識ある自民党」の逆襲という構図にしなければならない。
最近の動きを見ていると、靖国参拝に固執することが総裁選に不利になるとみて、ポスト小泉を狙うものが「靖国を政局にしてはならない」といい始めた。小泉首相までもが「靖国参拝は自分から言い出したことではない」などと逃げの手を打ち始めた。ひょっとすると皆「私が総裁になったら靖国参拝はしません」と言い出しかねない。あるいはひょっとして国民の小泉離れがこれから急速に進み、皆が小泉から距離を置くようになって小泉不在のポスト小泉争になるかもしれない。
一刻もはやく小泉的なるものをこの国から追放することが、この国の将来にとってためになると考えている私としては、それはそれで歓迎すべきことなのではあるが、ここまで来たのだからもうしばらく小泉首相には今のままの傲慢さを保ってもらいたい。これまでどおり反抗者には髪を振り乱して戦ってもらいたい。そしてポスト小泉の一方の候補者には、「偉大なるイエスマン」のように何もかも小泉的なものを引き継いで総裁選を争ってもらいたい。そうして今年の政局を面白くしてもらいたい。ひょっとしてそれが日本の政界大編成につながるかも知れないと思うのである。
小泉的なるものを引き継ぐ候補者は安倍である。場合によったら竹中でもいいが、決して麻生や谷垣ではない。他方において反小泉は加藤、山崎連合なるものであろう。具体的に反小泉候補者が山崎になるか、福田になるか、加藤になるかあるいはそれ以外の第三者になるかは勿論重要である。賞味期限の切れた政治家よりは斬新な候補者のほうが小泉パフォーマンス的に言えばよいのであるが、たとえそうでなくても、「反小泉的候補者」の象徴として最適な人物であればそれでよいとしておく。
「小泉の負の部分」とは何か。「改革」を叫ぶという部分(それさえもでたらめではあるが)を除けば小泉の存在すべてが「負の部分」なのであるが、敢えて言うとすれば、国家権力を独り占めにし、国政を自分の一声で決めてしまおうとする非民主的手法であり、おかしくなった米国に従属しするあまりに普通の国民の安全と生活を毀損してしまった政策ということになる。日米軍事同盟をひたすら推し進めアジア諸国との関係をいたずらに悪化させて世界を失望させた外交という事になる。
このような「小泉的なるもの」を倒すことができるのは、前原民主党ではない。ましてや共産党、社民党では決してない。その意味で反「小泉的なるもの」についての野党共闘などは意味をもたないし実現もしない。特定候補や、特定の問題についてアドホックに野党共闘をすることはできても政権交代という意味での野党共闘は今の政治状況ではありえない。小泉を倒すのは自民党なのだ。この国の政界再編の主役はあくまでも自民党である。私はそれでよいと思っている。国民もそれを望んでいる。
私はこの2年間、わずかではあるがこの国の政治と政治家たちを知る機会に恵まれた。そこでつくづく思ったのであるが、いわゆる野党による政権交代はありえないということである。彼らは純粋な人たちの集まりではあっても考えが硬直的である。いい人たちではあっても物事を成就する力は無い。彼らが見つめているのは自分のイデオロギーであって決して一般大衆の顔ではない。心ではない。
ひるがえって自民党は融通無碍である。清濁あわせのみ主義主張に幅がある。悪質な政治家もいれば優秀な政治家もいる。なによりも日本国民の縮図がそこにある。良くも悪くも政治に無関心な大衆とともにある。
私が今度の総裁選が面白いと思う最大の理由は、それがひょっとして日本の政治を大きく変えるきっかけになるかもしれないと思うからである。反小泉候補が、次のように国民に訴えたらどうだろう。日米軍事同盟一辺倒では国益を守れない、日米関係は重要だが米国の「テロとの戦い」とは一線を画すべきだ、総理の靖国参拝は戦争責任を否定する誤解を与えるので間違いだ、日本の国民の暮らしを第一に考えた経済政策を取り戻すべき時だ、米国の赤字を日本国民の金で助けるような金融、資本政策は間違いだ、競争至上主義だけでは大衆の生活を守ることは出来ない、イラク戦争を支持したのは間違いだった、自衛隊は日本を守るためにあるのであって米軍の下請けではない、日本にある米軍基地はやはり縮小、撤廃されていくべきだ、その象徴としての沖縄問題からまず米軍を減らしていく、日本は米国と違った平和外交の国であるべきだ、憲法9条改正を急いで行うことはない、今の日本にはもっと早急にやるべきことが山積している、政治家、官僚の不正、腐敗はこれ以上見てみぬ振りをしてはいけない・・・いずれも当たり前の話だ。多くの国民の共感を得ることだろう。
反小泉自民党にここまでのことが言えるか、出来るか。そこが問題ではある。しかし自民党には後はない。小泉的なる物は否定されねばならないが、かつての自民党では国民の支持を得られない。自民党が変革する最後のチャンスである。小泉自民党は幻想でしかなかった。それどころか気がついてみたらとんでもないタカ派、対米従属の売国政権であった。国民の期待に答える自民党を取り戻すためにも反小泉的な自民党で出直すしかない。これを国民の前で宣誓するのだ。
反小泉的な総裁候補がこのような方向で勝負をかければ、そこを中心に政局が動く。前原民主党は空中分解する。共産党や社民党の存在価値はますますなくなる。国民の政治に対する関心は一気に高まる。こういう状況になってほしいと思う。
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