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<靖国参拝>ポスト小泉で争点? 「安倍包囲網」にらむ((毎日新聞) - 1月13日8時31分更新)
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投稿者 まさちゃん 日時 2006 年 1 月 13 日 16:58:07: Sn9PPGX/.xYlo
 

<靖国参拝>ポスト小泉で争点? 「安倍包囲網」にらむ


 小泉純一郎首相の靖国神社参拝が今年は外交問題にとどまらず、政局の目になりそうだ。小泉首相や「ポスト小泉の本命」視される安倍晋三官房長官が「総裁選の争点にすべきでない」と予防線を張れば、山崎拓自民党前副総裁らは争点化をちらつかせて「反安倍」包囲網の足場にする構え。昨年まで参拝時期や形式の「サプライズ」を売り物にしてきた小泉首相も、任期中最後の参拝では政争への影響などに頭を悩ますことになりそうだ。【犬飼直幸、田所柳子、大場伸也】

 自民党内では9月の総裁選をにらみ、首相の靖国神社参拝とアジア外交重視を重要争点の一つに位置付けようとする発言が相次いできた。これに対し、首相の参拝を支持する安倍官房長官が9日、民放の報道番組で「(靖国問題を)総裁選の基本的なテーマにすべきではない」と反発し、争点化論争がクローズアップされた。

 自民党内の「争点化」論の中心は山崎拓前副総裁だ。年明け、インドネシアなどアジア4カ国を歴訪し、アジア重視の姿勢をアピールするとともに総裁選の争点として「小泉外交の踏襲か、独自の外交路線かを明確にするかが問われる」と強調した。6日のテレビ収録では「アジア外交に行き詰まりがある。このまま放置するわけにはいかない」とも指摘した。

 山崎氏は昨年、国立戦没者追悼施設建設に向け超党派の議連を発足させた。議連には福田康夫元官房長官や加藤紘一元幹事長ら首相の外交姿勢に批判的な勢力が結集しており、「安倍包囲網」の主軸になりつつある。加藤氏も「靖国参拝は日本外交上の大きなテーマであり、総裁選でも争点にならざるをえない」と述べ、山崎氏と連携する。

 ◇火消しに躍起…小泉首相
 小泉首相は11日、訪問先のトルコで同行記者団に「心の問題だ。人から指図される問題じゃない」と語り、争点化慎重派として、安倍氏の肩を持った。かつての「YKK」トリオが争点化問題で二分した格好だ。自民党の武部勤幹事長も12日、金沢市での講演で「日本の政治家が靖国参拝を争点にして、政治問題化するのはどうかなと思う」と述べ、首相、安部氏の支援に回った。

 安倍氏には、総裁選で靖国参拝やアジア外交に関心が集中する展開は中国に反発する材料を与えるとの思いがある。しかも、そうした展開は必ずしも安部氏に有利に働くとは限らない。小泉首相にとっても、総裁選での靖国論争が繰り広げられれば、小泉外交のマイナス評価を増幅しかねないという警戒感がある。

 安倍氏は12日の記者会見で、首相の後押しについて「見識あるご発言だ。この問題を総裁選という戦いの場で争点にすると、さらに政治問題化、外交問題化する」と称賛し、首相と息の合ったところを見せた。

 しかし、首相の靖国参拝の是非については世論や党内の意見は割れており、首相や安倍氏の思惑と逆に、論争は簡単に収まりそうにない。

 ◇今年はいつ?
 「毎年参拝」を続ける首相としては、今年の参拝にどう対処するか、という課題もある。これまでの参拝で、首相は中国・韓国の反発や憲法の政教分離原則などに目配りすればよかったが、今年の参拝は時期や形式、説明の仕方によっては、総裁選や次期政権の参拝方針、外交政策を結果的に縛りかねないリスクを抱えることになる。

 トルコ訪問で、過去2回あった1月参拝の可能性が消えた。「最後の年こそ『小泉美学』で最初に公約した8月15日に行くつもりではないか」との見方は根強いが、終戦記念日に近づけば、それだけ中韓両国の反発は激しくなり、直後の総裁選で一大争点になるのは確実だ。

 残る可能性は、06年度予算成立後の4月の春季例大祭中の参拝。与党内では「これがぎりぎりの選択ではないか」(公明党参院幹部)との予測も強まっている。

 ◇「政冷経熱」から「政冷経涼」へ…懸念の経済界
 「靖国問題で中国側は譲れない。『政冷経熱』と言うが『経熱』もいつまで続くか分からない」

 昨年12月、中国の唐家セン国務委員(前外相)は与野党中堅議員らの「日中新世紀会」訪中団に警告した。国営新華社通信も「政冷経熱」が「政冷経涼」に変わりつつあると報じた。

 「新幹線も国際熱核融合実験炉(ITER)も、靖国がなければ日本を支持するのに」。04年2月に訪中した公明党の神崎武法代表は、中国共産党幹部から告げられた。靖国問題が直接の原因とはいえないが、中国の貿易総額に占める日本のシェアも小泉政権下で低下してきた。

 日本経団連の奥田碩会長は5日の年頭記者会見で「(政治関係の悪化で)すぐ経済が冷えたとは理解していないが、こういう状態が長く続けば深刻な問題になることを懸念している」と明言。経済界として「ポスト小泉」に参拝自粛を求めた。

 靖国参拝に警鐘を鳴らすのは経済界ばかりではない。外務省が編集などに協力する月刊誌「外交フォーラム」(06年1月、2月号)で、栗山尚一・元駐米大使が首相の靖国参拝に批判的な見解を発表。朝日新聞の月刊誌「論座」(06年2月号)の対談では、保守派論客と見られている読売新聞グループ本社会長兼主筆の渡辺恒雄氏が靖国参拝に強く反対した。参拝反対の包囲網がじわりとできつつある。

(毎日新聞) - 1月13日8時31分更新

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