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21世紀の基盤づくり/農業の将来考え交渉を【←経済のあり方に関する指摘も多々あります、農業に関心のない方も是非ご一読を】
http://www.asyura2.com/0601/senkyo18/msg/402.html
投稿者 heart 日時 2006 年 1 月 06 日 13:09:52: QS3iy8SiOaheU
 

日本農業新聞 論説 [2006年01月05日付]

 世界貿易機関(WTO)農業交渉は今年、大きなヤマ場を迎える。4月末にモダリティー(保護削減の基準)を決め、7月末までに国別約束表(譲許表)を出す予定だ。まさに胸突き八丁に差し掛かった。日本の農業の将来を考えた交渉を望みたい。
 
 農業交渉は、長い間、輸出補助金をめぐって米国と欧州連合(EU)が対立し、難航してきた。しかし、昨年末の香港閣僚会議で同補助金の撤廃時期を2013年とすることで合意、最大の障害が取り除かれた。このため、1月末からの交渉は年末の最終合意に向け、関税引き下げ問題が大きな焦点になる。特に、上限関税の扱いや米・乳製品など重要品目のルール化については、最も注視しなければいけない。
 
 中でも「上限関税の導入」問題は、日本にとって大きな障害となっており、導入回避が至上命令といえる。米国提案は75%を超える関税を問答無用で切り落とすものだ。それぞれの国の農業が置かれている条件の違いを無視する、「弱肉強食」の論理である。日本などのように中小農家が多い食料純輸入国が猛反発するのは当然のことだ。導入されれば日本の農業の将来はない。また、関税引き下げを緩められる「重要品目」の対象品目数を十分に確保することも、日本農業の維持には欠かせない。
 
 140を超す国と地域が行う多角的貿易交渉は、途上国の台頭によって一部の先進国が身勝手な合意を押し付けるやり方が通用しなくなってきた。輸出国と輸入国との軋轢(あつれき)も激しさを増す。こうした複雑化する交渉をまとめるには、現実的な合意を目指すしかない。日本政府は、野心的な目標に固執する米国の説得に主導的な役割を果たすべきであろう。
 
 今年末の最終合意にはなお不透明感があるが、それでも国内対策は急がなければならない。交渉の流れや現状を見ると、程度の差はあっても関税引き下げは避けられない。政府は「担い手」や集落営農の育成に全力を挙げ、21世紀の基盤となる手厚い対策を用意しなければならない。
 
 しかし、懸念材料もある。財源だ。今後の決着点にもよるが、今回は米の市場開放に踏み切った前回の交渉以上の痛みを日本農業が受ける可能性がある。財政難であれば、WTO体制で潤っている産業の協力を引き出すことも含め、政府は財源確保に万全を期すべきだ。
 
 21世紀は多様性を認め合う時代ともいえる。米国主導の大幅な関税引き下げを押し付けられ、大切な農業・農村をなくすようでは日本の「個性」が失われる。すでに多国籍アグリビジネスによる食料支配と市場独占が、生産者と消費者双方の「選択の自由」を奪っているとの指摘もある。政府は、多様な農業の共存に向け、正念場の農業交渉を今後も続けてもらいたい。
 
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0601/05.html

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