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自国民よりも米国政府に顔を向けて外交をする政府
何も今に始まったことではないが、小泉政権の対米追従の外交は目に余るものがある。5日の新聞で見つけた二つの記事は象徴的である。読むにしのびがたい。
その一つは4日のワシントン発共同通信の配信である。米国政府高官が共同通信など一部の記者団に語ったというのだ。その中で米政府高官は「サマワの陸上自衛隊は5月に活動を終了する」と述べたと言う。その上で「日本が担うべきあらたな役割につき、今春から本格協議入りすることで日本側と一致している」と述べたのだ。何故米国高官が自衛隊の撤退時期を知っているのか。それは日本政府が「もうそろそろ勘弁してくれ。それでよろしいか」と伺いを立て、米国がそれを了解し、その代わりにあらたな形の自衛隊の協力を日本に求めているということだ。日米間でこのような話し合いが懸命に行われているのだ。問題はそれらを一切日本国民に知らされせずに、「撤退は適当な時期に行う」と平気な顔で嘘をつき続ける小泉首相だ。すべては米国が決定し日本が従う。それとは知らずに、情報操作された状況の中で、日本国内では自衛隊派遣の是非につき国民同士がいがみ合っている。こんな間抜けた現実はない。
もう一つの記事は、昨年暮れに米軍厚木基地の上等水兵が小学校3人を車ではねて重軽傷を負わせた事件についてである。5日の毎日新聞によると、在日米海軍司令部は、毎日新聞の取材に対して、日本側に身柄を引き渡さない方針を固めていることを明らかにしたという。いかなる理由にせよ、小学生3人をはねて重軽傷を負わせた者が、それを知っていながらひき逃げをするなどということは、人道上許されない事だ。それなのに、日米地位協定という一片の文書の「米兵の公務中の犯罪は米側に裁判権を行使する優先権がある」という文言が絶対視され、日本政府は何も手出しをしない。緊急逮捕した八王子警察署員はさぞかし無念であったろう。問題は日本政府がこの件について正直に国民に語らない事だ。日本政府がごまかしている間に、米国政府が臆面もなく自己主張をしてすべてが終わってしまう。これが今の日米関係だ。
小泉首相の中東訪問の虚構
まもなく小泉首相は中東を訪れる。まったく用もないのに、中国や韓国に行けないので、パフォーマンスをするために中東へ出かけていくのだ。その目玉が、イスラエルへ行って、イスラエルのシャロン首相とパレスチナのアッバス議長を立ち合わせ、中東和平の仲介役を果たそうとする企画だ。
私は、かつてこのコラムで、「どの面を下げて中東へ行けるのか」と言った。いささか言葉は激しいが全くその通りなのだ。中東情勢に関心もなければ知識もない小泉首相が、米国の中東政策に全面的に協力してアラブを踏みにじってきた。そんな男が中東和平などとは、あまりにも厚顔だ。しかも本気で平和を達成するのではなく、自分が真ん中に立って三者の写真をとる事だけが目的だ。選挙写真ではあるまいに。ふざけてはいけない。イスラエルもパレスチナも生死をかけた紛争を戦っているのだ。
そう思っていたら、5日の日経新聞にイスラエルのシャロン首相が日経新聞との会見で、「パレスチナと二者間で交渉するのがわが国の立場だ」と述べて、三者会談を断ったという記事が出ていた。イスラエルが仲介役を認めるのは米国だけであることは中東外交の常識である。そんなこともわからずに、親分小泉首相の宣伝の為に、必死になって走り回る外務官僚こそ、自らを恥じるべきだ。そういう思いでこのコラムを書いていたら、シャロン首相が二度目の心臓発作で緊急入院したというニュースが飛び込んできた。今度は深刻なのではないかと直感する。いっそ中東訪問を取りやめたらどうか。それが正しい外交だ。
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