★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK18 > 327.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
国民健康保険:全医療費を自己負担、「無保険者」が30万世帯超−−04年度
◇国保滞納対策「資格証明書」、00年度の3倍を交付−−04年度・毎日新聞全国調査
国民健康保険料の長期滞納を理由に、医療費の全額自己負担を求められる資格証明書を市町村から交付され、保険証を使えない「無保険者」が04年度、全国で30万世帯以上に達したことが、毎日新聞の全国調査で分かった。資格証明書は滞納対策とされ、交付数は00年度の3倍に増えたが、滞納世帯数は逆に上昇。どの自治体も同じように国保財政が悪化する中、交付数に大きな格差も出ている。国民皆保険制度の根幹が揺らいでいる。(2面に連載「縦並び社会」)
調査は47都道府県と14政令市を対象に実施。保険料滞納世帯数や、資格証明書交付世帯数などを尋ねた。
04年度は全国で計30万6020世帯に資格証明書が交付され、00年度の9万6849世帯から3倍以上に増えた。05年度も数字を回答した33都道府県で比較すると、04年度より5%増えている。
自治体間の格差も大きい。政令市で最も交付数が多い横浜市は04年度、70万世帯中3万1592世帯に交付しており、「国保料の減額申請などの相談に来ない限り、生活困窮などの特別な事情はないとみなす」と説明する。一方、名古屋市は43万世帯中15世帯にしか交付していない。両市とも医療給付費の11%程度を一般会計からの繰り入れでまかなっているが、対応は分かれている。
国は00年度から、自治体に対して資格証明書の交付を義務づけた。しかし、全国の加入世帯に占める滞納世帯の割合は、00年度の17・5%から04年度には18・8%と増加。滞納対策としての効果を尋ねたところ、36都府県と13政令市が「ある」と答えたが、10道県1政令市が「効果が分からない」と疑問を示した。「収納率(徴収できた保険料の割合)が低下した自治体もある」(香川県)「納付意欲の減退、態度の硬化を招く」(鳥取県)などの理由だった。
厚生労働省国民健康保険課は「資格証明書の交付は滞納を抑制するという一定の効果は得られている。(交付基準の自治体間格差は)自治体が個々の事情に応じて対応しているだけで問題はない」と話している。
==============
◇資格証明書交付世帯数(04年度)
北海道 17628
青森 3491
岩手 1520
宮城 1879
秋田 1766
山形 900
福島 4349
茨城 6532
栃木 13226
群馬 12568
埼玉 7951
千葉 24405
東京 12947
神奈川 32477
新潟 3053
富山 1661
石川 681
福井 2572
山梨 660
長野 492
岐阜 6376
静岡 9698
愛知 2236
三重 10330
滋賀 1974
京都 4396
大阪 21089
兵庫 8893
奈良 737
和歌山 4945
鳥取 1913
島根 1198
岡山 1232
広島 13419
山口 4078
徳島 1320
香川 2138
愛媛 3222
高知 2919
福岡 33724
佐賀 1357
長崎 3605
熊本 1919
大分 4449
宮崎 3321
鹿児島 4651
沖縄 123
計 306020
==============
■ことば
◇資格証明書
国民健康保険被保険者資格証明書の略。原則として、納付能力があるのに国保料を1年以上滞納した被保険者に、保険証の返還または期限切れと同時に区市町村が交付する。被保険者としての「資格」はあるが、国保の「受益権」は停止し治療費は全額自己負担になる。国保料の滞納対策の一つとして00年度から国民健康保険法で交付が義務づけられた。
毎日新聞 2006年1月4日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060104ddm001100045000c.html
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK18掲示板