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社説:中川農相答弁 小泉政権がほころび始めた?
衆院予算委員会は30日、米国産牛肉に特定危険部位が混入されていた問題に関する中川昭一農相の答弁をめぐって紛糾し、民主党が辞任を要求する事態となった。野党が反発するのも無理はない。午前と午後とで答弁が一変し、あわてる政府の姿を目の当たりにして、小泉政権のほころびが見え始めたと感じた人も多いのではなかろうか。
問題は政府が昨年11月、「米国産牛肉の輸入再開以前に担当官を派遣し、米国の日本向け食肉処理施設への現地調査が必要」との答弁書を閣議決定していたにもかかわらず、現地調査は再開決定後だったというものだ。農相は午前の答弁で「答弁書と事実が違っていた。おわびする」と謝罪し、「どういう責任の取り方がいいのかこれから考える」とも述べていた。
ところが午後は一転、「再開以降でなければ米国の施設が適切かどうか判断できない。答弁書後、状況が変わった」などと釈明。調査をしなかったことに責任があるのではなく、状況の変化を国会などに伝えなかった点に責任があると修正したのだ。
委員会の休憩時間に、農相は農水省の役人に注進されたのだろうか。政府は「答弁書には『再開以前』とあり、『再開決定前』とは書いてない。調査は再開決定後だったが、再開の前だった」という理屈で切り抜ける算段だ。ただ、そうであるなら、今度は農相が元々、答弁書をどれだけ理解していたのか、「資質」の問題になる。
もちろん、今回の輸入停止の非は米国側にある。ただ、現実には米国産牛肉は日本側の現地調査が終わる前に国内に入ってきた。調査が形式的なものに過ぎないことに、食品安全委員会からも「なぜ急ぐ」と不満が出ていたことを忘れてはいけない。最初から「再開」という結論ありきではなかったかという疑問に小泉政権として丁寧に応えないと、消費者も納得できないのではないだろうか。
この一件だけでない。逮捕されたライブドア前社長、堀江貴文容疑者を昨年の衆院選で自民党幹部が支援した問題でも、当初、首相は「事件と支援は別問題」と力説した。しかし、反発が収まらないとみると「批判は甘んじて受ける」と語る一方で、「事件と小泉改革とは別問題」と修正し、堀江前社長を持ち上げたマスコミ批判に話をすり替えた。
耐震データ偽造事件もしかり。今回の補正予算案に盛り込まれた公的支援策に関し、毎日新聞の世論調査では「適切だ」と答えた人が39%だったのに対し、「手厚すぎる」も41%に及んだ。手放しに税金投入に賛成できない人が多い理由の一つは、自民党が事実解明や責任追及に消極的と見えることだろう。野党が主張しているように、少なくとも伊藤公介・元国土庁長官の証人喚問を行い、かかわりをただすのは当然だ。
世論に敏感なことが小泉人気の秘けつの一つだったはずだ。批判の声にも謙虚に耳を傾け、反省すべき点は反省しないと、ほころびはさらに広がるだろう。
毎日新聞 2006年1月31日 0時23分
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060131k0000m070149000c.html
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