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(回答先: キリスト教が、単なる「言葉の大系」や「根拠なき前提の思想」であるなら、とうについえていたでしょう。 投稿者 隣人 日時 2006 年 12 月 18 日 02:15:34)
世界人口の約3分の1はクリスチャンととなえています。それでも今の世界は、政治的にこれまでにも増して分裂し、
いよいよ暴力的になっています。これは、キリスト教は失敗している、という意味でしょうか。
キリストの死後400年ほどして、ローマ帝国では、ゆがめられた形のキリスト教が国から特別に優遇される宗教と
なりました。クリスチャン信仰をとなえたこの流れの人々は、もはや歓迎されざるよそ者ではなく、ローマ世界に
おける政治や社会活動の中心的存在となっていました。アウグスティヌスなど教会指導者たちは、こうした状況の
変化から、待望の神の国が今や到来したと教えました。そのような指導者たちは、自分たちの得た政治、宗教的な
影響力こそ神の意志を地上に実現する手段である、と説いたのです。こうして、人間の努力によって地上の物事を
動かしてゆくことこそ重要である、とされました。
結果として、クリスチャンは社会の政治的な枠組みの中で役割を担うべきだ、と多くの人が考えるようになりま
した。それを果たすためには、自分たちが住む社会の考え方に合わせて、時にはクリスチャンとしての信条のある
面を二の次とする、というのが大半の人々の考えとなっています。例えば、愛と平和に関するキリストの教えに言
葉の上では同意しながら、その一方では、憎しみに満ちた戦争を支持する人が多くいます。また諸教会も同じよう
に、神の国を祈り求めるようにと信徒に勧めながら、同時に、圧制的な支配者に手を貸している場合が少なくあり
ません。
しかし、こうした態度は、たとえ多くの人に指示されようと、教会の後押しがあろうとも、イエスの説いた信仰と
は異なります。それは作り変えられたキリスト教です。今日クリスチャンととなえる人の多くが奉じているのは、
そのようなキリスト教です。この種のキリスト教は確かに失敗しています。今日、キリスト教世界の全域で聖書の
原則を軽く見る傾向が広く見られることにも示されているとおりです。