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植草氏逮捕に関するメディアの独断性と偏頗性 〔神州の泉〕
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2006/09/post_aeca.html
植草一秀氏の痴漢疑惑逮捕のニュースで、私は、報道された情報をす
べて網羅しているわけでは勿論ない。痴漢事件が起きたときの電車内の
状況や、植草氏が駅の事務室で蒲田署員に引き渡されるまでの詳細な
情報は、はたしてどれくらい出てきているのだろうか。
私の知る範囲では、一連の経緯をそれなりに報道しているのは、下記
のnikkannsports.com である。これ以上の仔細な報道が出ているのかど
うか私にはわからない。もしあるのなら、是非にも知りたいと思っている。
(1)nikkansports.com[2006年9月15日8時14分]
この電車は同10時8分に品川を発車。席は埋まっていたが、乗客の肩
が触れるほどは込んでいなかったという。女子生徒は前から3両目の車
両中央部付近に立っていた。セミロングの黒髪、身長は約155センチ。紺
のミニスカートに白のブラウス、グレーのセーター、白のハイソックスという
制服姿で、学校行事の準備を終え、1人で帰宅途中だった。調べによると、
植草容疑者は品川を発車直後から女子生徒の右背後に立ち、左手でス
カートの上から尻の右側を触り始めその後、左手をスカートの中に入れ、
下着の上から尻を触ったという。当時はスーツ、白いワイシャツ姿でネク
タイはしていなかった。右肩にバッグをかけ、左手に黒い傘を持っていた
が、女子生徒は、植草容疑者はこの傘を左手首に引っ掛けて触っていた
と話しているという。数分間触り続けたところで、女子生徒が泣きだし「や
めてください」と声を上げた。付近にいた30代男性2人が異変に気付き
「何やってるんだ」と注意。植草容疑者は黙ってうつむき続けたという。
(2)毎日新聞の記事の抜粋
警視庁蒲田署によると、植草容疑者は13日午後10時10分ごろ、京
浜急行品川―京急蒲田駅間を走行中の下り快速電車内で、女子高生
(17)の後ろに立ち、スカートの上から尻を触った疑い。女子高生が「や
めてください」と声を上げて発覚。乗客の男性2人が植草容疑者を取り
押さえ、京急蒲田駅で同署員に引き渡した。 (毎日新聞 9月14日)
(3)Dialy Spoprts Onlineより抜粋
調べでは、植草容疑者は13日午後10時10分ごろ、京浜急行品川−
京急蒲田間の快速電車内で、神奈川県内に住む私立高校2年生の女
子生徒のスカートの中に手を入れ、下半身を触った疑い。女子生徒が
「やめてください」と声を上げ、目撃していた乗客2人とともに取り押さえ、
京急蒲田駅で駆け付けた蒲田署員に引き渡した。
以上の三つの記事から最も気になる部分を抜粋して疑問に思うことを
書く。気になることとは、植草氏を取り押さえたと言われている二人の30
代男性の判断と行動の時系列である。
(1)の記事に見られる二人の男性の行動
==============================
数分間触り続けたところで、女子生徒が泣きだし「やめてください」と声
を上げた。付近にいた30代男性2人が異変に気付き「何やってるんだ」
と注意。
==============================
これを読むと二人の男性は、女生徒が声を上げてから異変に気づいた
ことになる。
(2)の記事に見られる二人の男性の行動
=============================
女子高生が「やめてください」と声を上げて発覚。乗客の男性2人が植
草容疑者を取り押さえ、・・・・
=============================
これも(1)と同様に、女子高生が声を上げたことで、二人の男性が発
覚したということになる。
(3)の記事に見られる二人の男性の行動
=============================
女子生徒が「やめてください」と声を上げ、目撃していた乗客2人ととも
に取り押さえ、
=============================
これは(1)、(2)の記事と決定的に意味が異なってくる。すなわち、植
草氏を取り押さえた男性二人は、女子生徒が「やめてください」と言った
ときは、すでに植草氏の行為を目撃していたことになる。わざわざ「目撃
していた」と過去進行形で書いているのである。文脈から言ってそう受け
取るのが自然である。書く側は、重要な意味を持つ表現をぼかすことは
しないだろう。この記事から読み取れることは、痴漢を働いた者と被害
者以外の第三者の客観的な目撃があったことを示している。
取り押さえにかかった男性二人について、上記以外の表現で報道され
た記事がまだあるのかもしれないが、少なくとも矛盾した報道が出ている
わけである。その矛盾の意味は非常に重大である。つまり、痴漢行為に
ついては、女子高生が「言ったから発覚」したということと、女子高生の声
とは別に、男性二人はすでに行為を目撃していたという二種類の報道が
出ていることになる。つまり、男二人が犯罪を確認した方法と、それに至
る時系列、因果関係が決定的に違うのである。
被害者である女生徒本人が叫んだことで発覚されたことと、第三者が
女生徒とは別個に目撃していたこととは客観性の重さがまったく違って
くるのである。
それにしても奇妙ではないか。蒲田署の発表ソースはあくまでも一つ
である。それを新聞各社が文字にして発表した時は、裁判的な意味合
いがまったく異なる二種類の報道が出たことになる。逆説的に考えれば、
蒲田署が報道関係者に説明した時には、この第三者の男性二人の目撃
証言について肝心な部分は語っていないことになる。(3)の記事は表現
上の勇み足の可能性が高い。ということは、植草氏の痴漢を指摘した
者は、その女子高生だけであったという可能性が非常に高いことに
なる。
私がいくつかのニュースを見た感じを言えば、植草氏を決定的に犯罪
者だと断定する客観的な情報は何一つ出ていないことになる。しかもで
ある。「女子高生自身の証言によれば」という情報さえも目にしていない
のだ。私はここに、植草氏に関するマスメディア報道の恣意的な偏頗性
を感じるのである。女子高生自身の証言という表現もなく、取り押さえた
男性二人に関する確定的な情報もない。
妙だとは思わないだろうか。女生徒、そして男性二人、この三名の証
言という確定性が曖昧な状況で、マスコミが逮捕記事を流している事実。
この状況で、はたして植草氏を犯罪者呼ばわりできるのだろうか。つまり、
今の段階で何が起きたのかと言えば、植草氏の件には、推定有罪の方
向性しか見えていないということになる。もう少しこの事実を敷衍すれば、
この三名の証言の不確定性を敢えて示すことに加えて、マスコミにいき
なり逮捕記事とワンパターンな前回手鏡事件の併置報道をさせることに
よって、国民にこの事件の誤った先入観を与えていやしないだろうか。す
なわち、三人も当事者がいるのに、彼らの証言が一切報道に出ていない
ことと、逮捕という言葉と過去の手鏡事件を併記、あるいは併置報道す
ることによって、国民に恣意的な刷り込み操作をしているように私には見
えるのである。これは植草氏の痴漢性癖が、あたかも既成事実であるか
のような印象操作そのものである。謂わば洗脳に近い構造になっている
とは思わないだろうか。
発表されているものには、植草氏の有罪を特定する客観的な材料、
つまり、決定的な目撃証言に関する一切の情報ソース、及びその因果
関係は書かれていない。つまり、「スカート内に手を入れ、尻などを触っ
た疑い」という肝心な痴漢行為については、誰がそれを証言したのか
がわからない。常識的には、被害を受けたと称する女子生徒自身から
の証言を暗然と示しているかのように感じるが、それさえも書いていな
い。痴漢の場合は、被害者本人の証言を重視する推定有罪が有効で
あるから、女生徒の話だけで植草氏は痴漢行為を行ったとされたのだ
ろうか。その可能性は圧倒的に高い。
身体に関する犯罪というものを一般的に考えると、普通は実行犯と
被害者の間には決定的な犯罪の痕跡が残る。決定的なのは、傷害や
傷害致死の場合は被害者に傷痕があるとか、極端な場合は被害者の
死という完全に眼に見える状態がある。同じ身体関係の犯罪でも、拉
致や監禁などは物理的な拘束を受けるという客観性が生じる。ただ、
名誉毀損などの心理犯罪の場合は、物理的視覚的な傷は付かない
が、心理的な傷を付けた原因となる文章や言動が記録されている場
合が多く、そういう意味でははっきりと犯罪事実が確認できる。
しかし、痴漢被害の場合は、女性が被害を訴えるか、実行犯人を自ら
確保するまでは、わいせつ行為自体があったことは、通常、周囲の人
間には知られていない。周囲の人間がそのことを「気が付く」場合とは、
ほとんどが女性の訴えや指定を受けてからである。今回の植草氏の場
合にも、ニュースに出てくる二人の男性が、痴漢行為と同時進行的に
それを目撃していた可能性は限りなくゼロに近い。ならば、女性が故意
に、意図的に叫んである男性を指差しても、その男性を鉄道公安官や
警察に引き渡すことも大いにありうることだと考えなければならない。
痴漢という犯罪は、ほぼ完全な隠匿性の中で行われるから悪質なの
である。従って、痴漢被害の場合に限り、人権を拡張的に考慮する立
場から、被害者の申し述べだけを根拠とする推定有罪が特例的に認
められてきたのではないだろうか。しかし、被害者本人以外の目撃が
ない状況で、どうやって被害者の訴えが真正なものと確認できるので
あろうか。それが痴漢冤罪ではないとどうやって証明できるのだろうか。
「おれはやっとらん」という弁明が、被害者の言葉よりもはるかに軽い
のであれば、本当にやっていない場合は悪魔の証明以外にないこと
になる。そういう極端な非対称性を持つ犯罪が痴漢なのである。冤罪
が生起しやすいまことに厄介な犯罪である。女子高生が植草氏という
有名人を見て、ほんのイタズラ心で狂言被害者を装った可能性は除去
できないのである。その可能性もあるが、私自身は植草氏逮捕に直接
関わった女生徒と男二人が確信犯である可能性のほうが強いと感じ
ている。この件に関するかぎり、ことの真相は慎重にも慎重を重ねる
検証が必要なのである。
ところが我が国のマスコミのひどさは筆舌に尽くしがたい。警察の曖
昧な情報源だけで、蓋然的に植草一秀氏を確定的な犯罪者扱いにし
ている。こんなことが法治国家で許されるのか。特にマスコミがある種
の力を有していて、それを行使するなら、それは権力の暴走を監視して、
国民に訴えることにあるのではないか。今のマスコミは、特に小泉政権
下のマスコミは報道陣としての魂を完全に亡失し、小泉独裁権力におも
ねる愚劣さを持ってしまった。現在の日本は事実上の暗黒社会である。
もう一つは、テレビ報道の偏頗性である。このニュースに関して、テレビ
で報道する内容はネットや新聞で見るものとほとんど同じであるが、奇妙
なことにテレビ特有の猟奇趣味的で野次馬的な視点による取材を一切し
ていないようなのである。どういうことかと言えば、テレビはワイドショーが
特に典型的だが、有名人が事件を起こすと、必ずそれを取材に行き、周
囲の迷惑も省みずに、事件の関係者や周辺にいた人たちにあることない
ことを聞きまわる。それはほとんど事件の本質とはかけ離れたプライベー
トなことに重点を置いているが、少なくともテレビ独自のソースを見つけて
取材を行うのが通例である。テレビが独自の取材を行うのは、テレビが
文字メディアとは異なり、視覚メディアであることを示す存在証明でもあり、
矜持とも言える。
しかし、不思議なことに、今回の植草氏に関することについては、テレビ
も警察発表ソースだけで止まり、独自の画像主体の取材活動を行ってい
ないように見える。アナウンサーやキャスターが、警察発表の新聞記事を
そのまま棒読みしている感じなのだ。各局とも、一様に、前回の手鏡疑
惑を強調し、電車内の件についてはテレビ独自の取材行動をしていない
ようなのだ。思い起こせば、前回の手鏡騒動の時も、テレビは駅構内の
混雑した映像のみを流しながら新聞記事と同じことを繰り返していたよう
に思う。つまり、植草氏の件に関しては、テレビの存在証明である関係者
画像を用いなかったのである。
その気になれば、当日、現場に居合わせた者を一人や二人見つけて、
ワイドショーらしい覗き見趣味な質問を行っていたはずである。あるいは
未成年の女子生徒本人は避けても、その親兄弟や親族、近所の住民に
聞き込みに行くくらいは常套手段であったはずである。ところが、そのゴキ
ブリ的な生命力は、植草氏の件に関してはまったくと言っていいほど発揮
されていないように見える。テレビの有名人報道が、植草氏に関しては、
その定番的な下司取材を行わないということは、あらためて思うと不可解
である。
うがって考えれば、これは昨年の郵政民営化時にテレビが、民営化の
背後で糸を操る、外資やアメリカの意図を報道することを一切禁忌にし、
徹底的に忌避したことと、どこか似通っているキナ臭さがあるのだ。宮
崎学氏の「大衆迎合的人道主義」という言葉を借りて言うなら、植草氏報
道に限っては、普段よりも極端な大衆迎合的人道主義が優先され、テレ
ビメディア特有の映像取材による検証がなかったような気がする。そのこ
とはとりもなおさず、テレビの報道視点が植草氏の件に関しては通常と
異なっていることを暗示している。昨年の郵政民営化総選挙前の一ヶ月
あまりのテレビ報道には明らかに報道管制が敷かれていた。それは一
貫して、郵政民営化推進の小泉擁護の報道視点であった。これに反す
る考え方や視点は一切封じ込まれたのである。この時、テレビが報道
世界の良心や魂、公平性を完全に亡失していたことは記憶に新しい。
その時を髣髴とさせるほどあからさまではないにしろ、今回の植草氏報
道でも、テレビの視点は偏頗性を強く有している。つまり、事実を検証しよ
うともせず、はじめに植草氏の痴漢逮捕ありきという前提を、あたかも常
識であるかのようにセンセーショナルに伝えたのである。事実を伝えると
いう段階をすっ飛ばして、植草氏の決定的な社会的ダメージを構築する
ことが目的であったかのような印象を受ける。つまり、テレビや他のメディ
アが、今回の植草氏報道に本音のメッセージとして孕んでいたものは、
常態的に痴漢をするような性癖の植草氏の言うことはまったく信用できな
いでたらめなものなんだぞということである。警察発表に出た正確な情報
の異常な少なさと、メディアの偏頗性を足して二で割ると、権力を有した
第三者の策謀という線が浮かんでくる。
つまり、あの当時の抵抗勢力と言われた政治家たちの論評を一切発言
させずに忌避し、封じ込めた気配と共通した匂いを感じるのである。植草
氏は竹中や小泉の憎悪の的である。それは取りも直さずアメリカの警戒
心を強く買っている人物ということなのである。それも植草氏自身は、アメ
リカにとっても、最重要クラスの抵抗勢力なのである。私は今回もマスコミ
が、特にテレビが官邸とタイアップして植草有罪論を祭り上げたような気
がしている。これは元をたどれば必ずアメリカの意図が働いていると言え
るだろう。
郵政民営化は来年の2007年に郵政公社を民営化して本格的に始動
する。アメリカの垂涎の的である郵政資金が、彼らの仕掛けた自由市場
の罠に晒されるのが近づいてきている今、植草氏のような国益主義の経
済学者は最も邪魔な存在なのである。従って、推量できることは、今回の
植草氏の痴漢逮捕は、植草氏の全人格否定を的にした故意の偽装犯罪
だったという結論になる。その黒幕が国民に対して無言で示したことは、
植草氏の発言を信用するな、彼の書いたものは決して読むなという強い
サインなのである。だからこそ、この事件にきな臭さを感じている人は
積極的に植草論文、あるいは植草論考を読むべきである。
新聞記事やその他のニュースでは、植草氏が推定有罪の可能性にお
いて逮捕されたのか、あるいは第三者の決定的な目撃をもって逮捕され
たのかまったく出てこない。見えるのは、とりあえずは逮捕拘留して置い
て、マスコミで徹底的にイメージを悪化させれば植草氏の言論活動は完
全に封殺できると考えているのだろう。立件が可能かどうかは後回しと
いうことなのか。
被害者の女子高生と、植草氏を取り押さえたという二人の男性の素性
や背景を徹底的に調べてもらいたい。もちろん、蒲田署とは別の管轄で。
警察権力と無関係の人が調べることはできないのだろうか。二人の男性
はテレビや新聞になぜ出てこないのだろう。最後に言うが、植草氏の犯
行を示す客観的な情報は何一つ出ていない。そのうえ、被害者自身の
主観的な情報は、植草氏が左手首に傘を引っ掛けながら尻を触っていた
こと以外には何一つ出ていない。尻の触り方も二種類の報道が出ている。
(1)は下着の上から触ったことになっているが、(2)はスカートの上からと
書いている。これも判然としない。警察がその点もはっきりと言わなかった
ということなのか。
出たのは、女子生徒が「やめてください」と言ったということだけである。
あと、彼女は泣いたそうである。警察は肝心なところを何も出していない。
にもかかわらず、マスコミは逮捕だ、逮捕だと検証もしないで花火を打ち
上げている。この構図をじっと見たら、植草氏が「はめられた」という疑念
がますます強くなる。また、「反戦な家づくり」というブログからたどったが、
「PJオピニオン」に無視しがたい記事が出ていた。
「どこかのテレビ局では、事件が起こる前に、電車内で女子高生の
「あー、植草だぁ〜」という声が聞こえたという証言が紹介されて
いたが、女子高生の植草氏へのいたずらの可能性も残されて
おり、もしも、その可能性が出てこれば、事実関係の確認の前に、
今度は女子高生叩きに走るだろう。」
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2452811/detail
以上を踏まえて言うのだが、植草一秀さんの心情をおもんばかると、
心底胸が痛くなる。