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(回答先: どこが類似しているのか、全く分からないのですが… 投稿者 いいげる 日時 2006 年 7 月 18 日 10:35:24)
以下 「 獄中生活15年の元受刑者が明かす 実録!刑務所のヒミツ (安土茂 著、二見書房)」 の p.23 - 26 より抜粋。
では、留置場で一番つらいことは何なのか。
それは二十四時間いつでも容疑者の取り調べができるということ。時間制限のない取り調べは、体力的にも精神的にも容疑者を追い込んでしまうのだ。
私の場合も、取り調べは早朝から午前二時まで連夜にわたってつづけられた。刑事の質問にまともに答えようにも、睡眠不足で頭はぼんやりとしてきて、しだいに何をしゃべっているのか自分でもわからなくなってくる。あれは一種の拷問だった。
ちなみに拘置所ならば、取り調べができるのは、朝九時から午後四時までと決められている。そのため、やってもいない罪を認め、拘置所に移してもらって睡眠時間を少しでも確保しようとする者も出てくる。ここに冤罪が生じる原因のひとつがある。
時間の問題だけではない。留置場での取り調べは実に過酷を極めるのだ。
長時間にわたる取り調べで睡魔に襲われれば、まずサーチライトのような証明を顔に照らされる。まぶしくて顔をそむけようとすると、刑事から罵声を浴びせられ、ドンと机を叩いて驚かされる。それでもウトウトしてしまうと、今度は椅子の脚を別の刑事が思いきり蹴飛ばす。
取調室で容疑者が坐る椅子は、わずかにおしりをのせられるだけのひょろ高い丸椅子。これを急に蹴飛ばされると、手をつく暇もなく体全体で床に叩きつけられてしまう。
刑事はさらに追い討ちをかける。倒れてうめいている私に向かって、
「こっちが眠いのを我慢しておまえのために調べとるんだ。それなのに居眠りをして椅子から転げ落ちるとは、ふざけるのもたいがいにせい!」
と、まるで自分で勝手に落ちたかのように怒鳴りつける。こんなことがつづくと、どんな屈強な男でも精神がまいってしまうだろう。
それでも容疑者が罪を認めなければ、つぎは食事やタバコをエサに自白を引き出そうとする。
前述したとお留置場ではタバコは吸えないし、官弁は粗末なもの。差し入れ屋でおいしいものを買えるといっても、それはお金を持っている人にかぎられる。刑事はその弱みにつけこみ、食事やタバコをちらつかせて調書へのサインを迫ってくる。
このアメとムチを繰り返されると、容疑者の心の中に「もうどうでもいい、早く楽になりたい」という気持ちが芽生えてくるのも当然だろう。調書に書かれている内容が事実であれば、たしかに早く罪を認めて楽になったほうがいい。
しかし問題は、調書の内容が事実と食い違っているときだ。やってもいないことをやったことにされる。また、やっていても方法や日時・状況などが違う。取り調べでは、そういった捏造が頻繁に行われているのだ。
厳しい取り調べで自暴自棄になるのもわかるが、うっかりサインをすると、あとで自分に跳ね返ってくる。裁判で不利になるのは自分なのだ。