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http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20060707p203.htm
豊中主婦殺害、阪大4年の三男が犯行を自供
◆強盗殺人容疑、逮捕へ
大阪府豊中市の主婦辻森早苗さん(58)が自宅で殺害された事件で、事件翌日に自殺を図った大阪大学工学部4年の三男(24)が7日、府警捜査1課の豊中署捜査本部の事情聴取に対し、「母親にしかられ、かっとなって殺した」と犯行を全面的に自供した。「母親の財布などから奪った金は隠した」とも話し、府警は、三男の供述通りの場所から現金や返り血とみられる血痕が付着した着衣を発見。同日午後にも、三男を強盗殺人容疑で逮捕する方針。
調べでは、三男は6日早朝、親類宅のトイレで手首を切って自殺を図り、重傷を負った。その際、親類に「事件で迷惑をかけた」と話し、事件への関与をほのめかしていたという。
三男はその後、大阪市内の病院に入院。府警は7日朝からの手術を前に、病院で事情を聞いたところ、「当日の朝、母に怒られて腹が立って殺した」と母親殺害を認めた。普段から「パチンコばかりしている」としっ責されていたという。
三男は、事件当日の5日朝、父親(58)に「大学に行く」と告げ、午前9時過ぎに家を出て大学に向かったとしていたが、府警の聴取には「最近、学校にはほとんど行っておらず、父親にウソをついてパチンコ店に行った」と説明。店の防犯カメラにも、母親の死亡推定時刻の午前10時以降に入店した姿が写っていた。
また、辻森さん宅の物置からなくなった金づちの形状が遺体の傷口とほぼ一致。抵抗した形跡がないため、府警は顔見知りの犯行とみて捜査していた。
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◆大学通わずパチンコ熱中
大阪府豊中市の主婦辻森早苗さん(58)が自宅で殺害された事件で、7日、犯行を認めた大阪大工学部4年の三男(24)は、教育熱心だった母親の期待を一身に受けて育った。しかし最近、大学には通わず、昼間からパチンコ店に入りびたっていたという。「母にしかられ、かっとなって殺した」と供述。母子の間に何があったのか。知人や大学関係者は言葉を失った。
近所の人によると、三男は地元の市立小、中学校を卒業。高校は公立の進学校を目指していたが、結局、大阪市内の私学に進学したという。私学では、難関国公立大学進学クラスに入った。教頭は「一浪して、大阪大学に進学したと聞いている。在校時は素行などに問題はなかった」と話す。
その後、三男は2001年4月に大阪大工学部応用理工学科に入学した。
幼なじみの会社員女性(22)は「人なつっこくて、明るい性格で、みなに親しまれ、友達も多かった」と言う。近所の主婦は「親に反抗的な態度を見せたとは聞いたことがなかった。ただ、最近は真夜中に大きな声で歌を歌うなど『不可解だな』と思うこともあった」と話した。
最近は通学用のバイクが昼間も自宅に止まったままのことが多く、母親の早苗さんが大声で起こす声が戸外に漏れることもあった。両親が外出した後にバイクで外出、パチンコ店に出入りしていた、という。
大阪大工学部教務課では、事件を受け、朝から職員らが報道陣の対応に追われた。学生が殺害への関与をほのめかす供述をしていることをニュースで知った同学部の江藤靖弘教務課長は「ただただ驚いている。うちの学生が事件を起こしていたとすれば非常に残念だ。出来る限り早く事実関係を把握したい。もし本当なら、このようなことが二度と起こらないように様々な手段を構築していく必要がある」と言葉を詰まらせた。同大学は午後1時ごろから幹部らによる緊急の対策会議を開いた。
三男を知る同学部の同級生らは一様に驚きの声をあげた。実験実習を一緒に受けたことがある男子学生(24)は「授業にはあまり出てきていなかったが、一緒に飲みに行くなど気さくな性格だった。本当に事件に関与してるのだろうか……」と肩を落とした。別の男子学生も「快活そうで、何か問題を抱えている様子ではなかった」と話していた。
(2006年07月07日 読売新聞)