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(回答先: リンク:公判での矛盾点&「性的暴行」の実態。 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2006 年 7 月 05 日 00:44:46)
「素人裁判」とも言える「裁判員制度」の為に導入されたといわれる論点整理手続き。
弁護側に「急に主張を変更されて論議できない」とまで言わせた曖昧さは、きちんと議論していたらどう成っていただろうか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(引用ここから)
中国新聞・地域ニュース
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200607050010.html
▽あいりちゃん殺害、死刑求刑退ける
広島市安芸区で昨年十一月、矢野西小一年木下あいりちゃん=当時(7)=が下校中に殺され、段ボール箱に入れられて見つかった事件で、殺人、強制わいせつ致死などの罪で死刑を求刑されたペルー国籍のホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告(34)の判決公判が四日、広島地裁であった。岩倉広修裁判長は「極めて悪質だが、矯正不可能とまで言い切れない」として無期懲役を言い渡したが、「犯情や遺族感情にかんがみれば被告の一生をもって償わせるのが相当。仮釈放については可能な限り慎重な運用を希望する」という意見を付け加えた。
被害者が一人で、金目当てではない殺人事件としては異例の死刑求刑に対し、地裁の判断が注目されていたが、従来の死刑基準にほぼ沿った判断となった。
広島地検の松田成次席検事は「主張が認められず非常に残念。判決内容を検討し、上級庁とも協議して適切に対応したい」とコメント。地検は近く控訴するとみられる。
争点となった、殺意・殺害方法、わいせつ目的、殺害場所、責任能力の四項目について、岩倉裁判長は検察側の主張をほぼ採用。遺体の鑑定結果や解剖医の証言に基づき「確定的な殺意をもって、首を片手で突き上げるように握って絞めた」と認定。「わいせつ目的でアパート自室かその付近で犯行に及んだ。『悪魔が入ってきた』などの供述は不自然で信用できない」などとしたが、犯行の計画性は否定した。
被告の態度についても「自己の欲望の赴くままにわいせつ行為に及び、殺害した冷酷非情で残忍な犯行。悪魔のせいにするなど、不合理極まりない責任転嫁に終始し、反省は到底十分と言えない」と強調。「まな娘を突如失った両親や遺族の悲痛は筆舌に尽くしがたく、極刑を望む心情も十分に理解できる。社会に与えた影響も軽視できない」と述べた。
しかし、連続射殺事件での永山則夫元死刑囚(一九九七年執行)に対する八三年の最高裁判例(永山基準)に照らし、「殺害された被害者が一人で、前歴も見当たらない。計画性がなく、衝動的に犯行に至った疑いもぬぐえない」として、「死刑をもって臨むにはなお疑念が残る」とした。
この事件は、三年後に迫る裁判員制度の導入を見据え、地裁と検察、弁護側の三者が事前に争点を整理する「公判前整理手続き」を適用。五月十五日の初公判から、一カ月半余りで判決言い渡しを迎えるスピード審理となった。
▽迅速公判 真相に迫れず
【解説】広島地裁が言い渡したあいりちゃん事件の判決は、遺族感情に配慮しながらも、従来の死刑適用基準を踏み越えることはなかった。基準に沿う厳格な判断との見方はできる。一方、「公判前整理手続き」を採用しての裁判の迅速化と徹底審理の両立には、課題を残したと言える。
「永山基準」による量刑判断では、結果の重大性として、殺害された被害者の人数が特に強調される。日本弁護士連合会の調査によれば、永山判決以降の二十年間で、被害者一人で死刑が確定した十三事件は、いずれも金品目的を伴う殺人か再犯だった。
うち一件は、自室で幼女にわいせつ行為をした上に絞殺、遺棄した事件で、トレス被告の起訴事実と重なる点が多い。ただ、やはり仮出所中の再犯で、検察側が犯罪歴を立証できなかった今回のケースとは異なる。計画性の立証も不十分で、死刑適用に向けた判断材料にはならなかった。
今回の事件は、裁判員制度のモデルケースとして、裁判の迅速化を目指す公判前整理手続きを導入した。難解になりがちな争点が明確になり、遺族にとっても一審判決の節目を早く迎えられた意義は大きい。
しかし、過密な公判日程のためか、被告の自国での犯罪歴の有無や犯意の生じた時期など、事件の真相に迫る事実が置き去りになった感は否めない。「時間がなかった。控訴審で立証してほしい」。判決後、あいりちゃんの父建一さん(39)が漏らした感想だ。審理内容に納得できない思いもにじんだ。
今回のような重大事件を対象とする裁判員制度が、遺族らに疑念を抱かせるものとなっては本末転倒だ。司法への国民の理解は、徹底審理による真実の追求があってこそ得られるはずである。(松本恭治)
★木下あいりちゃん事件
昨年11月22日午後3時ごろ、広島市安芸区矢野西4丁目の空き地で、矢野西小1年あいりちゃんが段ボール箱に入れられ、遺体で見つかった。広島県警は同月30日未明、近くのアパートに住むトレス被告を殺人、死体遺棄容疑で三重県の親類宅で逮捕した。判決によると、トレス被告は22日午後零時50分から同1時40分ごろまでの間、わいせつな行為をする目的で、首を手で絞めてあいりちゃんを殺し、段ボール箱に入れて近くの空き地に遺棄した。
【お断り】中国新聞は女性暴行などの性犯罪事件に際し、被害者名を匿名にして犯行の内容も簡潔にとどめ、被害者の心情に配慮した報道に努めてきました。広島市安芸区で起きた木下あいりちゃん事件では、父親から「性被害の実態を報道しなくては事件の真相が分からない」との問題提起がありました。これを受け、この事件については被害者名を原則実名とし、犯行の具体的な内容も報道することにしました。