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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060630k0000m070169000c.html
記者の目:畠山鈴香容疑者と私 田村彦志(能代通信部)
秋田県藤里町の小学1年、米山豪憲(ごうけん)君(7)を殺害した容疑で再逮捕された畠山鈴香容疑者(33)を私は以前から知っていた。その縁もあり、彼女には何度も単独でインタビューした。そして結果的にだまされた。
当初から捜査線上に浮かんだ被疑者であり、直前に長女を水死で失い、それを事故として処理した警察に強い不信を抱く遺族でもあった畠山容疑者。彼女がつき続けたうその中に埋もれた真実は何かを今、改めて考えている。
20年以上前、畠山容疑者は私の家から200メートルほどの所に住んでいた。亡くなった長女の彩香ちゃん(9)と同じ小学4年生くらいで、朝、友達と一緒に登校する姿をよく見た。背が高く、近所の人に笑顔であいさつする可愛い女の子だったという記憶がある。彼女が地元の高校を卒業してからは会うことはなかった。
4月10日、彩香ちゃんは能代市内を流れる川で水死体となって発見された。その母親が畠山容疑者だと知らされたのは数日後だった。警察は「家の近くの河原で滑り、川に流された可能性が高い」と発表した。
だが、地元の住民は「どうして、あんな所で」と首をかしげていた。川に落ちたとされる場所と遺体の発見場所は7キロも離れ、途中は曲がりくねり、ブロックを積んだえん堤も2カ所ある。この地方の4月はかなり寒く、子供が雪の残る河原に近づくとは思えない。私は川の周辺を歩き直し、聞き込みを始めた。
そして5月17日、同じ藤里小に通う豪憲君が行方不明になった。翌朝、捜索活動に参加する住民の前に畠山容疑者が突然姿を現した。顔面そう白で「川だ、川だ」と繰り返した。娘を失った母親が近所の子を心配する姿に、現場にいた私の心は激しく揺さぶられた。
しかし、この時点で彼女は警察から事情聴取されており、その後に身を寄せた実家の前は報道陣と警察が24時間張り込んだ。畠山容疑者が娘の死に疑念を抱き、情報を求めるビラを作っていると聞いた私は、どうしても本人に今度の事件との関連を尋ねたかった。やっと電話がつながり「言いたいことは全部書くから」と約束すると、彼女は応じた。その理由は、私が以前から娘の死に疑念を持って取材していると知っていたからだと後で聞いた。
最初のインタビューは2時間を超えた。彼女が豪憲君を殺したのではないかと私も疑っていたが、面会後の印象は「白か黒か、分からない」というのが正直な感想だった。
近くで見る畠山容疑者は悲しみに打ちひしがれていた。娘に食事を与えない、といったうわさ話には「こんな大きな茶わんで3杯も食べたんだよ」と血相を変えた。遺体発見時の服を広げて「川を流れたというのに服が傷んでいない」という訴えにも説得力があった。一方で、実家の母が彩香ちゃんと豪憲君が映ったビデオを見て泣いている時には目をそらし、携帯電話をいじりながら「この男が怪しい。電話して」と私に言ったりした。豪憲君の遺体の状況に話が及ぶと黙ることが多かった。
インタビューを掲載する際は社内でも議論があった。容疑者かもしれない人物を「悲劇の母」として伝えてしまっていいのか。しかし、畠山容疑者が謎の水死を遂げた女児の母親であることは事実であり、その証言は豪憲君の事件を検証するためにも不可欠だ。私がそう考えたのは、心のどこかで彼女の潔白を信じたかったからなのかもしれない。2週間後、彼女は逮捕された。裏切られたという気持ち以上に、「なぜ?」という思いが強かった。
逮捕前、メディアと衝突を繰り返す畠山容疑者は「裏目に出た」とよく漏らしていた。「彩香の行動を知りたくてビラを配った時、マスコミは何の反応もなかった。なのに今はビラに書いた私の携帯番号に次々と電話がかかり、マスコミに囲まれている」とも話していた。容疑者の身勝手な主張ではあるが、事件を報道する側と、される側の関係を言い表しているようにも思えた。
長女をでき愛する一方で虐待していたと伝えられるように、私は彼女の性格の二面性に困惑し続けた。加えて、被疑者でもあり被害者ともいえる畠山容疑者の状況に、今回の報道の難しさを痛感した。
畠山容疑者の弁護士は動機について「豪憲君の姿が彩香と重なり、(胸が)張り裂けそうになった」と説明した。それが真実かどうかは分からないが、「彩香の死を十分に捜査すれば第2の犠牲者は出なかった」という彼女の声は今も耳に残る。警察は彩香ちゃんの水死について継続捜査を行っている。事件の全容解明のためにも、徹底的に調べてほしい。
毎日新聞 2006年6月30日 0時28分
以下、プロット・秋田小1殺害 [どん底あるいは青い鳥。]より抜粋。
http://www.asyura2.com/0601/nihon19/msg/771.html
娘を愛していたといえば「それは自分勝手な愛情だ」「容疑者の二面性だ」などという。「容疑者の話は首尾一貫している、だから嘘を入念に作り上げる凶悪な性格だ」と報じたその舌で「容疑者の供述はコロコロ変遷している。嘘つき体質で信用できない」と言い募る。
DNAによる本人鑑定には簡易検査でも「数日かかる」と報じながら、家宅捜索の「当日」に「『豪憲君の』血痕が発見されました!」などと(いう嘘を)嬉々として叫ぶ(遺留毛髪DNAが容疑者のものと一致したというのは結局誤報だった)。他人を多重人格呼ばわりする本人たちが、その都度平気で正反対のことを言ってのけるのだから世話はない。