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(回答先: 民家全焼で3人死亡、母子か…奈良・田原本(読売新聞) 投稿者 こげぱん 日時 2006 年 6 月 20 日 21:41:13)
□事件の真相は 専門家が分析 [毎日新聞]
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/incendiar.html?d=24mainichiF0625m107&cat=2
<奈良高1放火殺人>事件の真相は 専門家が分析 (毎日新聞)
奈良県田原本町の自宅に火を付け、母や弟妹を殺害したとして、殺人と現住建造物等放火容疑で奈良県警に逮捕された私立高1年の長男(16)の供述が波紋を広げている。動機の中心は教育熱心な医師である父親(47)への反発とされているが、真相はどうなのか。関西学院大の野田正彰教授(精神医学)が、これまでに明らかになった供述や長男の文章、両親が離婚している家族関係などを手がかりに分析した。
「努力して夢(医者への道)をかなえたい」
長男が、小学校の卒業文集に寄せた「将来の夢…医者」という文章は、こう結ばれている。野田教授は「小学生らしい感情、自己体験が表れていない」と指摘。「こうなりたい」ではなく、「こうでなければいけない」と、親の期待を強く意識していたと分析する。
「厳しく説教し、殴る父に憎しみを持っていた」
父は深夜まで勉強に付き合い、時に暴力を交えて指導したとされる。野田教授は「息子の価値を成績で決めていたかに見える。長男は、成績を良くすることにしか、自らの存在価値を見いだせなくなったのではないか」と語る。出世や成績でしか子どもを評価しない現代の日本社会の「エリート層の病理」とも。
「(事件当日の)20日の保護者会で中間試験の成績についてのうそが発覚する」
小学校時代は成績がトップだった長男は、関西有数の進学校に進み、中位の成績だった。野田教授は「小学校時代は自尊心を保ち、実母のいない寂しさも癒やされていたかもしれないが、進学後は父の望むような成績が取れず、しっ責され、暴力を受けて追い詰められていった」と推測。保護者会で本当の成績が明らかになることから「感情的な支えがない中、殺意が生じたのでは」という。
「むしゃくしゃして何もかも嫌になった」
「放火は弱者の常とう手段」。野田教授は「母ら3人を殺すことが主目的ではない」と強調する。強い父を直接攻撃できないため、家や再婚相手など父に属するものを消すことを目的に火を付けた可能性があるという。「成績低下が発覚する恐れもあり、父の所有物を消し、自らも『生きていてもしようがない』と、大それた行為に踏み切ったのでは」と分析した。
◇
今回の事件で浮き彫りになった親と子のデリケートな関係。若者の心理に詳しい碓井真史・新潟青陵大大学院教授は「子どもとの関係で重要なのは、子どもに対して親が常に『大好きだ』『大事なんだ』というメッセージを発信し続けること。家庭内で弱い部分を見せられる環境作りも、特にいわゆるエリートの家庭では必要だ」と訴えた。
【黒岩揺光、吉田卓矢】
[毎日新聞6月24日]