★阿修羅♪ > ニュース情報3 > 743.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.asahi.com/culture/update/1110/020.html
鳥取市の青谷(あおや)上寺地(かみじち)遺跡で99年に出土した約1800年前(弥生時代後期)の丸太が、高さ10メートルほどにもなる高床建物の柱材だったと10日、鳥取県埋蔵文化財センターが発表した。柱材は出土当時に分割されたが、つなげば7メートル以上になり、弥生期としては最長。長さなどからみて、絵画土器に描かれ、中国の歴史書「魏志倭人伝」にも登場する古代の物見やぐら「楼観(ろうかん)」の建築材と推定される。専門家は「楼観の実在を裏付ける貴重な物証だ」と話している。
柱材は杉で、長さ7.24メートル、直径17センチ。欠損した状態でもっと長かったとみられる。上部2カ所に縦25センチ、横7センチと、縦19センチ、横5.5センチ(一部欠損)の方形の穴があった。貫孔(ぬきあな)と呼ばれるもので、床板を支える「大引き」などが差し込まれていたらしい。
県道建設に伴う発掘調査で出土。当時は弥生期の護岸工事の材料と判断された。保存には長すぎるため四つに切られ、その後一部が朽ちて割れ、五つの丸太になった。
昨年、鳥取環境大の浅川滋男教授が専門の建築史の立場から注目。つないで分析した。浅川教授は「柱材の太さは25センチはあった。大人数人が乗るのに十分な強度。床までの高さが6メートル、屋根まで10メートル近い楼観だった可能性が高い」と話す。
柱材は、鳥取市青谷町の同遺跡展示館(0857・85・0841)で11〜24日(休館の月曜除く)午前9時から午後5時まで公開される。