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□米国南部でドーナツ戦争か=ダンキン南進でクリスピーの牙城に迫る [ライブドア・ニュース]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2616243/detail
米国南部でドーナツ戦争か=ダンキン南進でクリスピーの牙城に迫る
【ライブドア・ニュース 10月23日】− AP通信によると、米国を代表するドーナツ専門チェーンの2強の一つであるダンキン・ドーナツが、もう一方の競合大手クリスピー・クリーム・ドーナツが地盤とする南部に進出する計画を表明しており、ドーナツの一大消費地域である南部をかけた熱き攻防が展開される様相だ。
1948年に創業したダンキン・ドーナツは現在、世界29カ国で1700店を展開。日本にも一時進出したことがある。日本では同社から派生したミスター・ドーナツがお馴染み。工場労働者を中心にブランドを浸透させた同社は、米国内では36州で4400の店舗数まで拡大した。ただ、同社の幹部らはこの成長にも満足せず、「ダンキン・ブランドを全国区にすることを目標」に掲げ、2010年までに米国内の店舗数を現在の3倍まで引き上げたい考えだ。
マサチューセッツ州で第1号店をオープンさせたダンキンは、北東部や太平洋沿岸地域では圧倒的な知名度を誇るが、他の地域での知名度はいま一つ。このためナショナル・ブランドを確立するためには、南部と西部開拓が欠かせない。特に甘党の南部は営業上重要な地域。ただ、この地は砂糖でコーティングしたドーナツで愛されているクリスピー・クリームの牙城だ。
▽:ジューシーが好みの南部で“もっちり”で勝負
ダンキンではすでに2−3年前から南部拡大の布石を打っている。テネシー州でチェーン展開を開始し、ナッシュビル・エリアには現在までに12の店舗に拡大した。この地域の統括マネージャーであるジョー・ランド氏は、2社のドーナツについて、両社はそれぞれすべての人を魅了する味と言うが、実はヤンキースとレッドソックスのようなもので、好みが極端に違うのだそうだ。
南部で育った人に言わせれば、クリスピーでの食事は単なる朝食やスナック以上のもので、生活の一部になっているそうだ。アラバマ出身のローズマリー・エバンスさんは、「ダンキンは味が薄いが、クリスピーは圧縮して口に放り込めば、口一杯にジューシーな味わいが広がる」という。これに対して、オハイオ出身のジャック・レンハートさんは、「クリスピーはロウ塗りドーナツだよ」述べ、高速道路を走ればすぐにダンキンの「DD」の看板を探すのだそうだ。しかし、ダンキンではこうした南部のドーナツのイメージに迎合せず、よりもっちり固めの味で勝負する方針だ。
▽:業界アナリストはダンキン優勢視
業界のアナリストからは、ダンキンの攻勢に分があるとの見方も出ている。投資情報のモーニングスターのレストラン業界アナリスト、ジョッシュ・オーエンズ氏は、クリスピーはダンキンに比べまだまだ小粒と指摘。1937年創業の同社は現在、国内41州と英国など海外6カ国を含め、290店舗を展開する。
このためクリスピーは急拡大戦略に打って出た過去がある。2000年に上場すると一躍全国的に脚光を浴び、同社株価は一本調子で上昇した。しかし、その株価も2004年にバブルがはじけた。当時の経営陣は売り上げの減少を要因に挙げていたが、会計スキャンダルなどが表面化していたのが株価に影響したもようだ。アナリストからは上場で急成長し過ぎたとの見方だ。
▽:南部開拓のもう一つのキーワードはコーヒー
こうしたクリスピーのつまずきをよそに着実に南進するダンキンに対して、アナリストのオーエンズ氏は、「ダンキン・ブランドがより多くの消費者に広まっており、クリスピーが拡大時に採用したようなダイエット嗜好をあえて打ち出す必要もない」と述べる。
ダンキンのブランド担当責任者のロバート・ロドリゲス氏も、同社ではゆっくりと着実に拡大する方針を強調、クリスピーが急拡大によって招いた弊害の轍を踏まない慎重な姿勢を示している。その代表例が、朝食の品揃えと味わい深いコーヒーの商品イメージ力の強さを挙げ、こうした商品構成力とコーヒー・ショップ展開の切り口からも南部の切り崩しが図れるとみている。
ナッシュビルのランド氏は、スター・バックスで働いていた従業員がダンキンで働いている事例を紹介し、110億ドルと見積もられているコーヒー・ショップ市場でも十分つけ入る余地があると指摘していた。 【了】
ライブドア・ニュース 金子登記者 (参照:http://blog.livedoor.jp/emasutani/)
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2006年10月23日17時54分